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2019.10月宿泊。オンドル湯治宿という事でここを選んだ。バス停からは300メートル程の坂を下る。雨だったためか迎えに来てくれていた。
宿は入った時からその可愛さに目が行く。女性3代で営まれていると聞き納得。
館内にはあちこちに立派な生花が飾られており、全て畑で育てた花であるとの事。
そしてその花が終わればドライフラワーにして飾られてもいる。食堂にはドライフラワー以外にも手作り小物類が彩を添え、販売もされている。手作りリース教室等のイベントも定期的にされているそうだ。
そして何より目を引くのが木製品。椅子などの家具からゴミ箱に至るまで、焼杉であったり重厚な丸みを帯びた木材であったりし、館内が柔らかく温かい。
八幡平の湯治宿と言っても御所掛とは大違いだ。現代女性のプチ湯治には持って来いの宿ではないかと思う。
案内されたオンドル室の狭さは同じ様なものだが、窓からは緑や畑の花も見える。
小さなテーブルが1つにハンガーが壁にかけられていた。寝具はセルフで敷くが、勿論宿泊費に含まれており、浴衣だけは200円でレンタルした。鍵もある。これで1泊3700円。
予約時に食事を希望しておくと、朝食1100円、夕食1870円で提供して貰える。
この食事が抜群に美味しかった。勿論全て手作りであり、玄米ご飯、枝豆のコロッケや山菜の天ぷら等身体に良い手の込んだ物を出してくれ、味噌汁は凄く香りが良い。地元の味噌で作られており、味噌の販売もあったが、これ程良い香りの味噌汁は、もしかしたら初めて飲んだかも知れない。
他の方達も「美味しいね 美味しいね」と言いながら食事をされていた。食事が美味しいと皆、自然と笑顔になり明るくほのぼのとした会話も生まれる。
逆に料理が悪いと、皆の顔もこおばり無口で食事するという光景が生まれる。
という事を私は多くの宿に泊まって来て、目にし感じている。だから宿泊に至っては、料理のウエイトがかなり大きいのだ。
そう言う意味でこの宿が、女性達に寄って運営されているという意味は大きく、館内の清潔さ小奇麗さに於いても抜群であり、配慮された優しさが館内に見受けられる。
トイレがウォシュレットというのもポイント高い。
しかし残念な事に温泉は加水された単純アルカリ泉。ph9コンマ台という表示とは裏腹に全くヌルヌル感は無く、ただの清潔なお風呂に近い。ただ湯舟のタイルがベージュの為か、湯の色は若干黒っぽい緑の様な感じの透明色ではあるが、勿論無味無臭。
銭川温泉は昔から目の湯とも言われているそうなので、湯で目を洗っておいた。
湯舟の端に浅い部分が設けられているが、これは寝湯ではなくおそらく乳幼児らが入りやすい様に造られているのではと思った。リンスインシャンプーと石鹸が用意されている。
更衣室の洗面台が焼杉で作られ、椅子も分厚い木の椅子。これらに見とれる。
湯治宿だがドライヤーも用意されているという便利さ。
眠る時になって気になった事があった。枕が臭いのだ。取り合えずマスクをする。
オンドルであり床が温かく、敷布団が暖かいのは当然であるが、暑くてどうしても寝付けない。窓を大きく開けたり色々するがどうも不快感この上ない。
と、気が付いたのだが枕が熱いのだ。化繊の薄いクッション様の枕は熱を帯びていた。
だからかあ。御所掛オンドルの枕は、竹?藤?製の固い小枕だったのだ。あれも寝にくかったけど・・。枕をリュックに換えどうにか寝る事にした。
お宿の方へ。もし気づいていらっしゃらなかったら、枕をどうにかして下さい。
アクセス例:JR田沢湖駅より路線バス花輪駅行で銭川温泉下車。急坂を下る。
もしくは八幡平頂上行でアスピーテライン入り口下車。送迎あり
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2019.10月宿泊。「岩風呂が復活したのよ」と受付で若女将さんが言われた。
雪崩や崖崩れの危険で数年間閉鎖されていた、松楓荘名物の洞窟風呂が、県の調査を経て修繕工事を済ませ、要約今年1月に復旧したそうだ。冬季は閉鎖せざるを得ない日も多かったが、ゴールデンウィーク頃からは利用できているという事で、早速向かった。
混浴である為、隙を見計らっての入浴ではあったが、女性はバスタオルや湯浴み着OK。
吊り橋を渡って行くその洞窟風呂は、半露天の岩風呂であり、淡いミルキーグリーンの湯が美しい。他の湯舟はブルーであるのに対しこの岩風呂の湯だけが緑っぽいのが不思議だ。
ドバドバと投入される温泉。加水されているとは言え、それを感じさせない位新鮮で気持ちが良い温泉だ。
ゆっくり入っていたいが男性が来ないか気になる。カゴが置いてあるだけで、脱衣所も無いのが困る。衝立か、カーテンででも仕切られていないと、着替える事ができない。
もしくは橋の手前の入り口に、女性利用中の札でもかける等させて貰えないものだろうか。
それと湯浴み着レンタルがあれば、もう1つの混浴露天風呂にも使えて便利だと思う。
折角素敵な岩風呂が復活したのだから、皆で楽しめるような工夫をして頂ける事を願う。
岩風呂の気持ち良さも極上であったが、私は古くからある内湯も好きだ。籠り感ある薄暗くひっそりとした浴室で、神秘的なミルキーブルーの湯にひっそりと浸かる。
やはり松楓荘の温泉は良い。四季を変えて入りたくなる。紅葉も新緑も雪の温泉も。
そして寒くなってくるとこの宿の値打ちがぐっと上がる。それはオンドルだ。近くの地熱発電所からオンドルが引かれているため、部屋は乾燥が少なく優しく暖かい。館内は安心して暖かい。廊下を歩く時もトイレも寒くないのだ。
そして冬季は現役で活用しているレトロなボンネットバスが、雪道を走り客を輸送する。車内には昔のままの器材があり懐かしさを覚える。
紅葉シーズンは、八幡平ハイクや岩手山、三ツ石山等の登山客も多い。登山に温泉は切り離せない楽しみである。
私の個人的な意見で恐縮だが、注文付けさせて貰うとすれば料理。一生懸命提供しようとされているのは伝わってくるのだが、品数の多さよりも味付けや、冷めた天ぷらは反って印象を悪くさせるのではないかと思ってしまう。品数よりも質を高めて頂けたらと願うところである。
アクセス例:JR盛岡駅より路線バス八幡平行で松楓荘前下車。
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オンドル小屋があって、時が止まっているような温泉
大深温泉
ここ数年、毎年欠かさずに決行している
乳頭・八幡平湯めぐりツアーの2泊目の宿として、
とても重宝しているのが、ここ大深温泉だ。
山菜やきのこの時期以外は、当日の電話予約でも宿泊が可能だ。
予約なしで泊りに来る人は、お断りしているという。
過去のトラブル事例は、
すべて無予約の客がおこしているからという。
ここの1泊2,500円という込々の素泊まり料金は、
大沢温泉自炊棟と並んで東北№1の安値だろうと思う。
長期滞在者だと、応相談で更に安くなるという。
現在、オンドル大部屋の宿泊棟が2つ並んである。
手前が新館で、床のオンドル熱がやや高温だ。
室内は常時30℃ほどに安定している。
奥の建物が旧館で、室内温度は25℃ぐらいか。
新館と旧館で、客層ははっきりと分かれている。新館では、
お話し好きな泊り客が夜遅くまで宴会しながら座談会をしている。
3回泊まって、3回ともそうだった。大騒ぎをするわけではない。
旧館には、静かに早寝早起きを励行するオンドル湯治客が滞在する。
夜8時を過ぎると、皆さん次々に就寝する。
そして朝は4時前から動き出す。
この時間に入る朝風呂が、応えられないぐらい気持ち良い。
オンドル小屋の泊まり方を簡単にレクチャーしようか。
まずは、管理棟で受付・料金支払を済ませて、
新・旧館の宿泊ボードに自分の宿泊エリアを書き込む。
管理人のおじさんが、親切丁寧にアドバイスしてくれる。
この辺が高温とか、ここにコンセントがあるとか、などなど。
宿泊場所のオンドル小屋に荷物を運びこむ。荷物が大量の時は、
管理棟の壁に立てかけられている一輪車を使って運ぶ。
自分の宿泊エリアを確保したら、寝具をセットする。
堅い寝床で平気な人は、タオルケット1~2枚で済む。
地熱オンドルを楽しむのには、これが一番望ましい。
しかし、低反発マットレスがないと眠れないという現代人の方は、
スポンジマットとかヨガマットとか長座布団とかいった
敷物を持ち込むことになる。これらの寝具は、
使用すると結露・水滴が発生して、
オンドル床のムシロやゴザが痛むという理由で、
八幡平の他のオンドル温泉では持ち込みが禁止されている。
ここ大深はOKなのだ。さて、寝場所をセットしたならば、
オンドル滞在服に着替える。
そのまま横になって、地熱のやさしさに触れるのもよし、
弱めの硫黄臭ただよう内湯へ行くのもよし、
あちらこちらから蒸気の吹き出す風景を散策に出るもよし、
持ち込んだ食材と飲料でまぁ豪華な腹ごなしをするもよし、
大深での滞在をお好きなだけ楽しむがよろしい。
炊事場には、八幡平の湧水が大量にかけ流しになっている、
大きな保冷用水路のようなシンクだけがある。
火気の設備は全くない。
長期滞在者は、炊飯器、10kgのプロパンガスとコンロ、
オーブントースターなどを持ち込んでいる。
オンドル小屋の外壁に、
30センチ×50センチぐらいの木製の蒸気調理箱のようなものがある。
低温のため、調理には適さない。
温めるにしても、硫化水素臭が食材に染み付くのが難点だ。
轟音を発する蒸気の音を聞いているうちに、
完成まで2~3日かかりそうなのだが、
味付の温泉黒タマゴつくりに挑戦してみたくなった。
了
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