トップ > 温泉クチコミ

温泉クチコミ

最近投稿されたクチコミ1~10件まで表示します。

現在の
クチコミ掲載数
882

882件中531~540記事/54ページ目

玉川温泉 (秋田県)

sro201

by sro201 (温泉上級) 2019/09/11

評価:

4.3

玉川温泉の強酸泉と風評について

玉川温泉

医者に見放された重疾患の病人にとって、
残された最後の治療法としてラジウム・ラドン・強酸性
といった成分の温泉での療養生活がある。
玉川温泉は、末期の悪性新生物疾患者が、
地熱オンドル浴や強酸性温泉浴で免疫力を高めて、
社会復帰を果たすべく、
日夜温泉治療にいそしむ療養湯治場として、
今でもメディアで紹介されている。
観光を兼ねた湯めぐりツアーなんかで、
お気楽に冷やかし入浴を興じる対象ではないと、
ずっと思っていた。

しかし「日本一の強酸性泉」といううたい文句には
そそられるものがある。
Ph1.05って、ほとんど塩酸だ。
宇宙戦艦ヤマトのなかで、
ガミラス星の濃硫酸の海の話があったが、
「溶けちゃう~」と叫ぶアナライザーの気分を
自分も感じてみたい気もする。
たまたま、JTB発行の玉川温泉無料券が手に入ったので、
2018年の9月の平日に、
乳頭・八幡平めぐりの際に寄ってみることにした。

当日は、年に3~4回実施するという、
玉川温泉の配水管清掃の日にぶつかってしまった。
新玉川は休館だったが、玉川本館は営業していた。
温泉水の供給が止まっているため、溜め湯での入浴だった。
源泉100%の浴槽は、深緑色のお湯に見えた。
湯温は39℃ぐらい。5分も入っていると、
全身の毛穴がチリチリと痛み出す。
源泉50%のぬる湯浴槽に移動して、
全身の痛みが消えるのを待つ。
ぬる湯浴槽の湯温は37℃ほどか。20分ほどぬる湯に浸かり、
100%源泉浴槽に5分入るという
ループ入浴を4回ほど繰り返した。
すると、首の付け根から鎖骨の下あたりまでの帯状に
赤い腫れが現れて、猛烈にかゆくなった。
30代の半ば頃、
安物のゲルマニウム健康ネックレスを付けて、
金属アレルギーで紫色に腫れあがった箇所だ。
冷水シャワーで首回りを冷やし、早々に浴場から退出した。
日本国内でここにしかないという、
北投石の天然岩盤浴もぜひ体験してみたかったのだが、
首周りの腫れが収まらず、残念ではあったが断念した。

ここ最近の事なのだが、玉川温泉については、
個人ブログやSNSに温泉記事を書いている人たちが、
「閉鎖・倒産・破産・営業譲渡・・・」という単語を
とても安易に情報発信している。
書き手によって、主語がばらばらなのだ。
玉川温泉が だったり、新玉川が だったり、そよ風だったり、
玉川湯治館とか、湯瀬ホテルとか、南玉川温泉なんてのもある。
この風評はかなり気になっていた事だったので、
秋田の地方新聞に掲載された玉川温泉関連の記事を
まとめて読んでみた。ネット上のデータベースは、すごいね。
長くなるので内容は割愛する。興味ある人は、
玉川温泉が天下の悪法という評価がほぼ定着している、
通称リゾート法の指定を受けたあたりから、
星野リゾートが「ぶなの森玉川温泉湯治館そよ風」跡地に
新施設を建設すると公表したあたりまでを時系列で読むと、
事実関係がすっきりする。
人里を遠く離れた温泉湯治場に、
今をときめく星野リゾートが進出して、
どういった事業ビジョンを打ち出すのだろうか。
国内外の、長生きしたい老人富裕層向けの、
長期滞在型・超高級・温泉療養パッケージプラン
が登場するのだろうか。

とっても気になります。





佐野川温泉 (山梨県)

あきらっく

by あきらっく (温泉中級) 2019/09/09

評価:

4.3

ぬるーくてずーっと入っていられる温泉です

お盆時期に暑いからとぬるいお湯に入れる佐野川温泉に行ってきました。
内風呂も露天風呂もぬるいのと暖かいのがありますが、もう露天風呂直行。
というのもお盆時期のため人が多くて入れる場所を探すのも一苦労。
(あんまり混むところが好きではないあきらっく)
しかも暑いからと、ぬるい方の人が動かないw
とはいえあったかい方のお風呂もそんなに熱くないのでずーっと入ってられます。
人の少ない時にもう一回行きたいなぁ。

高湯温泉 旅館玉子湯 (福島県)

sro201

by sro201 (温泉上級) 2019/09/09

評価:

4

高湯温泉のこと 玉子湯のこと

 ここ数年ほど、毎年2回ぐらいは玉子湯を訪問している。
フロント階にある内湯大浴場が気に入っている。
夏場は加水しているのか、濃度が薄く感じられる。
冬場は、外湯の湯小屋や露天なども雪見の風情が好ましい。

 奥州三高湯の信夫高湯と呼ばれていた頃から、
スキー場以外の遊興施設が全くない温泉地だった。
東吾妻の山並みに、スキー場が4つ縦に並んで営業していた。
一番上から最下部の温泉スキー場まで、
約10kmを直滑降で滑り降りることができたのだそうだ。

 高湯温泉は、旅館が料金でAランクとBランクに分かれている。
基準料金12,000円以上がAランクで、
玉子湯・安達屋・吾妻屋・花月ハイランド・高湯のんびり館・ひげの家がそのラインアップだ。
そして、基準料金8,500円以下がBランクで、
高原荘・静心山荘・白樺荘の3軒だ。その他として、
ユースホステルや企業・団体の保養施設がある。
今年(令和元年)の9月末日で、高原荘が閉館する。
鮮度の良い硫化水素硫黄泉は白濁しないということを、 始めて知ったのが、高原荘だった。40年も前の話だ。

 磐梯吾妻スカイラインが開通する前、
高湯温泉の宿泊は自炊湯治が主流だった頃、
玉子湯は玉屋という屋号だったそうだ。 お湯の匂いから、宿泊客が玉子湯と呼び始めて、 それが定着して施設名になったという。
そのころのお湯は玉子湯の自家源泉で、硫化水素が強すぎるとして 保健所から使用禁止通達を受けた名泉だった。
今でも玉子湯旅館の敷地内に自然湧出しており、
お土産用の湯花採取を行なっている。


乳頭温泉郷 鶴の湯温泉 (秋田県)

sro201

by sro201 (温泉上級) 2019/09/07

評価:

5

別格の露天風呂

乳頭温泉郷 鶴の湯

田沢湖高原温泉郷から車で15分ほど走れば到着する。
降雪期は、その倍はかかるだろう。
訪問したのは9月の平日の13時過ぎだったが、
帳場付近は入浴客と見物客でごった返ししていた。
浴場エリアから列をなして入浴客が戻ってくる。
圧倒的に女性が多い。
その人たちをかき分けるようにして、
名物の露天風呂を目指す。

白濁した池のような露天風呂を
左手に見下ろすように歩く。
すると、男性脱衣所がすぐに現れる。更に奥が女性用だ。
さっさと服を脱ぎ、脱衣所から内湯小浴室を通って、
露天風呂に出る。
鶴の湯の露天は、白濁の硫化水素泉だ。
とろみがあって、ゆるやかに滑らかだ。
万座のお湯のような濃厚さを感じる。
湯温は露天中心部の湧出地点で43℃、
浴槽縁の部分で39℃~40℃といったところか。
ポジションを選べば、長湯も可能だ。

混浴の露天風呂には、カンカン照りの真昼間なのに、
女性の入浴客の姿も目立つ。
露天風呂の中心部の、温泉湧出地点までやってくる女性は、
年齢に関係なくカップルの片割れだ。多くの女性客は、
女性エリアへ通じる足湯のような通路と、
混浴エリアの境目あたりに集団で固まっている。
そこを狙って、
鶴の湯露天の見物客が、
服を着たまま露天の浴槽縁までやってきて、
スマホで写真を撮っていく。
いづれそう遠くない将来、浴場エリア内の写真撮影は、
全面禁止になるのだろうな。

鶴の湯の硫化水素泉は、
それなりの長湯をしても呼吸が苦しくならない。
自然の換気が優れているのか。
それともお湯の質がおだやかなのか。
混浴の露天風呂にしか入浴しなかったのだが、
鶴の湯のすばらしさは十分に実感できた。
乳頭温泉郷の中でも、
ここでの入浴は、別格の満足感を得ることができる。
鶴の湯、黒湯、休暇村 
これが乳頭温泉郷のベスト3だと思っている。


長湯温泉 ガニ湯 (大分県)

doubutunoyoko

by doubutunoyoko (温泉マニア) 2019/09/05

評価:

2

凄い開放感

前から気になっていましたが、入る勇気が無かったガニ湯に挑戦しました。台風や豪雨が多かったせいか、他のブログなどに載っている脱衣所の棚などは無くなっていましたので、何も無い川沿いで服を脱ぎます。こんな所で脱いだら警察に捕まるんじゃないかと思いながら脱ぎます。周囲にまったくひと気は無いので、すんなり入れました。周囲は写真の通り、普通の街中です。少しぬるかったですが、鍋湯やヘビン湯とは全く違った開放感と、なぜか罪悪感。

湯の峰温泉 つぼ湯 (和歌山県)

桜hanako

by 桜hanako (温泉達人) 2019/09/05

評価:

4

観光客が増え増えで

2019.8月利用。世界遺産となり観光客が増え増えのつぼ湯。2時間半~3時間待ちが休日は普通である
なので平日に入浴。それでも誰か、かれかが常に入っているという状態。入浴料770円は高い様に思うが、共同湯にも入れる。 ノスタルジック感が大好きだった湯の峰温泉。風景はそのままなのが嬉しいが、人は凄く増え外人さんも多い。外人さんは皆さん川で水遊びが面白いようだ。
私も負けじと足を川に付け乍ら、温泉玉子を食べる。ここの温泉玉子は何故か美味しい。たぶん雰囲気なのだろうが、自分で湯筒に浸けて待ち、出来上がりをすぐ食べるというのが、熱々で美味しい。サツマイモも買って茹でたら甘かった。とうもろこしも夏限定で有る。
湯筒の横でお地蔵様が笑っていた。

さて今日のつぼ湯の色は?う~ん入った時は半透明の暗い色だったが、加水すると白く濁ってきた。綺麗な青白い色が見たかったがそうではなかった。やはり七変化、何色が当たるかはお楽しみというところか。
岩を刳り抜いたタコツボの様な湯船にそっと身を沈める。1人で浸かって調度良い大きさだ。湯底は玉石になっている。
壁にも大きな岩があり、川の中の岩の間から温泉が出ていた所を、湯小屋として囲ったと言う感じだろうか。暗くこじんまりとした湯小屋。
カップルはこの小さな湯舟に2人でギュと入るわけで、まあそれが人気の秘密でもあるんだろうけど、この熱い湯にそういつまでも入ってはいられない。なので30分交替はそんなものかな。
離れた所にある番台(券売機)にはモニター画面があって出入りを見ている。

つぼ湯の上には熊野古道の入り口があるが、このルートは写真でよく見かけるなだらかな道ではなく、軽登山の様な感じで登る、登る。そして下り、下りで熊の大社へ。夏は止めた方が良い。アブと格闘しながら歩く事になるので。

アクセス例:近鉄大和八木より路線バス新宮行で湯の峰温泉下車。

湯の峰温泉 公衆浴場(くすり湯) (和歌山県)

桜hanako

by 桜hanako (温泉達人) 2019/09/05

評価:

4

つぼ湯とセットで

2019.8月利用。有名なつぼ湯以外に共同湯がある。券売機の反対側に鄙びた建物が並ぶ。
つぼ湯とセットで入れるという事で、私も薬湯という名前に惹かれ、こちらを選んだ。
源泉100%だからのネーミングだった。普通一般の方であれば身体も洗えるが、薬湯の方は浸かるだけだが良いか?との確認を受けてから薬湯へ。
そりゃそうでしょと思いきや人気は分散。洗髪を済ませ出て来る方達が多く、カップルは貸し切り風呂へ、薬湯は高年齢の私達がポツポツとって感じだった。

入ると長細い湯船が壁にピッタリ。横に一応洗い場とカランがあった。
湯の峰の温泉の源泉であり、冷ましてとはいえ熱い。が、ジワーッと浸かる。
かけ流しではあるがやはり投入量が少ないので、溢れだしまではなかった。でも源泉100%だと思うと有り難く感じる。
ふと天井を見上げたら物凄く高い。外観から出は全く想像できかった高さだ。トンネルの様に上へ上へと、途中明り取りの小窓がありさらに上へ。凄いなあ、さすが歴史ある共同湯。

世界遺産になり観光客が凄く増え、つぼ湯は目玉商品であるが、おまけのようにこういう共同湯も提供してくれるのは嬉しい。セットで770円である。貸し切り風呂はいくらなのかな?
地元の方はつぼ湯は入らず、こちらの共同湯にだけ入りに来られる方が多いようであった。
やはり良い湯なのである。それに鄙び感が残ったままであるのがいい。

アクセス例:近鉄大和八木駅より新宮行き路線バスで、湯の峰温泉下車。

蔵王温泉 すのこの湯 かわらや (山形県)

sro201

by sro201 (温泉上級) 2019/09/05

評価:

3

山形蔵王 すのこ湯 かわらや

 
すのこ湯 かわらや

2017年8月に、
まっとうな温泉本の入浴手形を利用して訪問した。

この時、初めてこの本について小言を言われた。
「これって、いつまで売られてるの?」
有効期限の定めのない無料入浴券提供企画、スゴイ企画だ。
しかし、断られると困ったことになる。
最初からタダ風呂を当て込んでいたため、
現金の手持ちが200円しかなかったのだ。
車が停めてあるハモンド高見屋の駐車場までは、
歩いて片道20分はかかる。しかも、復路は坂道だ。
気温は30℃を大きく超えている。暑い一日だ
せっかくの入浴機会を断念したくなかったので、
話の論点をすり替えて、まっとうな温泉本を誉めまくった。

① この手の温泉紹介誌は、雑誌社が掲載料を取って広告宣伝するPR誌がほとんどなのだが、この本は違う。温泉好きなインターネットの情報発信者が、自分の気に入っている温浴施設を目いっぱいおススメするという内容で、文章を書いている。
② 温泉好きな人や、これから温泉好きになりたい人は、この本をきっかけにして、好みの温泉を増やしている。自分もこの本のおかげで、毎年一回は通いたいと思うお気に入り施設を、いくつも見つけることができている。
③ 初めて行く温泉地では、この本を参考に日帰り入浴できる施設を探すようにしている。この本に載っている施設へ行って、ハズレを引いた覚えがない。
④ 自分の施設に自信を持っているオーナーが、この本に風呂のお試し券として無料手形を提供している。いい温泉施設には、また行きたい、またあの風呂に入りたいというリピーターが必ず付く。ここもそういう素晴らしい施設なのだろうと、入る前からとても期待している。

とかなんとか、一気にまくしたてたところ、
温厚な感じの女将さんのような人は、
お気軽にとは言えない様子ではあったのだが、
本の手形欄にハンコを押してくれた。
ふぅ~、どうにかクリアーできた。

風呂は激アツで、何回も掛け湯をしてなんとか浴槽に入れた。
でも、1回に3分入っているのが限界だった。
浴場入口の反対側に、
ガラス引き戸で区切られた洗い場がある。
浴槽への出たり入ったりを3回繰り返して、
洗い場で頭から冷水をかぶって、体を冷やした。
これを2クール繰返した段階で、太ももが上がらなくなり、
浴槽から出られなくなった。あれが湯あたり状態なのか。
いざりのように、上半身だけで浴槽から這い出して、
30分ほど呼吸を整えて、浴場から上がった。

お湯の鮮度の良さとかを体感するには、激アツすぎた。
加水できない激アツ浴槽は、残念だが好みにはならない。


後生掛温泉 (秋田県)

sro201

by sro201 (温泉上級) 2019/09/03

評価:

4.3

オンドル宿の泥風呂

後生掛温泉

云わずと知れたオンドルの宿だ。
ロサンゼルスオリンピックの年に、
九州の友人と共に初訪問した。
入口の帳場の天井付近に、
永六輔や、黒ぶち眼鏡をかけた小説家や芸術家の、
オンドルに横たわる四つ切写真がたくさん並んでいた。
その時の風呂の記憶は全くない。
受付時間外で、追い払われたのだろうか。そんな記憶もない。

オンドル大部屋の雑魚寝宿泊は、今でも継続営業されている。
ここでは、通気性の悪い断熱マットのようなものは使えない。
裏面に水滴が溜まり、オンドル床のゴザやムシロが痛むからだ。
やはり、ここでは厳冬の時期に大部屋宿泊したいものだ。
車では来たくないが。

ここ数年、ここへは年1回のペースで日帰り訪問している。
泡々の硫化水素ジャグジー風呂と37℃の泥風呂がお気に入りだ。
浴場入口近くの泥風呂に入っていると、
真正面に見える水汲み場へ宿泊客がやってきて、
魔法瓶で汲んでいく。風呂に入る人:水汲みの人は 2:8 だ。
どれほどおいしいのか、期待を込めて飲んでみた。
大深温泉の湧水をしっかりと味わった後では、
弱い異物感を感じる冷水だった。

ここの泥風呂は、温度も濃度も自由に調整できる。
35℃の濃厚泥風呂に長時間浸かる快感を味わいに、
今年もまた後生掛へ行くことになる。



国見温泉 森山荘 (岩手県)

sro201

by sro201 (温泉上級) 2019/09/03

評価:

5

国見温泉 森山荘(もりさんそう)

2016年から毎年2回、
乳頭・八幡平を車で巡る温泉ツアーを続けている。
盛岡ICから鶯宿・網張・つなぎ・玄武のうち、
どれか一つに寄り道して、
国見温泉森山荘の露天に入浴してから田沢湖に抜ける。
ツアーのオープニングは、毎年ほぼ同じだ。
まっとうな温泉本4冊の無料手形を使い終わった後も、
引き続き500円払って森山荘で日帰り入浴をしている。
あの濃厚なみどりの硫黄泉のお湯は、
何回リピートしても飽きるということがない。
5月の連休明けの残雪の時期も、7月の新緑の時期も、
9月の長雨の時期も、11月の紅葉後の寒々とした時期も、
春・夏・秋、どんな季節でも
その季節なりに満足のいく愉しみがあるという
貴重な温泉宿、それが森山荘なのだ。
11月中旬から5月中旬まで、毎年冬季休業になる。

帳場横に流れている湧水は、
秋田駒ヶ岳の伏流水なのだそうだ。
これがまた実においしい。
この水をさらに美味しくいただくために、
露天風呂で長湯をする。内湯が男女別にあるのだが、
かなりの熱いお湯なので、最近は毎回スルーしている。
午後からの、乳頭温泉郷めぐりに支障が出るくらい熱い。

暑い時期に森山荘を訪問すると、
秋田駒ヶ岳山麓のすがすがしさと、
みどりの硫黄泉を同時に楽しむことができる。
しかし、その代償として、
まるでスズメバチのように巨大なアブの来襲を、
露天風呂では受けることになる。
そのための防御の心得としては、
長めのスポーツタオルで顔面をぐるぐる巻きにして、
備え付けのハエ叩きを身近なところに立てかけて、
アブの襲来に備えながら露天風呂に入る。
そのうちに、だんだんと顔が熱くなってくる。
体温の冷却に顔面からの放熱がどれほど貢献しているかを、
それこそ肌身をもって実感することができる。
アブが襲ってこないからと油断してはならない。
タオルを取ったその瞬間を狙って、
それまでどこかに身を潜めていたアブが顔面を襲ってくる。

夏場にここで顔面をアブに刺された人を、
わたしは何人も見ている。
刺されたらどうなるのか。
顔の片側だけが10センチほどの半円に膨れ上がり、
刺された位置によって感情リアクション表情が固定されてしまうのだ。
にやけた顔、泣きそうな顔、間の抜けた顔、
にらみつける顔、物欲しそうな顔、いろんな表情があった。
左右どちらか片側だけがそういう表情で固定されている。
感情豊かなひょっとこ面のようなものだ。あれを見ると、
腫れが収まるまでは人間界に復帰できないだろうと思ってしまう。
そういう目に遭わないために、各自準備を怠りなく訪問されたし。

後半は、「清水義範 秘湯中の秘湯」風に書いてみた。
夏のアブに要注意なのは、間違いない。