山道を歩いて2時間半、素晴らしい世界と温泉が待ってる
- 所在地
- 栃木県黒磯市三斗小屋温泉
- 最安値
- 1泊2食付8,500円~
- クチコミ コロナで客が少ないため、6月より異例に日帰り入浴も1000円で受け付けている。終了は未定。折角行くのだからと、煙草屋さんと大黒屋さんに1泊ずつする事にした。
大丸温泉ニューオオタカ~峠の茶屋~茶臼岳登山~峰の茶屋へ。
峰の茶屋のガレ場を下るとすぐ、谷底に三斗小屋温泉が見える。祖谷温泉ならケーブルカーだよなと思いながら、祖谷温泉よりずっとずっと深い森に沈む谷底を目指す。
とすぐに、えーっ!ここを下るの?と言う道幅30~50㎝程の砂礫の急坂が・・隣は崖。
こんな恐ろしそうな道とは知らなかったよ。この道を見て宿をキャンセルした人もいたそうだ・・だよね~と思いながら、僅かな冒険心が勝って恐る恐る下り始めた。強風で進めず四つん這いになってそのまま凍死してしまった人もいたらしいし・・
急勾配ではお尻を着いて滑り降りた。だって怖いもん。10m程の下りだが二度と嫌。今度は頑張ってでも朝日岳登山ルートで行こうと思った。
ようやく到着し突如現れる風景は、映画のロケセットの様なちょっと異次元のレトロな雰囲気感が漂う世界。
煙草屋旅館の温泉は3つあり、いずれも源泉かけ流し。まず入った共同湯と言う混浴内湯は14時半~15時半が女性用。石鹸・シャンプー禁ではあるが、ようやく辿り着いた後の温泉程気持ち良いものは無い。
浴室全部が木造で、板張りの床に木風呂が2つ連なり、投入口が無い方がややぬるめ。とは言っても熱いので、まずかけ湯で身体を慣らしてから浸かる。43℃位だろうか、無色透明無味無臭の湯は熱いが気持ち良い。窓からは緑が見え山も見え「来たなあー」と言ういい感じ。
隅には色んなお掃除グッズが立てかけられており、山小屋温泉とは思えない位とても綺麗に掃除されていた。そのこざっぱり感が浴室の気持ち良さを更に高めている。
次にこの宿メインの混浴露天風呂の女性用時間、15時半から16時半がやって来た。
宿から少し歩く。おぉー遠くに山。この景色はちょっと高峰温泉の露天風呂を思いだしたが。
楕円形の露天風呂も2つに仕切られており片側がややぬるめ。湯船の内壁はデコボコした造りになっているが、これもまたよく掃除がされている。露天風呂であっても、壁も湯底もヌルツキが無く、気持ち良く入れる。浴感はツルツルしていた。
ここにも掃除道具が並び、箒の毛先は良く使われはねていた。毎日湯を抜き、徹底的にお掃除されているようで、湯船は磨かれていた。
女性時間は18時~19時にもあり、夕陽が落ちる所を見られ、感動的だった。
翌朝まで使えるので、晴れた夜には満天の星空も露天風呂に浸かりながら見る事ができる。ベランダからでも星空が見え、天の川と流れ星が1つ見られ嬉しかった。
もう1つの女性用内湯の湯は鉄分が多いのか金気臭がし、湯船が茶褐色に染まっていた。こじんまりとしており、籠もり湯にもってこいだと思ったが、蛍光灯の電気が明るすぎて・・。もっとほの暗くした方が、落ち着いてゆっくり籠もり湯ができるのにと思った。
食事は取り立てて言う様な物は出されないが、食材を含めこの宿の生活用品は全て、ヘリコプターでの吊り降ろしにより運ばれていると思うと、貴重である。良質なお米と茶葉が提供されている事に感心した。
山小屋ではあるが個室対応。談話室は2か所あり、紅茶サービスがあった。枕カバーと、ハーフシーツを提供してくれる。浴衣もレンタルできる。消灯後も真っ暗ではないので、ランプの用意は必要ない。飲料水は沢水を消毒したものが飲めるようになっており、途中の道では延命水と言うとても冷たい沢水が飲める。
電波環境が悪く、携帯電話・テレビ・インターネットいずれも繋がりにくく、gotoトラベルはできなかったそうだ。1泊2食で10000円。
こんな所に温泉宿が・・と言った感じの煙草屋旅館は、露天風呂から山へ落ちる夕陽と満天の星空が見られる、登山してしか行けない本物の温泉宿だった。
ちなみに大黒屋旅館の内湯は渋い。深い宇宙(空)の様な深い深海(海)の様な深い藍色の湯底に、鉛銀の光が鈍く光る神秘的な温泉。永年の温泉成分の結晶である湯底はちょっと他には無い素晴らしい雰囲気の湯船だ。熱めの木風呂とぬるめの岩風呂が、1時間ごとに男女入れ替わるというシステム。
こちらのお宿は生活必需品はヘリコプターの吊り降ろしではなく、食材含め全て、徒歩で下山しての買い出しで、山小屋とは思えない手作りのお料理が感激的だった。連泊したい温泉宿だ。石油ランプが郷愁を誘う(gotoトラベル対象宿)〔br />
三斗小屋温泉、どちらもいい。煙草屋旅館の露天風呂には一度は浸かってみたいし、大黒屋の神秘的な内湯にも是非浸かってみて欲しい。
アクセス例:JR那須塩原駅より路線バス那須ロープウェイ行きで大丸温泉下車。前泊し翌朝登山で三斗小屋温泉まで。
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