タイムスリップしたような風景にうっとり
素敵な湯小屋
鶴の湯の玄関と言える門の前まで来ると他の温泉街とは天地の差を感じる。
黒い壁に茅葺屋根でできた一つの集落のような佇まい。
何処か違う世界へと飛び込んでしまったかのような気になる。
ここは何時代?タイムスリップしたような錯覚に陥る
2号館・3号館
敷地内に流れる湯の沢
敷地内には黒い壁で統一された建物が無造作に連なる。
以前来た時メインの通りは観光客でいっぱいで風情に浸るどころではなかったが、観光客のいない敷地内は凄然とし、昔懐かしい湯治場の雰囲気に浸る事ができた。
本陣 1泊9000円+暖房費1000円(2名一室) 7,5畳+洗面所+トイレ
本陣の部屋
こちらが本陣の部屋
部屋の中には囲炉裏があり、火が焼べられ、灯油ランプがぶら下がっている。
本陣の建物は江戸時代に湯治場として使用していたものをそのまま残して現在は旅館部として使用している。
古い歴史ある建物ではあるが、古いままではない。人気の秘密は新しいものを取り入れている事も大きいだろう。
「綺麗な洗面所、ウォシュレット付のトイレ、暖房」
こういった新しいものを取り入れつつ、風情を味わえるという旅館だ。
訪れる人は大昔そのままの生活を体験する修行僧ではない。
昔懐かしい鄙びた雰囲気を感じつつ、快適に過ごせる空間を求めてきている、という事を理解している方が経営されているからこその人気なんだな、と感じた部屋だった。
本陣の部屋1泊2食付8,550円~
敷地内でくつろぐ
本陣前には座る椅子がある
部屋の中には電気はきているものの、テレビや音のでるものは一切ない。
私たちは囲炉裏の周りで寝転んだり、ブラブラと散歩に出たりと自然と共存している空間を思いっきり楽しんだ。
木造の為、隣の声は筒抜け。隣の人の咳払いが聞こえるほとだ。運悪く隣にうるさい団体などが入ったらそれこそ丸つぶれだと思うが私たちは運良くそういった事はなかった。
ここは鶴の湯で一番人気の高い本陣。
平屋のように連なった部屋の中で2つは食堂となっており、宿泊できるのはわずか4部屋。
ただでさえ予約の取りにくい鶴の湯だが本陣はさらに取りにくい。
浴衣・大小タオル
茶菓子と鶴の折り紙
お茶セット
ポット
洗面所
トイレ(ウォシュレット付)
暖房
服掛け
囲炉裏を囲んで山の幸を味わう
食事は全て山の幸。
お膳に載せられて部屋へ運ばれてくる。
メインは田沢湖名物の山の芋鍋。
粘り気の強いやまと芋を使用し、鶴の湯で作っている特性味噌で味付けされた鍋は素材のうまみが引き立ち絶品。
今回乳頭温泉へ来る際楽しみにしていた一つだ。
岩魚は囲炉裏の火で自分で焼くという心憎いおもてなし。焼かれたものを持ってきてもらうより自分でというのは楽しいものだ。しかも焼きたては皮がパリッとし身がやわらかく本当においしい。
素朴な山の幸と聞いていたので、鶴の湯の別館、山の宿で以前食べた山の芋鍋定食(山の芋鍋と少々のおかず)を想像していたが品数の多さに驚いた。肉は小さい豚肉一切れのみ、むしろなくていいほどに思う。他は山菜やキノコが並び大満足すぎるおかずの数々。宿泊料9000円にしてこのボリュームはお得感が高い。
事務所
冷えたジュースにビール♪
夜ももちろん入浴したが朝一、朝露にぬれた草々の中浸かるのは格別。それを味わう為にか前の日早くに寝付いたせいか、朝早くに目が覚め、誰も歩いていない鶴の湯の敷地内を散歩しつつ露天風呂へと向かった。
ポコポコポコ・・・足元湧出 ススキに囲まれた白い美湯
混浴露天風呂 源泉掛け流し PH7.1(中性)
日帰り入浴時間はこの湯船は満杯。マナーの悪い入浴客も後を絶たず、入浴中に観光客がカメラをバチバチ撮る。
とても落ち着かない印象だったが、今回はほぼ貸切。これが宿泊者の特権だろう。
足元からぷくぷくと上がる足元湧出の極上湯。
今回初めてすばらしさがわかった気がする。
青みがかった湯と木々のコントラストに感動を覚える
女性用露天風呂 源泉掛け流し PH6.49(中性)
女性用露天風呂は日帰り入浴時間内でも観光客が写真を撮りに来ない分まだマシだろう。鶴の湯は全体的に女性にやさしい作りとなっており、女性用の湯船の方が多い。こちらの露天風呂も足元湧出で湯の質は入る人が少ない分新鮮ではないだろうか。木々に囲まれた女性用露天風呂も混浴露天風呂に負けず劣らずの作りだ。
湯小屋
白湯 脱衣所
湯の沢にかけられた橋を渡ると湯小屋がある。
まるで誰かが住んでいて今にもガラガラとあけたら囲炉裏を囲んだ家族でも見えそうな感じだ。
湯小屋内には「白湯」と「黒湯」の男女別内湯がある。
白湯 源泉掛け流し PH6.49(中性)
黒湯 源泉掛け流し PH6.86(中性)
白湯と黒湯のいずれも全て木造の風情満点な作り。露天風呂へ行く人が多いのか来る人は少なく穴場的な浴場だ。鶴の湯の温泉へはアメニティは一切置いていない。シャンプーやリンス、石鹸もない。そんなものを求めるところではないという事だろう。
中ノ湯 源泉掛け流し PH6.6(中性)
中ノ湯露天風呂(女性用) 源泉掛け流し PH6.6(中性)
メインの露天風呂を挟んで反対側には中ノ湯という浴室もある。
全て源泉が違うという事だったが違いを感じるのは難しい。あえて言えばこの中ノ湯 内湯の湯が一番濃いように感じ、気に入った。
中ノ湯の内湯は男女ほぼ同じだが、女性用には足元湧出の露天風呂がついている。
朝食
食事処
朝ごはんは本陣の端にある食堂で食事をとる。
とろろや豆乳豆腐など、身体にやさしそうな素朴な朝ごはん。
味噌汁も特性味噌を使ったものだと思うが寒い朝、身体に染み渡り温まった。
朝9時、敷地の入り口には「宿泊者以外は立ち入り禁止」という札があるにもかかわらず観光客がズケズケと敷地内を闊歩する。
露天風呂まで来て写真を撮る人や部屋のドアの隙間から覗き込む人までいて相当に腹立たしい。ここらへんのセキュリティーにもう少し力を入れてほしいと思う。
そういったマイナス点もあるが、それでも鶴の湯は大のお気に入り。
毎年一度でいいから泊まりに来れたらどんなに幸せだろうと思う。
平均: 14 レビュー
Oct 22, 2022
初秋の鶴の湯にて
貸切露天風呂があったと言う事を皆さんはご存じだったのでしょうか?私は今まで知らなかったのです。
できてからもう15年程にもなると聞き「知らなかった~」とショックがる私に「リピーターの人にはいちいち説明しないからな」と夕食時の従業員さんに慰められ「でも知って良かった。ずっと知らないまま終わったかも」と発見できた事を喜んだのでした。
何年も前、鶴の湯に貸切風呂ができた時には、その浴室はまだ出来立ての様に真新しく、檜がとても強い良い香りを放っていました。何年かその状態でしたが、さすがに今では木も黒ずみ香りもほとんど感じられなくなってしまっていますが、この貸し切り内湯ができる以前に、貸切露天風呂ができていたと聞き、今ままで知らずにいた事がショックではありました。
その貸切露天風呂は、本館一階の東本陣へ向かう廊下の奥の方、左手にありました。
貸し切り内湯と同様空いていれば、宿泊者であれば誰でもいつでも利用できます。
川沿いにある小さな岩風呂で、別館山の宿の露天風呂をもう少し小さくした様な、木々に覆われた雰囲気の良い湯船です。
難点と言えば、着替えが廊下から見ようと思えば見えてしまうという不便さを伴っているのですが・・まあ、完全な密室にはせずにと言ったところなのでしょうか。
もし私と同じように「知らなかった」という方がいらっしゃれば是非利用されてみて下さいね。初めて行かれるという方にも是非。私もこの湯舟が、紅葉を迎え~雪見露天風呂~新緑へと変化して行く姿を見てみるのが楽しみです。
今回訪れたのは9月末。多くのススキが鶴の湯を飾り、初秋の風情を高めていました。
本陣の入り口から迎えてくれたススキは、湯船の周りを彩り、鶴の湯という大きな絵の中の至る所に添えられ、これから迎える秋本番の序章を奏でているようでした。
本陣の茅葺屋根は半分だけが新しく吹き替えられ、事務所は大きな枯葉に覆われ、鄙びたランプがぶら下がっていました。
紅葉シーズンの賑わいを静かに待っているようで、訪れた日曜日は翌日が露天風呂の清掃日であるためか比較的宿泊客が少ないようで、穴場の曜日であるかとも思えました。
月曜日八時半からは露天風呂の温泉が抜かれ、空になった湯舟の清掃風景を思いがけず目にすることができたのでした。
今年は全国的に10月に入っても暑さが残り、鶴の湯の混浴露天風呂では竹筒からの源泉の追加投入は止められ、湯船の隅の方からは水が注がれていました。
従って足元湧出しているものだけが源泉そのもので、これだけの湯温を保っているという事なのですね。
東北大震災以降湯量が増えたそうで、そのために湯温も高くなり、この時期まだ加水されている湯舟が多いようでした。
今の時期は鶴の湯に在る全ての浴槽が全開している状態で、男女の打たせ湯を始め、女性が入れる露天風呂だけでも全部で5つもあります。これが真冬になると、その内の2つが空湯船になり入れませんが、それでも男性が入れる露天風呂が、通年混浴露天と貸切露天の2つだけであるのに比べて、鶴の湯では女性の方がはるかに恵まれていると言って良いかも知れません。
女性露天風呂に祀られている金精様にはアキアカネが何匹も止まり、紅葉を始めた山を眺めながら、これらの木々が黄金に染まる秋を描き、一人広々とした露天風呂に身を沈め、澄んだ空をぼおーっと眺めていると「もう此処の温泉だけでいい」と思う。
そういう思いを持つようになったのはまだこの一年の間位であり、まだ他の温泉巡りも続けてはいるが、初めはただ、だだっ広く味気なく感じていたこの露天風呂に、今ではすっかり気持ちが溶け込み、自由と解放された安らぎを感じる。
新緑、紅葉、真白く覆われた雪、満天の星空、移り変わり行く時間と空、澄んだ空気の中で浸かる温泉。
白濁の硫黄泉とこれらの自然に包まれ、身体と共に心も溶け込んで行く。
「もう鶴の湯だけでいい」と要約思えるようになった自分を知る。
アクセス例:JR田沢湖駅から乳頭温泉行バスでアルパ駒草下車。要連絡にて送迎あり。(バスの発着時刻に合わせて、午後便以降最終便迄迎え可能。帰りはチェックアウト後、午後便送迎も可能。送迎に於いてまで非常に良心的)
May 18, 2022
早春の鶴の湯
温泉がとても気持ちいいと感じるのは何故なのだろう❓と思った。何度も入って来ている鶴の湯の露天風呂だけれど、湯の気持ち良さより、周りの風景との雰囲気を楽しんでいたところが多分にあった様にも思う。
今回はと言えば4月下旬であり、溶けかけの雪が残り、まだ緑は見られず、茶色の景色が多く美しいと思う所はかなり少ない。という事で、勿論風景自体には余り期待をしては来なかった。
そんな中で湯に浸かるが、すこぶる温泉が気持ち良く感じる。一時考え、そうか!湯温と気温の差が調度良いのだと気づいた。
女性専用露天風呂に於いては、熱くなったらその場で上がって身体を冷やし、また浸かるという事ができるが、冬場は身体を外気にさらすと冷たすぎるし、暑い時期ではそんなに心地良くも無い。という事でこの4月の外気が、露天風呂にはとても気持ちの良いものだと解ったのだった。湯温と気温のベストマッチとでも言おうか。
女性用の広い露天風呂に1人浸かりながら「あ~気持ちいい」と何度繰り返した事だろう。
改めて鶴の湯温泉の気持ち良さを再認識した次第であった。今頃・・。
角館武家屋敷の桜は満開だったが、この辺りの桜はまだまだ蕾で、山の宿の近くでは雪をかきわけ水芭蕉が咲いている程度である。まだ鶴の湯の桜は見た事が無いので、来年の春はGW明けに訪れ、乳頭温泉郷へ向かう道の桜並木や、鶴の湯温泉の桜に出会う事を楽しみにしている。
アクセス例:JR田沢湖駅より乳頭温泉行バスでアルパ駒草下車。送迎は午後より最終バス便まで電話連絡にて可能。帰りの送迎バスも7時30分より午前中は1時間毎、午後は路線バスに合わせ、最終15時20分という好対応なので、登山も湯巡りも楽しめる。
Feb 11, 2022
幻想的な冬の鶴の湯
今年は雪が多く、鶴の湯本陣前に並べられているかまくらも背丈が大きかった。覗きこむとろうそくの橙色の灯りが柔らかく、雪の白さに包まれながら光っていた。
冬の鶴の湯は何年ぶりだろう。いつだったか仙台空港で飛行機待ちの時間、降ってきた雪を見ていたら無性に鶴の湯へ行きたくて、ここからでも跳んで行きたくなった事があった。
そう、仕事をしていた時には、仕事がきつい時、よく雪の鶴の湯が浮かんで来ていたな~。
何故だか特別なのだった。冬の鶴の湯は。
初めて来たのが冬の鶴の湯だったからかも知れないけれど、とにかく乳頭温泉郷のずっぽり雪景色と、蟹場温泉のロケーションと孫六温泉の雪の小道を歩いて入る秘湯と、鶴の湯の混浴露天風呂に立ちあがる湯煙りが、たまらなく好きなのだ。
秋に来た時もそうだったけれど、到着するや否やまず写真。全て絵になる。
鶴の湯の門の手前には、更に大きなかまくらが迎えてくれ、中に入ると神様が奉られていた。かまくらの中は暖かいというけれどその通りだった。
本陣の茅葺屋根はビニールで覆われ、下には小かまくらがズラリと並ぶ。まずこの風景がとても嬉しい。夕方になると一つ一つのかまくらに、1本ずつろうそくが燈されゆらめく。
事務所近くの本陣には秋に吊るされた干し柿が黒くなり、食べ頃をむかえていたが、当たり前だがここは我慢。
2号館、3号館に下がるツララが見事。そして秋には黄金色に紅葉していた山はすっかり真っ白。小川にも橋にも浴舎にも、東館にも全て雪が積もり、鶴の湯の冬景色。
早速向かった温泉は、やっぱり混浴露天風呂。好みの位置を見つけ、そこで居座る。
冬でこそ長湯ができるのだ。以外は暑くなって来ると上がらなければ仕方がないが、冬であればこそ、ぷくぷく湧きあがる自噴泉の心地良さを感じながら、頭を岩に乗せながらでも、空を仰ぎながらでも、湯煙を愛でながらでも、1時間浸かっていられたのだった。満足至福。
内湯は熱過ぎて非常に浸かり辛い内湯が多かったが、湯縁の白い析出物に見とれながら、真っ白な硫黄泉のこじんまりした湯船に浸かる。白湯(酸性湯)はピリピリと熱いので、私は黒湯と中の湯が好み。唯一ドライヤーが置かれているのが、東館1階の内湯ですので。
だだっ広い女性用の露天風呂は、無駄に広いというか贅沢に広い。湯底の玉石が痛くて移動しにくいのが私は嫌で、これが砂利だったらなあといつも思うが、健康足裏踏みの好きな方には良いのかも知れない。
周りは勿論雪山。小さな溜まり湯の様な岩風呂は、ぬる過ぎて入れないのではと思ったが、岩肌から温泉が湧き出て来ており、その近くに身を沈め1人ひっそりと、露天風呂を眺めながら浸かっているのはおつなものであった。
雪が舞い、ランプが灯り出す夕暮れ、山芋鍋にあったかい岩魚が待つお楽しみの夕食タイム。
今回はスキーで1週間以上連泊という方や、何と2週間連泊されるという方もいらっしゃって驚きだった。食事内容は、1週間までは日替わりメニューで提供されるらしい。
山の幸が多いが、いぶりがっこ始め、手作りのお漬物も美味しいし、ホイル焼きなど温かいものは温かいまま運ばれて来る。
毎日毎日がほぼ満室の鶴の湯で、抑えた宿泊料金で、これだけの手作り料理を提供して下さる事自体が驚きでもある。
「やっと来れた」「初めて」という方達がたった1泊でも「凄く良かった」「また来たい」とそれぞれに満足げな表情で嬉しそうに語るのを聞き「でしょ」っと私が誇らしげになっても仕方ないが、鶴の湯の、秋や新緑時期それぞれの素晴らしさを伝えながら「またね」と手を振った。是非季節を変えて訪れてみて欲しいと思う。それぞれにそれぞれの自然と、素晴らしい鶴の湯温泉が待っているから。
アクセス例:JR田沢湖駅から乳頭温泉行バスで、アルパ駒草下車。送迎電話にて、昼過ぎから最終バスまで送迎あり。帰りも午後送迎あり。(素晴らしく良心的)
Nov 15, 2021
黄金色に染まる秋の鶴の湯
黄金色に染まる秋の鶴の湯。これ程までに素晴らしかったとは・・
田沢湖駅から乳頭温泉行きバスに乗り、田沢湖を過ぎ高原温泉方面に右折すると途端に美しい秋景色が始まった。桜並木や白樺の紅葉・・
そして、アルパ駒草で待っていてくれた送迎バスに乗り込み、鶴の湯へ。遠くの山は色とりどりに可愛く紅葉している。
車は鶴の湯入り口からまず山の宿へ。年数を経て風格を備えた山の宿も、見事な黄葉の中に佇んでいる。
更に進むと、清々しく立ち並ぶブナ林の紅葉に、目が吸い込まれる。
そして到着した鶴の湯は、駐車場の周りから黄、黄、黄、黄色に包まれていた。
本陣の門構えの向こう正面には紅葉した山が、鶴の湯全体を包む様にして迎えてくれていた。
受付をする前に写真を撮りまくる。何十枚撮っても何処を撮っても絵になるのだ。
秋の本陣には、干し柿と赤い唐辛子が吊られ、すすきが穂を開き、枯れ葉がまとう事務所はとても秋らしい風情に包まれていた。
「今年は少し紅葉が遅れたので、今日が最高ですよ」と番頭さん的な男性従業員の方がおっしゃってくれた。ただ、曇りが続いている。これで晴れていたらどんなに見事なのだろうかと、それだけが少し残念だが、紅葉に上手く合ったのでほっとする。
昔、一度秋に来たことがあるがその際泊まったのは山の宿だった。広い部屋には掘りごたつが在り、料理も少し良かった様に思う。ただ、温泉がぬるかった。鶴の湯からの引湯だから仕方がないのだろう。小さな小さな露天風呂は貸し切りとして利用でき、赤も混じった紅葉が白い湯に映え美しかった。鶴の湯温泉へは何時でも送迎してくれるとは言え、やはり不便だった。
なので実質、鶴の湯へ秋に泊まるのは初めてという事になる。これ程素晴らしかったのか・・秋が一番人気の筈だ。毎年4月1日の予約日には電話がかからず「4時間かけ続けて要約繋がった」と言う人と一緒になったが、予約すら難しく反って予約なしのキャンセル空きで宿泊できたという方も多かった。私はベストシーズン過ぎた「この日なら空いてます」と言われた平日に宿泊したのだが。
ちなみに、水車の辺りに本陣と同じ造りの建物が2棟あるのをご存知だろうか?「はなれ」と書いてある。ここが気になっていて聞いてみたら「JRのびゅう」を利用して泊まるお客様専用の建物だそうだ。何だか憧れ感があるけど、私は2号館でとっても満足している。
さあ温泉へ。鶴の湯へ来たらやはり何といってもまず、混浴露天風呂へ向かいたくなる。
日帰り入浴客が居なくなった後、空いているのを期待して早めに向かう。期待通り他に1組だけだった。
秋景色の鶴の湯を楽しんでいた時だった、雲が切れ晴れ間が見えたのだ!青空に光り輝く山の紅葉と鶴の湯温泉!それは見事だった。あぁ何とお天気の神様か鶴の湯の神様が、晴れ間をプレゼントしてくれたとしか思えない奇跡。
そして温泉からあがった時には再び曇りから小雨になっていた。
だが、夕食後夜空を見上げたら、えっ?!そこには星空が広がっていたのだった。
女性用の広い露天風呂に浸かりながら、首が疲れるくらい星空を見続ける。
そうだ、外には休憩用の椅子も置かれているので、夏の流星群の日合わせて訪れるのも良いなあと思った。
明日はもしかしてこのまま晴れるかもと期待したが、再び小雨~曇りだった。
日帰り入浴時間になると続々と人が押しかけ、温泉に入る気がなくなるので、鶴の湯の周辺を散策する事にした。初めて行ってみた鶴の湯神社も、神社から蟹場温泉へと続いている道の入り口も黄色、黄色でとても美しい。熊が怖いけどいつか歩いてみたいなあと思う。
この時は安全策を選んで、山の宿まで車道を歩いて、戻りは送迎バスに乗せて貰った。
いつもなら必ず乳頭温泉巡りをするのだが、今回は鶴の湯辺りの紅葉だけを楽しんで過ごした。
話を温泉に戻すと、男性は露天風呂が1つしか無いが、女性には季節に寄るが混浴以外に3つの露天風呂がある。
混浴露天風呂と中の湯の間に岩露天風呂が1つと、大きな女性露天風呂の祠と根性様が在る横に小さな岩風呂が在り、ぬるめだが此処も足元湧出泉で、1人ぼーっと浸かるのには最適で、気に入ってしまった。
4つある鶴の湯の内湯はどれも小さいが、コテコテの析出物が湯縁や投入口に固着し、真っ白い湯が溢れている。
本館に造られた2室の貸し切り温泉は、出来てから年数が経ち檜の香りはなくなっていたが、シャワーがあり貸し切り風呂の良さがある。
但し、シャワーがありドライヤーが置かれているのは、本館の内湯のみと言う事を知っておいて下さいね。日帰り入浴では本館にある温泉は利用できません。
本陣の広間で食べる山の幸。これだけの宿泊客がいるのに、温かいままで運ばれて来る。全館となると物凄い人数であるのに、これだけの手作りの料理を温かくスムーズに提供してくれている厨房とは、一体どうなっているのだろうかと不思議な位だ。そう言えば鶴の湯の厨房というものを覗いた事がないな。
また同時に、この宿泊価格でこれだけの品数の手をかけた料理を提供してくれるのも凄いと思う。法被姿の従業員さんが忙しそうにそれぞれの仕事をこなしてまわっている。
帰る日の朝食の時、高齢の従業員の方が「何時も来てくれているね」と声をかけてくれた。
そう言えば鶴の湯へ来だして、もう20年になる。懐かしいお顔の従業員さんもお元気で、ずっと勤めておられたんだなと嬉しくなった。
帰りの送迎バスの運転手さんも20年前からの方で「一番古い」と言われていた。
偶然にも鶴の湯へ泊まった日は私の誕生日だった。お懐かしい方々のお顔も見れ、こうして誕生日を大好きな鶴の湯で過ごせた事を幸せに思う。
天気は予報通りに、帰る日の朝になり要約晴れた。本陣の屋根の上に黄葉が輝く。本陣の門を黄葉が黄金色に飾る。
但し鶴の湯温泉の山は午前中は陽が当たらないので、晴れた日の午後が最高となるだろう。
う~ん素晴らしかった秋の鶴の湯。来年も来れたらいいなと思う。
1つだけ気にかかった事を書かせて貰うと、混浴露天風呂の男性更衣室の全開になった窓が、女性用入り口に向かっており、どうしても湯船に浸かるまでの立ち姿が見られてしまう事(これは湯船からでもあがる際に後姿が見えてしまうのですが)
入り口直ぐの丸太辺りだけでも、1~2枚の簾をかけて頂く事はできないものだろうかと思います。完全に覆ってしまうのも反ってそこだけ違和感があってはいけないので、景観を崩さない程度に入り口辺りだけでもと思うのですが・・如何でしょうか?
浸かってしまえば白濁湯。それに、昔からここに温泉が湧いていたと思える自然の姿のままの混浴露天風呂。白い湯だったから鶴の湯?これが熊の湯温泉とかだったら・・なんて馬鹿な事は言いませんが、この名湯を多くの女性にも是非堪能して頂きたいなと思います。
温泉の話をしていると「何処が一番?」と良く聞かれますが、私はいつも「鶴の湯」と答えます。「鶴の湯だけには是非一度泊まってみて欲しい」と心を込めて伝えています。
アクセス例:JR田沢湖駅より路線バス乳頭温泉行きで、アルパ駒草下車し送迎バスあり。
(送迎要連絡ですが、午後であればチェックインOK。帰りの送迎バスも、温泉巡り後の夕方でも利用可能)
Oct 2, 2021
天井のない旅館って感じ
なんだかんだ、ずっと外にいたなぁーて感じ!
露天風呂入って、川沿いの椅子や机があるところでまったりして、また温泉に入りに行く!
Sep 8, 2020
何度も行きたい!
初めて時間をかけて行った鶴の湯は別世界でした。
本館の囲炉裏がある部屋はいつも満室。次はその部屋を狙って予約したいです。
新館の部屋も良かったのですが。。
テレビもなく電波もあまり届か居ない場所ですが、それがまた良い。
都会の人込みに疲れてる人は、ぜひおすすめです。
Aug 19, 2020
レンタカーを借りて訪問しました。
この秘湯の湯サイトさんで興味を持ち、訪問。
飛行機で秋田空港まで行き、そこからレンタカーを借りて行きました。
前日大雨だったため、旅館内にあちこち点在する温泉の一部に
川の増水のため入れなかったのがただ一つ残念でした。
混浴露天風呂はとても雰囲気がよく最高でした!
Sep 7, 2019
別格の露天風呂
乳頭温泉郷 鶴の湯
田沢湖高原温泉郷から車で15分ほど走れば到着する。
降雪期は、その倍はかかるだろう。
訪問したのは9月の平日の13時過ぎだったが、
帳場付近は入浴客と見物客でごった返ししていた。
浴場エリアから列をなして入浴客が戻ってくる。
圧倒的に女性が多い。
その人たちをかき分けるようにして、
名物の露天風呂を目指す。
白濁した池のような露天風呂を
左手に見下ろすように歩く。
すると、男性脱衣所がすぐに現れる。更に奥が女性用だ。
さっさと服を脱ぎ、脱衣所から内湯小浴室を通って、
露天風呂に出る。
鶴の湯の露天は、白濁の硫化水素泉だ。
とろみがあって、ゆるやかに滑らかだ。
万座のお湯のような濃厚さを感じる。
湯温は露天中心部の湧出地点で43℃、
浴槽縁の部分で39℃~40℃といったところか。
ポジションを選べば、長湯も可能だ。
混浴の露天風呂には、カンカン照りの真昼間なのに、
女性の入浴客の姿も目立つ。
露天風呂の中心部の、温泉湧出地点までやってくる女性は、
年齢に関係なくカップルの片割れだ。多くの女性客は、
女性エリアへ通じる足湯のような通路と、
混浴エリアの境目あたりに集団で固まっている。
そこを狙って、
鶴の湯露天の見物客が、
服を着たまま露天の浴槽縁までやってきて、
スマホで写真を撮っていく。
いづれそう遠くない将来、浴場エリア内の写真撮影は、
全面禁止になるのだろうな。
鶴の湯の硫化水素泉は、
それなりの長湯をしても呼吸が苦しくならない。
自然の換気が優れているのか。
それともお湯の質がおだやかなのか。
混浴の露天風呂にしか入浴しなかったのだが、
鶴の湯のすばらしさは十分に実感できた。
乳頭温泉郷の中でも、
ここでの入浴は、別格の満足感を得ることができる。
鶴の湯、黒湯、休暇村
これが乳頭温泉郷のベスト3だと思っている。
了
Jul 15, 2019
冬の雪景⾊が良いです。追記︓2016/2/12レンタカーでの訪問です。
初めて訪れたのは視察旅⾏での⽇帰り⼊浴でした。⽇帰り⼊浴で良かったので是⾮とも宿泊したくなり、翌年の12⽉にスキーと絡めて宿泊しました。⽥沢湖スキー場もよかったのでその次の年も宿泊してスキーを楽しみました。
混浴露天⾵呂はぬるめですので、いくらでも⼊っていられます。⾜元から湧いているところを探しながら移動するのも意外と楽しいです。ただ冬は⾜元が滑りやすいのでご注意を。
皆さん露天⾵呂へ⾏くので、宿泊施設に有る⽅の内湯は意外と空いています。
⾷事は畳敷きの会場で空いている席へ案内されます。シンプルな内容ですが美味しいです。⼀⼈で宿泊しましたが、1階の少し離れている部屋に2回とも案内されました。トイレに⾏く途中にあるので気になる⼈は気になるかも。当⽅は全く気になりませんでした。共同トイレは温便座の清潔なものですのでポイント⾼いです。
冬はスキー場へも送迎してくれるので⾮常にありがたいです。⽥沢湖を眺めながらの滑⾛は素晴らしいですよ。
追記︓冬の道路状況と本陣のお部屋・⾷事について追記します。⽇本秘湯を守る会でスタンプがたまったので招待での宿泊をしてきました。
レンタカーを利⽤しましたが、鶴の湯⼊り⼝のバス停から先は圧雪路となっていましたので、冬場に雪道に慣れていない⽅はやめておいたほうが良いかと思います。
今回は空室の関係で本陣の⾓部屋の⼀番のお部屋での宿泊となりました。囲炉裏やランプの灯りで雰囲気も良く、ウォッシュレットのトイレまで有るお部屋での⼀晩は素晴らしいものでした。
⼣⾷は部屋⾷で⾃分のペースで⾷べることが出来ました。招待での宿泊ですと、イワナの刺⾝・キノコ汁・お蕎⻨が追加で出てきました。⼭の芋鍋もたっぷり有ったので⾷べ過ぎてしまいました。
朝⾷は本陣の並びのお部屋で他の⽅と⼀緒となります。
Jul 15, 2019
最高の佇まい
宿泊の予定は既に半年待ちの状態との返事で、下見を含め日帰り入浴で行きました。
うぅ~ん、これは流石にまさしく『 秘湯 』を思わせる佇まいです。
あえて土日は混むだろうと、平日に伺いましたが・・・時間帯がミスマッチでした。
留学生らしき若きYOU達と観光客のYOU達で、まるで近所の混んでる銭湯状態でした。(泣)
しかし、昼食を挟み束の間の渋滞を終えると、従来の空間でしょうか独占状態が訪れましたので、すかさず入浴です。
室内の『黒湯』そして露天の『中湯』をたんまりと時間の許す限りの入浴できました。
小雨の降る中の露天風呂も、なかなか良いものです。
次回は宿泊で、料理も堪能したく思います。
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初秋の鶴の湯にて
貸切露天風呂があったと言う事を皆さんはご存じだったのでしょうか?私は今まで知らなかったのです。
できてからもう15年程にもなると聞き「知らなかった~」とショックがる私に「リピーターの人にはいちいち説明しないからな」と夕食時の従業員さんに慰められ「でも知って良かった。ずっと知らないまま終わったかも」と発見できた事を喜んだのでした。
何年も前、鶴の湯に貸切風呂ができた時には、その浴室はまだ出来立ての様に真新しく、檜がとても強い良い香りを放っていました。何年かその状態でしたが、さすがに今では木も黒ずみ香りもほとんど感じられなくなってしまっていますが、この貸し切り内湯ができる以前に、貸切露天風呂ができていたと聞き、今ままで知らずにいた事がショックではありました。
その貸切露天風呂は、本館一階の東本陣へ向かう廊下の奥の方、左手にありました。
貸し切り内湯と同様空いていれば、宿泊者であれば誰でもいつでも利用できます。
川沿いにある小さな岩風呂で、別館山の宿の露天風呂をもう少し小さくした様な、木々に覆われた雰囲気の良い湯船です。
難点と言えば、着替えが廊下から見ようと思えば見えてしまうという不便さを伴っているのですが・・まあ、完全な密室にはせずにと言ったところなのでしょうか。
もし私と同じように「知らなかった」という方がいらっしゃれば是非利用されてみて下さいね。初めて行かれるという方にも是非。私もこの湯舟が、紅葉を迎え~雪見露天風呂~新緑へと変化して行く姿を見てみるのが楽しみです。
今回訪れたのは9月末。多くのススキが鶴の湯を飾り、初秋の風情を高めていました。
本陣の入り口から迎えてくれたススキは、湯船の周りを彩り、鶴の湯という大きな絵の中の至る所に添えられ、これから迎える秋本番の序章を奏でているようでした。
本陣の茅葺屋根は半分だけが新しく吹き替えられ、事務所は大きな枯葉に覆われ、鄙びたランプがぶら下がっていました。
紅葉シーズンの賑わいを静かに待っているようで、訪れた日曜日は翌日が露天風呂の清掃日であるためか比較的宿泊客が少ないようで、穴場の曜日であるかとも思えました。
月曜日八時半からは露天風呂の温泉が抜かれ、空になった湯舟の清掃風景を思いがけず目にすることができたのでした。
今年は全国的に10月に入っても暑さが残り、鶴の湯の混浴露天風呂では竹筒からの源泉の追加投入は止められ、湯船の隅の方からは水が注がれていました。
従って足元湧出しているものだけが源泉そのもので、これだけの湯温を保っているという事なのですね。
東北大震災以降湯量が増えたそうで、そのために湯温も高くなり、この時期まだ加水されている湯舟が多いようでした。
今の時期は鶴の湯に在る全ての浴槽が全開している状態で、男女の打たせ湯を始め、女性が入れる露天風呂だけでも全部で5つもあります。これが真冬になると、その内の2つが空湯船になり入れませんが、それでも男性が入れる露天風呂が、通年混浴露天と貸切露天の2つだけであるのに比べて、鶴の湯では女性の方がはるかに恵まれていると言って良いかも知れません。
女性露天風呂に祀られている金精様にはアキアカネが何匹も止まり、紅葉を始めた山を眺めながら、これらの木々が黄金に染まる秋を描き、一人広々とした露天風呂に身を沈め、澄んだ空をぼおーっと眺めていると「もう此処の温泉だけでいい」と思う。
そういう思いを持つようになったのはまだこの一年の間位であり、まだ他の温泉巡りも続けてはいるが、初めはただ、だだっ広く味気なく感じていたこの露天風呂に、今ではすっかり気持ちが溶け込み、自由と解放された安らぎを感じる。
新緑、紅葉、真白く覆われた雪、満天の星空、移り変わり行く時間と空、澄んだ空気の中で浸かる温泉。
白濁の硫黄泉とこれらの自然に包まれ、身体と共に心も溶け込んで行く。
「もう鶴の湯だけでいい」と要約思えるようになった自分を知る。
アクセス例:JR田沢湖駅から乳頭温泉行バスでアルパ駒草下車。要連絡にて送迎あり。(バスの発着時刻に合わせて、午後便以降最終便迄迎え可能。帰りはチェックアウト後、午後便送迎も可能。送迎に於いてまで非常に良心的)
早春の鶴の湯
温泉がとても気持ちいいと感じるのは何故なのだろう❓と思った。何度も入って来ている鶴の湯の露天風呂だけれど、湯の気持ち良さより、周りの風景との雰囲気を楽しんでいたところが多分にあった様にも思う。
今回はと言えば4月下旬であり、溶けかけの雪が残り、まだ緑は見られず、茶色の景色が多く美しいと思う所はかなり少ない。という事で、勿論風景自体には余り期待をしては来なかった。
そんな中で湯に浸かるが、すこぶる温泉が気持ち良く感じる。一時考え、そうか!湯温と気温の差が調度良いのだと気づいた。
女性専用露天風呂に於いては、熱くなったらその場で上がって身体を冷やし、また浸かるという事ができるが、冬場は身体を外気にさらすと冷たすぎるし、暑い時期ではそんなに心地良くも無い。という事でこの4月の外気が、露天風呂にはとても気持ちの良いものだと解ったのだった。湯温と気温のベストマッチとでも言おうか。
女性用の広い露天風呂に1人浸かりながら「あ~気持ちいい」と何度繰り返した事だろう。
改めて鶴の湯温泉の気持ち良さを再認識した次第であった。今頃・・。
角館武家屋敷の桜は満開だったが、この辺りの桜はまだまだ蕾で、山の宿の近くでは雪をかきわけ水芭蕉が咲いている程度である。まだ鶴の湯の桜は見た事が無いので、来年の春はGW明けに訪れ、乳頭温泉郷へ向かう道の桜並木や、鶴の湯温泉の桜に出会う事を楽しみにしている。
アクセス例:JR田沢湖駅より乳頭温泉行バスでアルパ駒草下車。送迎は午後より最終バス便まで電話連絡にて可能。帰りの送迎バスも7時30分より午前中は1時間毎、午後は路線バスに合わせ、最終15時20分という好対応なので、登山も湯巡りも楽しめる。
幻想的な冬の鶴の湯
今年は雪が多く、鶴の湯本陣前に並べられているかまくらも背丈が大きかった。覗きこむとろうそくの橙色の灯りが柔らかく、雪の白さに包まれながら光っていた。
冬の鶴の湯は何年ぶりだろう。いつだったか仙台空港で飛行機待ちの時間、降ってきた雪を見ていたら無性に鶴の湯へ行きたくて、ここからでも跳んで行きたくなった事があった。
そう、仕事をしていた時には、仕事がきつい時、よく雪の鶴の湯が浮かんで来ていたな~。
何故だか特別なのだった。冬の鶴の湯は。
初めて来たのが冬の鶴の湯だったからかも知れないけれど、とにかく乳頭温泉郷のずっぽり雪景色と、蟹場温泉のロケーションと孫六温泉の雪の小道を歩いて入る秘湯と、鶴の湯の混浴露天風呂に立ちあがる湯煙りが、たまらなく好きなのだ。
秋に来た時もそうだったけれど、到着するや否やまず写真。全て絵になる。
鶴の湯の門の手前には、更に大きなかまくらが迎えてくれ、中に入ると神様が奉られていた。かまくらの中は暖かいというけれどその通りだった。
本陣の茅葺屋根はビニールで覆われ、下には小かまくらがズラリと並ぶ。まずこの風景がとても嬉しい。夕方になると一つ一つのかまくらに、1本ずつろうそくが燈されゆらめく。
事務所近くの本陣には秋に吊るされた干し柿が黒くなり、食べ頃をむかえていたが、当たり前だがここは我慢。
2号館、3号館に下がるツララが見事。そして秋には黄金色に紅葉していた山はすっかり真っ白。小川にも橋にも浴舎にも、東館にも全て雪が積もり、鶴の湯の冬景色。
早速向かった温泉は、やっぱり混浴露天風呂。好みの位置を見つけ、そこで居座る。
冬でこそ長湯ができるのだ。以外は暑くなって来ると上がらなければ仕方がないが、冬であればこそ、ぷくぷく湧きあがる自噴泉の心地良さを感じながら、頭を岩に乗せながらでも、空を仰ぎながらでも、湯煙を愛でながらでも、1時間浸かっていられたのだった。満足至福。
内湯は熱過ぎて非常に浸かり辛い内湯が多かったが、湯縁の白い析出物に見とれながら、真っ白な硫黄泉のこじんまりした湯船に浸かる。 白湯(酸性湯)はピリピリと熱いので、私は黒湯と中の湯が好み。唯一ドライヤーが置かれているのが、東館1階の内湯ですので。
だだっ広い女性用の露天風呂は、無駄に広いというか贅沢に広い。 湯底の玉石が痛くて移動しにくいのが私は嫌で、これが砂利だったらなあといつも思うが、健康足裏踏みの好きな方には良いのかも知れない。
周りは勿論雪山。小さな溜まり湯の様な岩風呂は、ぬる過ぎて入れないのではと思ったが、岩肌から温泉が湧き出て来ており、その近くに身を沈め1人ひっそりと、露天風呂を眺めながら浸かっているのはおつなものであった。
雪が舞い、ランプが灯り出す夕暮れ、山芋鍋にあったかい岩魚が待つお楽しみの夕食タイム。
今回はスキーで1週間以上連泊という方や、何と2週間連泊されるという方もいらっしゃって驚きだった。食事内容は、1週間までは日替わりメニューで提供されるらしい。
山の幸が多いが、いぶりがっこ始め、手作りのお漬物も美味しいし、ホイル焼きなど温かいものは温かいまま運ばれて来る。
毎日毎日がほぼ満室の鶴の湯で、抑えた宿泊料金で、これだけの手作り料理を提供して下さる事自体が驚きでもある。
「やっと来れた」「初めて」という方達がたった1泊でも「凄く良かった」「また来たい」とそれぞれに満足げな表情で嬉しそうに語るのを聞き「でしょ」っと私が誇らしげになっても仕方ないが、鶴の湯の、秋や新緑時期それぞれの素晴らしさを伝えながら「またね」と手を振った。是非季節を変えて訪れてみて欲しいと思う。それぞれにそれぞれの自然と、素晴らしい鶴の湯温泉が待っているから。
アクセス例:JR田沢湖駅から乳頭温泉行バスで、アルパ駒草下車。送迎電話にて、昼過ぎから最終バスまで送迎あり。帰りも午後送迎あり。(素晴らしく良心的)
黄金色に染まる秋の鶴の湯
黄金色に染まる秋の鶴の湯。これ程までに素晴らしかったとは・・
田沢湖駅から乳頭温泉行きバスに乗り、田沢湖を過ぎ高原温泉方面に右折すると途端に美しい秋景色が始まった。桜並木や白樺の紅葉・・
そして、アルパ駒草で待っていてくれた送迎バスに乗り込み、鶴の湯へ。遠くの山は色とりどりに可愛く紅葉している。
車は鶴の湯入り口からまず山の宿へ。年数を経て風格を備えた山の宿も、見事な黄葉の中に佇んでいる。
更に進むと、清々しく立ち並ぶブナ林の紅葉に、目が吸い込まれる。
そして到着した鶴の湯は、駐車場の周りから黄、黄、黄、黄色に包まれていた。
本陣の門構えの向こう正面には紅葉した山が、鶴の湯全体を包む様にして迎えてくれていた。
受付をする前に写真を撮りまくる。何十枚撮っても何処を撮っても絵になるのだ。
秋の本陣には、干し柿と赤い唐辛子が吊られ、すすきが穂を開き、枯れ葉がまとう事務所はとても秋らしい風情に包まれていた。
「今年は少し紅葉が遅れたので、今日が最高ですよ」と番頭さん的な男性従業員の方がおっしゃってくれた。ただ、曇りが続いている。これで晴れていたらどんなに見事なのだろうかと、それだけが少し残念だが、紅葉に上手く合ったのでほっとする。
昔、一度秋に来たことがあるがその際泊まったのは山の宿だった。広い部屋には掘りごたつが在り、料理も少し良かった様に思う。ただ、温泉がぬるかった。鶴の湯からの引湯だから仕方がないのだろう。小さな小さな露天風呂は貸し切りとして利用でき、赤も混じった紅葉が白い湯に映え美しかった。鶴の湯温泉へは何時でも送迎してくれるとは言え、やはり不便だった。
なので実質、鶴の湯へ秋に泊まるのは初めてという事になる。これ程素晴らしかったのか・・秋が一番人気の筈だ。毎年4月1日の予約日には電話がかからず「4時間かけ続けて要約繋がった」と言う人と一緒になったが、予約すら難しく反って予約なしのキャンセル空きで宿泊できたという方も多かった。私はベストシーズン過ぎた「この日なら空いてます」と言われた平日に宿泊したのだが。
ちなみに、水車の辺りに本陣と同じ造りの建物が2棟あるのをご存知だろうか?「はなれ」と書いてある。ここが気になっていて聞いてみたら「JRのびゅう」を利用して泊まるお客様専用の建物だそうだ。何だか憧れ感があるけど、私は2号館でとっても満足している。
さあ温泉へ。鶴の湯へ来たらやはり何といってもまず、混浴露天風呂へ向かいたくなる。
日帰り入浴客が居なくなった後、空いているのを期待して早めに向かう。期待通り他に1組だけだった。
秋景色の鶴の湯を楽しんでいた時だった、雲が切れ晴れ間が見えたのだ!青空に光り輝く山の紅葉と鶴の湯温泉!それは見事だった。あぁ何とお天気の神様か鶴の湯の神様が、晴れ間をプレゼントしてくれたとしか思えない奇跡。
そして温泉からあがった時には再び曇りから小雨になっていた。
だが、夕食後夜空を見上げたら、えっ?!そこには星空が広がっていたのだった。
女性用の広い露天風呂に浸かりながら、首が疲れるくらい星空を見続ける。
そうだ、外には休憩用の椅子も置かれているので、夏の流星群の日合わせて訪れるのも良いなあと思った。
明日はもしかしてこのまま晴れるかもと期待したが、再び小雨~曇りだった。
日帰り入浴時間になると続々と人が押しかけ、温泉に入る気がなくなるので、鶴の湯の周辺を散策する事にした。初めて行ってみた鶴の湯神社も、神社から蟹場温泉へと続いている道の入り口も黄色、黄色でとても美しい。熊が怖いけどいつか歩いてみたいなあと思う。
この時は安全策を選んで、山の宿まで車道を歩いて、戻りは送迎バスに乗せて貰った。
いつもなら必ず乳頭温泉巡りをするのだが、今回は鶴の湯辺りの紅葉だけを楽しんで過ごした。
話を温泉に戻すと、男性は露天風呂が1つしか無いが、女性には季節に寄るが混浴以外に3つの露天風呂がある。
混浴露天風呂と中の湯の間に岩露天風呂が1つと、大きな女性露天風呂の祠と根性様が在る横に小さな岩風呂が在り、ぬるめだが此処も足元湧出泉で、1人ぼーっと浸かるのには最適で、気に入ってしまった。
4つある鶴の湯の内湯はどれも小さいが、コテコテの析出物が湯縁や投入口に固着し、真っ白い湯が溢れている。
本館に造られた2室の貸し切り温泉は、出来てから年数が経ち檜の香りはなくなっていたが、シャワーがあり貸し切り風呂の良さがある。
但し、シャワーがありドライヤーが置かれているのは、本館の内湯のみと言う事を知っておいて下さいね。日帰り入浴では本館にある温泉は利用できません。
本陣の広間で食べる山の幸。これだけの宿泊客がいるのに、温かいままで運ばれて来る。全館となると物凄い人数であるのに、これだけの手作りの料理を温かくスムーズに提供してくれている厨房とは、一体どうなっているのだろうかと不思議な位だ。そう言えば鶴の湯の厨房というものを覗いた事がないな。
また同時に、この宿泊価格でこれだけの品数の手をかけた料理を提供してくれるのも凄いと思う。法被姿の従業員さんが忙しそうにそれぞれの仕事をこなしてまわっている。
帰る日の朝食の時、高齢の従業員の方が「何時も来てくれているね」と声をかけてくれた。
そう言えば鶴の湯へ来だして、もう20年になる。懐かしいお顔の従業員さんもお元気で、ずっと勤めておられたんだなと嬉しくなった。
帰りの送迎バスの運転手さんも20年前からの方で「一番古い」と言われていた。
偶然にも鶴の湯へ泊まった日は私の誕生日だった。お懐かしい方々のお顔も見れ、こうして誕生日を大好きな鶴の湯で過ごせた事を幸せに思う。
天気は予報通りに、帰る日の朝になり要約晴れた。本陣の屋根の上に黄葉が輝く。本陣の門を黄葉が黄金色に飾る。
但し鶴の湯温泉の山は午前中は陽が当たらないので、晴れた日の午後が最高となるだろう。
う~ん素晴らしかった秋の鶴の湯。来年も来れたらいいなと思う。
1つだけ気にかかった事を書かせて貰うと、混浴露天風呂の男性更衣室の全開になった窓が、女性用入り口に向かっており、どうしても湯船に浸かるまでの立ち姿が見られてしまう事(これは湯船からでもあがる際に後姿が見えてしまうのですが)
入り口直ぐの丸太辺りだけでも、1~2枚の簾をかけて頂く事はできないものだろうかと思います。完全に覆ってしまうのも反ってそこだけ違和感があってはいけないので、景観を崩さない程度に入り口辺りだけでもと思うのですが・・如何でしょうか?
浸かってしまえば白濁湯。それに、昔からここに温泉が湧いていたと思える自然の姿のままの混浴露天風呂。白い湯だったから鶴の湯?これが熊の湯温泉とかだったら・・なんて馬鹿な事は言いませんが、この名湯を多くの女性にも是非堪能して頂きたいなと思います。
温泉の話をしていると「何処が一番?」と良く聞かれますが、私はいつも「鶴の湯」と答えます。「鶴の湯だけには是非一度泊まってみて欲しい」と心を込めて伝えています。
アクセス例:JR田沢湖駅より路線バス乳頭温泉行きで、アルパ駒草下車し送迎バスあり。
(送迎要連絡ですが、午後であればチェックインOK。帰りの送迎バスも、温泉巡り後の夕方でも利用可能)
天井のない旅館って感じ
なんだかんだ、ずっと外にいたなぁーて感じ!
露天風呂入って、川沿いの椅子や机があるところでまったりして、また温泉に入りに行く!
何度も行きたい!
初めて時間をかけて行った鶴の湯は別世界でした。
本館の囲炉裏がある部屋はいつも満室。次はその部屋を狙って予約したいです。
新館の部屋も良かったのですが。。
テレビもなく電波もあまり届か居ない場所ですが、それがまた良い。
都会の人込みに疲れてる人は、ぜひおすすめです。
レンタカーを借りて訪問しました。
この秘湯の湯サイトさんで興味を持ち、訪問。
飛行機で秋田空港まで行き、そこからレンタカーを借りて行きました。
前日大雨だったため、旅館内にあちこち点在する温泉の一部に
川の増水のため入れなかったのがただ一つ残念でした。
混浴露天風呂はとても雰囲気がよく最高でした!
別格の露天風呂
乳頭温泉郷 鶴の湯
田沢湖高原温泉郷から車で15分ほど走れば到着する。
降雪期は、その倍はかかるだろう。
訪問したのは9月の平日の13時過ぎだったが、
帳場付近は入浴客と見物客でごった返ししていた。
浴場エリアから列をなして入浴客が戻ってくる。
圧倒的に女性が多い。
その人たちをかき分けるようにして、
名物の露天風呂を目指す。
白濁した池のような露天風呂を
左手に見下ろすように歩く。
すると、男性脱衣所がすぐに現れる。更に奥が女性用だ。
さっさと服を脱ぎ、脱衣所から内湯小浴室を通って、
露天風呂に出る。
鶴の湯の露天は、白濁の硫化水素泉だ。
とろみがあって、ゆるやかに滑らかだ。
万座のお湯のような濃厚さを感じる。
湯温は露天中心部の湧出地点で43℃、
浴槽縁の部分で39℃~40℃といったところか。
ポジションを選べば、長湯も可能だ。
混浴の露天風呂には、カンカン照りの真昼間なのに、
女性の入浴客の姿も目立つ。
露天風呂の中心部の、温泉湧出地点までやってくる女性は、
年齢に関係なくカップルの片割れだ。多くの女性客は、
女性エリアへ通じる足湯のような通路と、
混浴エリアの境目あたりに集団で固まっている。
そこを狙って、
鶴の湯露天の見物客が、
服を着たまま露天の浴槽縁までやってきて、
スマホで写真を撮っていく。
いづれそう遠くない将来、浴場エリア内の写真撮影は、
全面禁止になるのだろうな。
鶴の湯の硫化水素泉は、
それなりの長湯をしても呼吸が苦しくならない。
自然の換気が優れているのか。
それともお湯の質がおだやかなのか。
混浴の露天風呂にしか入浴しなかったのだが、
鶴の湯のすばらしさは十分に実感できた。
乳頭温泉郷の中でも、
ここでの入浴は、別格の満足感を得ることができる。
鶴の湯、黒湯、休暇村
これが乳頭温泉郷のベスト3だと思っている。
了
冬の雪景⾊が良いです。追記︓2016/2/12レンタカーでの訪問です。
初めて訪れたのは視察旅⾏での⽇帰り⼊浴でした。⽇帰り⼊浴で良かったので是⾮とも宿泊したくなり、翌年の12⽉にスキーと絡めて宿泊しました。⽥沢湖スキー場もよかったのでその次の年も宿泊してスキーを楽しみました。
混浴露天⾵呂はぬるめですので、いくらでも⼊っていられます。⾜元から湧いているところを探しながら移動するのも意外と楽しいです。ただ冬は⾜元が滑りやすいのでご注意を。
皆さん露天⾵呂へ⾏くので、宿泊施設に有る⽅の内湯は意外と空いています。
⾷事は畳敷きの会場で空いている席へ案内されます。シンプルな内容ですが美味しいです。⼀⼈で宿泊しましたが、1階の少し離れている部屋に2回とも案内されました。トイレに⾏く途中にあるので気になる⼈は気になるかも。当⽅は全く気になりませんでした。共同トイレは温便座の清潔なものですのでポイント⾼いです。
冬はスキー場へも送迎してくれるので⾮常にありがたいです。⽥沢湖を眺めながらの滑⾛は素晴らしいですよ。
追記︓冬の道路状況と本陣のお部屋・⾷事について追記します。⽇本秘湯を守る会でスタンプがたまったので招待での宿泊をしてきました。
レンタカーを利⽤しましたが、鶴の湯⼊り⼝のバス停から先は圧雪路となっていましたので、冬場に雪道に慣れていない⽅はやめておいたほうが良いかと思います。
今回は空室の関係で本陣の⾓部屋の⼀番のお部屋での宿泊となりました。囲炉裏やランプの灯りで雰囲気も良く、ウォッシュレットのトイレまで有るお部屋での⼀晩は素晴らしいものでした。
⼣⾷は部屋⾷で⾃分のペースで⾷べることが出来ました。招待での宿泊ですと、イワナの刺⾝・キノコ汁・お蕎⻨が追加で出てきました。⼭の芋鍋もたっぷり有ったので⾷べ過ぎてしまいました。
朝⾷は本陣の並びのお部屋で他の⽅と⼀緒となります。
最高の佇まい
宿泊の予定は既に半年待ちの状態との返事で、下見を含め日帰り入浴で行きました。
うぅ~ん、これは流石にまさしく『 秘湯 』を思わせる佇まいです。
あえて土日は混むだろうと、平日に伺いましたが・・・時間帯がミスマッチでした。
留学生らしき若きYOU達と観光客のYOU達で、まるで近所の混んでる銭湯状態でした。(泣)
しかし、昼食を挟み束の間の渋滞を終えると、従来の空間でしょうか独占状態が訪れましたので、すかさず入浴です。
室内の『黒湯』そして露天の『中湯』をたんまりと時間の許す限りの入浴できました。
小雨の降る中の露天風呂も、なかなか良いものです。
次回は宿泊で、料理も堪能したく思います。