温泉クチコミ
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長寿温泉 松寿荘 (青森県)
メタケイ酸豊富なヌルヌル湯
青森・黒石にある温泉の一つで、板留温泉や温湯温泉から近いのだが、一軒宿でもありマイナー温泉でもあるのだろう。日帰りで訪れても、1人入れ替わって出て行っただけで、貸切で入浴できた。
誰も訪れない湯船に陽が差し込む。こののんびり感が青森なのだろう。
44.2℃源泉は湯船で42℃適温となり、熱すぎないため非常に気持ち良く浸かっていられるが、どうも寒い地方の方々は熱い湯を好む傾向があるようで、この温泉へ来る人はぬるめ好きの部類の方となり、そのためもあってか人も少ないようだ。
勿体ないなと思う。この辺りの温泉を比べると一番メタケイ酸が豊富で181㎎もあり、しかもph8.48とは思えない程ヌルヌルした上質な温泉である。
湯の色は深緑に見え硫酸塩泉の様な色を呈しており、幾分タイルの薄緑の色が反映されてもいるが、温泉成分で浴槽の縁や湯舟の側面のタイルは、焦げ茶色に変色してしまっている。
これで単純泉とはとても思えない。総成分が0.902gなので僅かに1000㎎に満たず単純泉となってしまっているけれど、温泉の質や量は極上である。
投入口からはザバザバと源泉が多量に掛け流され、円形の浴槽から溢れて行く。
天井は高いが窓は締め切られており、湯気で低温サウナ状態となった誰も居ない浴室で、思わずトド寝をしてみたが寒くはなかった。
ソープ類は無いがこれで300円。勿体ないくらいの温泉である。
あがったら、ご近所さんと井戸端会議をしていた女将さんが気さくに話しかけて来てくれた。のんびり感がとても心地良く、また泊まってみたいなと思った。
確かお安い料金でご馳走を出してくれた記憶があり、宿泊料を訪ねてみたら7000円程との事だった。
隣の家屋ではエネオスのガソリンスタンドも経営しており、温泉宿としての風情も何も無いが、安価な料金でご馳走が食べられ、上質な温泉に何度でも入れるのなら、泊まるために訪れる価値はあるなと感じる。
青森はそこらかしこにマイナーだが良い温泉が散らばっている。
アクセス例:弘南鉄道黒石駅より、路線バス虹の湖行きで毛内入口下車(中村との中間だが毛内の方が幾分近い)徒歩3~4分。
青荷温泉 青荷温泉旅館 (青森県)
雪深さと静けさと
雪深い6.4㎞の山道を毎日除雪して下さっているという。冬は対向できないため乗用車も入れず、送迎車に乗り込む以外宿に辿り着く方法は無い青荷温泉。
そして驚くことに日帰り入浴でも、この送迎車に乗せて貰って温泉に行く事ができるのだ。
板留温泉バス停9時発の送迎車は、宿泊客を降ろした後、日帰り入浴客を乗せて雪山道をひた走る。
「イヤんなっちゃうよ」と運転手さんの雪にうんざりな言葉が漏れるが、いざ山道にさしかかると「ヨシッ!」と気合を入れ直してアクセルを吹かす。4輪駆動であっても登り始めの坂で登りきるかどうかが、この先進めるかどうかにかかっているそうだ。
確かに嫌になるほどの雪である。標高差は500mも無い程らしいが、下とは雲泥の差の積雪量である。
その道を突き進み到着すると休む間もなく運転手さんは、第2便の送迎客を乗せて山を下って行った。ご苦労様な事であるが、この送迎や除雪が無いと冬には来させて貰う事はできない。これ程迄しても冬に迎え入れている事に驚き、感謝の気持ちが湧く。
日帰り入浴の帰りのバスは14時20分である。それまでゆっくり温泉を堪能できるという訳で、昼食メニューも揃っており、広い無料休憩室にはランプが下がっていた。
ロビーではダルマストーブが焚かれ、青森らしいねぶた風の絵が襖や館内に大きく描かれている。
宿泊客が帰った後には、従業員の方が使用したランプを肩に下げ、交換するのに忙しい様子で、外にはランプ小屋というのがあって、そこにはランプが棚にズラッと並んでいた。
さて、4か所あるという温泉の説明を受け、まず向かったのが玄関を出た先にある健六の湯。
木造の造りで天井の梁がとても高い。窓も広く明るく外の景色が目に入り、自然感溢れる優しい浴室だ。
大きな木の湯船にドバドバと投入される温泉が温かく、単純泉であるがとても気持ちの良いものだった。
外は雪だが、夏季シーズンには緑を映して美しい事だろう。
昼間なのでランプは消されているが、夜になるとこのランプの灯りだけになるとすると、かなり暗いだろうなと思った。
次に向かった先は「露天風呂はぬるいので温まってから入って下さい」と説明を受けていたので、もう一つある小さな内湯に入ってから露天に向かう事にしたが、小さな浴室と湯船でこちらも木風呂だが、温まるほど湯は熱くなく、断然健六の湯の方が良かった。
そして、ランプ小屋を過ぎ吊り橋を渡って瀧見の湯へ。川岸に積もる雪は物凄い。乳頭温泉よりはるかに多く、青森の雪の凄さを見た。
瀧見の湯の浴場に併設されている露天風呂から、本来なら滝を見ながら温泉に浸かれるのだが、冬季は温泉がぬるすぎて閉鎖になっていた。ちょっと手を入れてみたら34℃程に感じ、内湯が高温泉ならば交互浴できない事は無いが、何せ内湯もぬるくて寒すぎる。
滝は?と思って見たら、雪と雪に挟まれた間から、滝だと判るものが見えていた。
こちらの内湯の湯船は石造りだった。そして温泉は同じく温い。
で、混浴だという露天風呂へ。午前中は11時から女性専用時間帯になるが、入り口がオープンなので、脱衣室から湯舟に入るまでが少し気になる。
混浴露天風呂という名ではあるが、天井もあり目隠しの塀もある。
広めの岩風呂には源泉が噴射されて投入されいるが、いかんせん湯舟内は超ぬるいので、その噴射している温泉を湯滝の様にして浸かっていたのだった。
連泊されている方が一組温泉に入りに来られている以外は、日帰り客はおらずほとんど貸切で、どの浴室でも静かに温泉を楽しめた。冬ならではの特権でもあるだろう。
しかし温泉がぬるいため、最後はもう一度一番温かく広く気持ちが良かった、健六の湯に入って終わりにしたのだった。
熱い温泉が嫌な方、ぬるい温泉に静けさの中ゆっくりと浸かり、自然の風景と共に温泉を愛でたいという方にはとてもお薦めです。
感心したのは送迎だけでは無く、誰も居なくても更衣室にはストーブをずっと付けてくれているという親切さや、日帰り入浴料600円で何時間も過ごせ、尚且つ食事を強制するわけではないという、これらの温かい親切さに、今まで抱いていた観光ランプの宿というイメージが翻った。
昔、ランプの宿というものに憧れて一度この宿に宿泊した事があるが、抱いていたイメージとはかけ離れていた事や、温泉が単純泉であり余り印象に残る温泉でも無く、何となく覚えているかのような夜の露天風呂だけで、後はツアーにもよく利用されている宿であると言う事で、今まで遠ざかっていた。
宿泊した季節は冬でなかったので、しつこいくらいご丁寧に青森弁で書かれてある案内板に苦笑しながら、車で辿り着いた青荷温泉だったけれど(この印象が一番強い)あの親切さは看板だけでは無いんだと言う事を、今回の日帰り入浴で改めて感じ、青荷温泉に持っていたイメージが変わったのだった。
アクセス例:弘南鉄道黒石駅より路線バス虹の湖行きで、冬季は板留温泉バス停下車。夏季は虹の湖バス停下車。送迎あり。
栃尾又温泉 自在館 (新潟県)
3軒共同利用の温泉
3軒の宿で共同利用している温泉というのも珍しい。栃尾又温泉というのは昔からそういう温泉だそうで、自在館・宝厳堂・神風館の3軒の宿で、下湯と上の湯と奥の湯を共同利用している。
自在館にはこの3つの温泉以外に、貸切利用できる内湯と露天風呂があり、以前日帰り入浴で訪れた際に利用しており、今回は以前入れなかった下の湯に入りたくて訪れた。
男女日替わりで3つの浴場をくるくると回しているそうで、訪れた日は丁度下の湯に入れる日だったので、直行した。
源泉はどの湯船も同じだが、源泉に一番近い下の湯は地下にあり、階段をどんどん降りて行かねばならない。そのため高齢の方や足の悪い方のために、1階に奥の湯を造ったそうだ。
湯舟は岩風呂で、リフォームしてから10年程であり浴槽内のタイルも新しい物だったが、浴室内の雰囲気は落ち着いており、やや草色っぽく見える湯の色と共に渋さが感じられ、窓からは雪景色も見え暗くはない浴室だった。
源泉の湯船と加温された湯舟が並んでいるが、何処の浴場でも大きい浴槽が源泉湯舟である。
湯舟の底には穴の開いたパイプが連なり、穴からは温かい温泉が出ているため、足先はその部分に乗せながら、じっくりと37℃の源泉に浸かると、身体にはポツッと泡が付いていた。
真冬でも寒いという程のことは無かったが、加温槽との交互浴は必須で、というか加温槽にだけ浸かっていても良いくらいだったけれど。
しかし、このラジウム温泉というのはどうも・・香りも浴感も何も無いので、どうしてもつまらなく思ってしまう。
ラジウム泉は良く温まるのだが、冬であり冷泉であるので暑くなるほどの事は全くなく、湯上りはほのかに温かいという感じかなあ。
実感したのは上がった後、肌がスベスベになっていたという事だけだった。
次に行った奥の湯は、湯の色が全体にブルー系に見えとても美しい。
こちらの湯船では本を読んだり、瞑想されている方も多かった。皆、静かで誰一人お喋りする人はいない。
こちらの浴室にはシャワーやソープ類が設けられている。
奥の湯と下の湯には、寝湯の湯船が源泉と加温槽の間に造られているので、それぞれお気に入りの湯船にじっくりと静かに浸かられていた。
翌朝日替わりで入った下の湯は、タイル風呂で造られてから30年程経つそうである。
紺色系のタイルで造られた浴槽で、こちらも奥の湯と同様3つの湯船が連なる。
岩風呂の下の湯・奥の湯とはちょっと雰囲気が変わるが、こちらの浴室も広いため、それぞれがお気に入りの湯温の湯船で、ゆっくり浸かっていられるのが良い。
37℃源泉は、夏に訪れた時と冬に訪れた時では感じ方が違い、真冬では寒いかと思ったがそういったことは無く、人も少なめなのでゆっくり浸かれたので良かったかと思う。
アクセス例・JR小出駅より路線バス栃尾又温泉行で終点下車、直ぐ。
丸駒温泉 丸駒温泉旅館 (北海道)
どちらも露天風呂良し
なかなか機会に恵まれず、やっと2023年2月に一泊で訪問しました。
目的は何と言っても露天風呂に入る!です。
休みを調整して平日一泊でしたので、混み合うことなく過ごせました。
近くでは『氷涛祭り』も開催されていましたが、立寄り湯の方達も少なかったのかなと思います。
内も外もお風呂は格別です。但し外の露天風呂は今年の支笏湖の水位が低く直結してますので、お風呂の水面が低く、また温度は低めでした。静かに浸かっていると野鳥達が頭上の木々に集まり、観察しながらの温泉は格別です。
料理に関しても品数の多いこと、思いの外お酒もすすみます。(笑)
チェックイン時から『予約部屋に空きができましたので特別室になります』との事で始まったわけですが、最高の思い出になり、また訪れたい温泉です。
湯の川温泉 湯元漁火館 (北海道)
海とガラスの浮き球がある温泉
ガラスの浮き球の向こうには海が広がり、陽射しが煌めく。
どんどん掛け流されて行き、温泉成分が岩に付着している半透明の薄茶色の温泉は、実に温泉らしく、こんなに良い温泉だったのかと改めて気づいた。
もう何年前になるのだろうか、一度だけ夫と宿泊しているが、その時は今ほど泉質に関してなど何も興味も無く、おそらくこの宿を選んだのは、海が見える露天風呂だったからだろう。
浴槽が予想外に小さくがっかりした事だけは覚えているが、内湯がどんなだったか、どんな温泉だったかなんて全く記憶に無い。
それよりも印象深いのが、ツインの洋室の余りの狭さと、カウンターで海に向かいながら食べた朝食に、その通りイカそうめんが出てきたことだった。結構な量が盛られていたと思う。
以来、再訪してみたいと電話を入れてみたが、一人泊は断られた。
そして今回、日帰り入浴で行ってみようと思い立ち、湯の川温泉に他の宿をとり此処へ訪れた。
勿論あらかじめ電話で確認をしていたのだが、その返事の女将さんの声は棒読み的だった。
訪れると館内は薄暗くシーンとした感じで、しばらくして出てこられた女将さんには活気が無く、ぼうーっとした感じを受けた。
ダメなのは解っていたが「一人泊はできないんですよね?」と直接確認してみたら「今、泊りはやって無いんですよ」と返ってきた。
そうか、コロナで日帰り入浴だけにしているのだ。宿によってそれはどちらかで、日帰り入浴を中止している宿と、宿泊を中止している宿が在り、どちらかというと日帰り入浴を中止している宿が多い様に思うが、田舎では全く休業したりそのまま廃業に繋がったりしてしまっている宿もある。
漁火館は日帰り入浴だけは積極的に受け入れているようで、訪れた時には他に客もいた。
改めて感じた濃厚なかけ流しのとても気持ちの良い温泉に浸かりながら、大好きなガラスの浮き球と煌めく海を見ながら「あーいい温泉だ。できれば泊まりたい」と願った。
館内には海鮮を焼いた匂いが残っている。染み付いているのか、ランチでもやっているのだろうか?と尋ねたかったが、大きめの声で有難うございましたと言ったが、全く返事は返ってこなかった。
後でHPを見てみると令和2年から宿泊は休業となっていた。コロナが始まった直後から休業に踏み切ったのだろう。もう丸3年になる。女将さんのあの活気の無い顔が思い浮かばれた。
一日も早く再開されて、美味しいお料理と良い温泉で皆を迎えて貰えるようになる日が待ち遠しい。
宿近くの浜には「漁火館源泉2号井」と書かれた標識小屋が立っているが、館内の温泉成分表示には1号と書かれており首をかしげたが、帰りの道中で街中の某ホテルの横に「漁火館源泉1号井」という標識小屋を見つけたので、ここから引湯している事が判ったが、1キロは離れているだろう。それで丁度良い湯温となり提供されており、湯量も多く良く温まるがベトベトしない良い温泉だった。日帰りだけでもまた訪れたいと思う。
アクセス例:函館空港より函館行きバスで湯の川温泉下車し、徒歩15分~20分程。
小野川温泉 尼湯 (山形県)
出たり入ったり、熱いけれど気持ち良い温泉
冬に訪れたからだろう、熱い源泉だが浸かるととても気持ち良い。
しかしそう長くは浸かって居られないので、出たり入ったりを何度も繰り返した。
もしかして半日はこんな風にして、エンドレスにこの温泉で過ごせられるのかもと思ったくらいだった。
6月頃に来たときはそうはいかなかったけれど、冬はとても良い温泉だ。
米沢市内から週に何度も通っていると話す方もいて、皆さんこの温泉目当ての常連さんの様で「この温泉が一番!」と声を揃える。
確かに投入される湯量が多く、熱い源泉だがどんどん掛け流されて行くので、とても気持ちが良い。立ち寄ったうめや旅館に比べても、はるかに多いドバドバ投入だ。
そして硫黄の香り、トロミある濃厚湯。しかも入浴料は200円。
タイル風呂の壁には、温泉津や下諏訪等の熱い温泉の共同湯に取り付けられていたりする、レトロ感ある丸い湯温計が43~44℃を示していた。
加水もできる様になっていたが、誰もこれ以上加水する事も無く、溢れ出す温泉に気持ち良く浸かっていたのだった。冬最高~!
尼湯へ入ると自動販売機で入浴券を買うが、番台に人はおらず入浴券を入れる容器も無く、この券はどうするのか?と首をかしげながら、とりあえず手にしたまま脱衣場へ進むと、ロッカーの衣服置き場の前に、入浴券を立てるという事になっていた。
要するに「ちゃんとお金を支払って入浴してますよ」という証明を皆に見せるという訳なのだな。
そして入浴が終わったら、その券を箱の中に入れるという、おそらく全国でもここだけのシステムでは無いだろうか?
きっとその昔はお金を支払わず入浴してきた人も多かったのだろう。これなら余計な疑いの目を向けず、向けられる事も無く皆が堂々と入浴できるという訳で、地元皆で考えたのだろうか、凄いなあと思った。
アクセス例:JR米沢駅より路線バス小野川温泉行で小野川温泉下車し、徒歩3,4分程。