生涯忘れられない恋しい露天風呂
- 公開日
- 2018/11/24
- 最終更新日
- 2019/11/28
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管理人総合評価
4.6
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ユーザーの評価(2件)
4.2
今回北海道旅行を約1週間した中で、一番印象的だったお宿を紹介したいと思います。
銀婚湯は10年以上前よりいい宿だと聞いていて、一度宿泊してみたいと思ってはいたのですが、こんなにも長い年月が経ってしまいやっとやっと念願かなって宿泊する事ができたお宿です。
誰もが口をそろえて「素晴らしいお宿」と言うだけあって結論から言ってしまえば本当にその通り、大満足どころか今だにふと思い出しては「また行きたいな」と考えるほど忘れられない宿になりました。
創業は昭和2年だそうで今のご主人は3代目です。
元々中洲だったところに湯治宿を作ったのが始まりで、少しずつ広げていった敷地は今ではどこまで?というほど広く、熊笹だらけだった土地に紅葉や楓、欅に白樺と美しい木々を植えて今ではまるで「おとぎの国の森」のように美しい森になりました。
この広い敷地、なんと5000坪だそうです。
この美しい森は今のご主人が少しずつ作った森だそうです。
1代でこんなにもできるものなんだなと感心してしまいました。
後で紹介しますが、けやき並木はご主人が種から植え60年経った姿だそうです。
ちなみに2代目の方は桜の木を250本植えていたそうです。
それはそれでさぞ綺麗だろうと思いますが、時期が限られてしまう事と虫が多いので全て植え替えたとか。
桜の木の時も少し見てみたかったなと思いました。
館内は木造で明るく綺麗です。
談話室には綺麗な木々を見ながらくつろげる椅子と暖炉があります。
冬にはこの暖炉に火が灯り、暖まりながら雪景色を見てゆっくりできそうです。
1泊2食付1人15,270円 中庭側和室《部屋名 唐草》10畳+広縁4.5畳 トイレ付 幼児布団代2,500円
部屋は中庭側という事でしたが、窓が大きく緑がキラキラしていて気持ちのいい部屋でした。
広縁がとてもひろくゆったりとした造りだった事と置いてある椅子が座り心地がよかったのでずいぶんとゆっくりできたような気がします。
息子くんもこの部屋が気に入ったようで走り回っていました。
洗面所は造りは古いのですが問題はありません。
到着して早速宿泊者しか入れない貸し切り露天風呂へ向かいます!
フロントで入りたい貸切露天風呂の札を借りるという仕組みです。
5つある貸切露天風呂の中でも一番人気の「トチニの湯」がたまたま空いているという事でラッキー!
歩いて8分と5つある貸切露天風呂の中でも一番遠いのですが、ここだけ別源泉というところと露天風呂の雰囲気や景色が絶品だという事で「一番人気」なんです。
トチニの湯へ行くのにはこの並木道は通らず前を通りすぎるだけですが、背が高くて立派なけやき並木を前に写真を撮りたくなりました。
このけやき並木はご主人が種から植えたそうで今年で60年になるそうです。
種から植えるってすごいですよね。
途中吊り橋がありますが、これが揺れて結構怖い。。。
息子くんを抱っこしてサンダルで来てしまったので慎重にゆっくりゆっくり歩きましたが、温仙人が前を歩くとギッタンバッタンと揺れるので帰りは私が前を歩かせてもらいました。
昔はこんなのまったく怖くなくて、むしろ面白がって揺らしたりするタイプだったような気がするのですが私も年をとってビビリになったのかな~なんて思いました(^^;)
生涯忘れられない恋しい露天風呂
私が到着したのは夕方でした。
西日が川面を照らし、木漏れ日がキラキラしています。
こんなに美しい景色を見ながら露天風呂へ入った事がないのではないかと思うぐらいの美しさです。
トチニの湯は12年前に作った露天風呂で銀婚湯の貸切露天風呂の中で1番最初に作ったものだそうです。
一番最初だからきっと一番気合を入れて作ったのではないでしょうか。
全ての露天風呂を見ましたが、間違いなくこの露天風呂がNO1です。
また源泉についても単独なもので一番濃厚です。
12Lしか出なかったから貸切露天風呂を作ってみたところこの露天風呂を目当てにお客さんが来るようになったとも仰っていました。
私もこの露天風呂目当てに来たいお客の一人になりましたよ。
その後4つの露天風呂を地道に作っていったそうです。
浴槽は二つあります。
奥にある四角い露天風呂の方がお気に入りですが、木を切り抜いて作られたこちらの浴槽も可愛らしくて好きです。
湯量は多くはないですが、浴槽2つが適温(44度で少し熱め)になるぐらいの湯量が投入されていて加水などは一切なく源泉100%の濃厚な湯です。
源泉投入口の源泉温度は51~52度でした。
肌をなでるとツルツルとし、甘い鉄の香りと油臭がプーンといい香りで鉄、塩分、ダシのような味がします。塩分は味噌汁ぐらいかな。
湯上り肌はしっとりしました。
析出物がごってり付くような感じの湯ではありませんが、そこそこ湯の流れ落ちるあたりには茶色い析出物が付いていました。
女性用露天風呂(男女入れ替え制)こもれびの湯
館内には男女入れ替え制の「こもれびの湯」と「渓流の湯」があります。
たくさんありすぎて今回は見るだけでしたが、貸切露天風呂があまりに素晴らしいので内湯と露天風呂はどうなのかしら?とあまり期待はせず見に行きましたが、この2か所の内湯と露天風呂も十分素晴らしく貸切露天風呂がなくても気に入っているだろうほどの雰囲気でした。
本当は館内の露天風呂は混浴にする予定だったそうなのですが、役所から許可が出ずしかたなく部屋を壊して男女別に作ったのだそうです。
にしてはどちらも立派だなぁと感心してしまいます。
ドライヤーはありましたがアメニティは何もありません。
夕食は部屋食 メインは鳥鍋
食事は部屋食でした。
今までは気分が変わって食事処で食べる方が好きだったのですが
まだ0歳の息子くんがいるので部屋食だととってもありがたいんです。
メインは鳥鍋で、北海道の宿にしては珍しく山の幸が多く海の幸が控えめです。一番おいしいと思ったものは天ぷらで揚げたてを持ってきてくれてサクサクでした。
ただ残念な事に塩を付けて食べるタイプのもので、ツユと大根おろしで食べたかった~と思いました。(塩で食べるところが多いので毎回言っている気がするけど(^-^; )
あとは前菜の盛り合わせもおいしかったかな。
鳥鍋は鳥が硬かった事とすき焼き風の味付けだったので息子くんにかまったりして時間が経つにつれてどんどん味が濃くなってしまって「あぁ、、、やりすぎた」ってな状態になってしまい自分が悪いんですが残念な感じでした。
ボリュームはかなりあって鳥鍋の〆のうどんは食べれませんでした。
貸切露天風呂 もみじの湯
朝5時半から貸切露天風呂へ入る事ができるという事だったので6時にフロントに行ったところフロントは開いておらず「あれ?」って事で宿の人を探しました。食事処で人がいたので貸切露天風呂に入りたいと伝えると、6時の時点で1つだけ開いていて他は埋まってしまっているとのこと。
皆さん早いですねー。
本当はトチニの湯へもう一度入りたかったのですが、しばらく待っても待っても開かなかったので次に良さそうだったもみじの湯へ入る事にしました。
露天風呂に覆いかぶさるような大きなもみじの木が印象的で、秋にはこのもみじが赤く染まったらどんなに綺麗だろうと思いました。
緑色の今でも素晴らしく綺麗なんですけどね。
湯はトチニの湯よりも若干薄いような気がしますが、油臭が香ばしく塩分とダシ味がします。
温度はトチニの湯よりもぬるめで約42度、長湯できそうな温度でした。
もみじの湯の周辺には年中赤い色をしたもみじの木が沢山植わっています。
自然豊かな環境の中で猫ちゃんたちもノホホンとゆったりしているように見えました。
入らなかった貸切露天風呂
朝食は食事処です。
座敷と椅子がありますが、赤ちゃん連れで気を使っていただいたのか座敷の席でホッとしました。
朝ごはんは食事処で メインは焼き魚
朝ごはんはボリュームがちょっと少な目でした。
一つ面白かったのは温泉卵と山芋の組み合わせですごくおいしそうだと思いご飯にかけて食べてみましたが、これは慣れないせいか?うーん、いまいちわかりませんでした。
単体で食べた方が私としては好きかもしません。
焼き魚はフワッとしておいしかったのですが若干物足りないような朝ごはんでした。
息子くんのためにベビー用の食器と椅子まで用意してくれました!
ありがたや~
《上の湯温泉 銀婚湯の良かったところ》
トチニの湯が最高でした。
死ぬ前に入りたい温泉は?と聞かれたら迷わず銀婚湯のトチニの湯!と言うほどいいです。
行ってから1か月経ちますが今でも恋焦がれている露天風呂です。
5000坪の森は見たことのないような、まるでおとぎの国にでも来たような美しい森でした。
散歩をしていてこんなにも気持ちがいいと思った事がないほどです。
とにかく温泉については素晴らしかったのですがその他部屋が満足でした。
何がと言われるとこれが!というのは難しいのですが窓の景色もよく居心地最高でした。
あとは温泉へのこだわりが感じられました。
温泉の資料が充実していてわかりやく、一般的には別に気にもしない内容なのかもしれませんが、私にとってはありがたく興味深い資料の数々、最高です。
温泉好きな方々、ぜひ一度宿泊してみてください。
こだわりのある方ほど満足するはずです。
《上の湯温泉 銀婚湯の良くなかったところ》
そんなに良いところばかりが並んだのだから、、、とは言っても良くないところはあるものです。
どんなところかというと、北海道ならではなのですが接客はドライでした。
朝5時半から貸切露天風呂が入れると案内されているにもかかわらずフロントが開いていなくてスタッフの方を探さないといけなかったのが大変でした。
部屋のポットのお湯がぬるかったこと。
これは他愛のない話ですがスリッパがほしいと思いました。
《まとめ》
良くないところがあるにしても!最高なお宿です。
絶対リピートしたい!次は3泊したい!と思うような宿はなかなかありません。
(ちなみに3泊しても食事内容は変わらないそうですが、、、)
また行きたい湯宿です。
2013/1/04電⾞と送迎、2015/8/12バイクでの宿泊です。
初めて宿泊したのは、電⾞利⽤時のスキー旅⾏中でした。ニセコで午前中滑った後、電⾞を乗り継いで訪問しました。落部駅から送迎していただけるので⾮常に便利でした。
到着時は⽇が暮れていたので、夜は⼤浴場と露天⾵呂に⼊浴しましたが、露天⾵呂が温めで気持ちよく1時間以上楽しんでいました。
⼣⾷に出た⿃のすき焼きが⾮常に美味しかったです。
翌朝は⻑靴を借りて貸切露天⾵呂を楽しみましたが、脱⾐時に寒かったのを覚えています。
トイレなしの部屋でしたが、共⽤のトイレも清潔で気持ちよく過ごせました。
翌⽇も落部駅まで送っていただき、電⾞とバスを乗り継いでピリカスキー場でスキーを楽しみました。
2回⽬はツーリング中に宿泊しました。江差側からのアプローチでしたが、特に問題のある道路では有りませんでした。
13時からチェックインできるとのことでしたので14時頃到着しましたが、問題のない貸切露天⾵呂の鍵は全て出払っていました。『問題のない』と書いたのはトチニの湯はアブが出ているのでお勧めしていないとの理由でした。怖いもの⾒たさで⾏ってみましたが、多数のアブが出ていたので直ぐに撤退したのでした。
夏場のお勧めは内⾵呂の⼊り⼝横にある屋内の家族⾵呂かも知れません。今回の宿泊時は、こちらをよく利⽤しました。貸切露天⾵呂と違って内鍵をかけるだけですので、気軽に使えたのと湯温を調整できる点が良かったです。
⼣⾷は美味しかったとは思うのですが、前回の⿃のすき焼きの記憶が強くて印象に残っていません。
朝⾷は和⾷で美味しいのでお櫃を空にして出発しました。
トータル的に素晴らしい宿
令和元年5月宿泊。銀婚式の年に初めて行き、ルビー婚となった今年、連休明けの飛行機代が安いのを狙って訪れた。
現在は、4代目の若いご夫婦が中心となり運営されており、宿の雰囲気も随分洗練され、生き生きとした感じになってきているように感じた。
というのも、気さくな若女将さんが、送迎から接客全般、非常に快く迎えてくれ心地が良い。双子ちゃん含む3人のママさんでもあり、宿業務と合わせ忙しく走り回られている姿が印象的だった。
前代の大女将さんや御主人も、もう80歳になられるという事だが、まだバリバリと現役であり、若女将さんいわく「支配人の頭の中には、森の1本ずつの木が全て入っていて、手入れしてくれている」と言う事だった。
森、それは銀婚湯の5000坪の敷地に植えられ、管理されている木の事である。この林が非常に美しく、散策路も設けられているが、5か所に散在する露天風呂へ向かう道が楽しみである。
その森の中には、本物の川が流れ、本物の吊り橋がかかり、これがすごく揺れる。
何故本物の川かと言うと、宿は砂洲に造られたものだったそうである。それを少しずつ敷地を開拓し、現在に至ったそうで、宿の創業は比較的新しく昭和初期。
銀婚湯と言えば、これらの貸し切り露天風呂が楽しみで、フロントに鍵があれば自由に借りられる。
中でも写真によく出るトチニの湯は、丸太風呂ともう1つ、正方形に切り落としたような湯舟があり、私的にもこの湯船が、景観含め一番気持ちが良かったような気がする。
珍しいのがかつらの湯で、これは大岩の頂点を手作業でくり抜いて造られた湯舟で、岩が高さ数メートルあるため、実際には2階に上がって入るという事になる。
唯一森の中に建てられた湯小屋、杉の木風呂は籠り感があり、窓からは緑が見え、差し込む陽射しが木の湯船と温泉を美しく見せる。
この湯小屋もとても気に入ったが、冬季はここを含め3つの貸し切り露天風呂は閉鎖される。
多くの湯船を持つ銀婚湯だが、どの湯も適温に調整されている事に感心する。貸切露天風呂だけではなく、館内の大浴場と露天風呂。これら全ての湯の管理は本当に大変だと思われるが、6本の源泉を調整され適温にされているという。溶存物質7000㎎もある温泉は非常に良く温まり、浴感も良くとても気持ち良い。
私は以前はどちらかと言うと、銀婚湯の大浴場の岩風呂は余り好まなかった。 ただ広く大きな湯舟が味気なかったからだが、その渓流の湯舟には歳月が経ち析出物が多く付着し、優しく渋く素敵な湯船に雰囲気を変えていた。
2か所ある露天風呂併設の大浴場は、夜中に男女入れ替えとなっており、14時~16時は日帰り入浴でも利用できる。
館内は旧館と新館に分かれており、旧館は共同トイレとなるが、部屋の雰囲気がとても良い。
新館はトイレ付きで5000円程高いらしい。どの部屋の窓からも緑がとりこまれる様に配置されており、野鳥が来るのも見える。
以前は部屋食だったが、個室の食事処が新しく造られていた。宿は一見すると山の宿風だが、落部駅は海に近く、料理は海のものが多く出される。
部屋には当然冷水も用意されており、何と食事の度にお茶セットから水まで一式を、新しいものと交換して下さっていた。なかなかここまでして下さる宿というのは無いかも知れない。「布団そのままで」という札が用意されているという心配りが嬉しい。
トイレも勿論ウォシュレットで、欲を言えばバックを掛けるフックか、棚があれば良いのになと思った。
庭には、夫婦水松や家族水松という樹齢数100年~1000年の松が多くあり、水松とはイチイの木の事でこの辺りでは、オンコの木と言われるそうだ。とにかく、庭や野鳥の森を散策するだけで楽しく、美しい緑は見飽きる事が無い。
新緑の時期も紅葉の時期も冬も素晴らしい。季節を変えて何度でも楽しみたい宿であり、1泊ではもったいない。2~3泊してゆっくり味わいたい宿である。
24時間源泉かけ流しの管理された素晴らしい温泉と、手入れされた森。そして宿の快適さ。これらの管理は並み大抵ではないだろうが、宿の方々のチームワークを持って、更に素晴らしい宿として、お料理を始め全てが進化されているように感じる。トータル的に素晴らしい宿だと思う。
五稜郭の桜は既に散っていたが、銀婚湯近くの清陵園のパークゴルフ場では、名残の桜が満開だった。穴場なので、桜の森を楽しみたい方は是非。銀婚湯から徒歩3分程。
アクセス例:函館駅より長万部方面、落部駅下車。送迎あり。13時~チェックイン可が嬉しい。