「泉質・鮮度・湯づかい」なら絶対に外せない極上温泉
- 公開日
- 2018/10/25
- 最終更新日
- 2019/10/14
- 投稿者
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管理人総合評価
4.6

地元の方たちに愛されているのはもちろんのこと、全国から温泉マニアがわざわざ入りに来るほどのすばらしい泉質を持つ松代温泉 一陽館。
温泉マニアを自負するなら一度は訪れるべき温泉だと思う。
この辺の温泉は松代温泉といい、ここ加賀井温泉も正しくは「松代温泉」ではあるものの慣れ親しんだ昔の名称「加賀井温泉」と呼ばれているそうだ。ちなみに私たちも加賀井温泉と呼んでいる。

畑や山に囲まれた加賀井温泉
上信越道長野ICより車で約10分、アクセスがよいこともあって上信越道を利用するときには必ずといっていいほど寄ってしまう。
長野IC近くになると「あ、加賀井温泉近くだ」と思い出し、近くになるにつれ「帰りが遅くなっちゃうからなぁ・・」などと迷ったあげく結局そのまま入りに訪れることが多い。
名物は温泉だけじゃない!元気のいい湯守の管理人さん

レトロな一浴料金所
年期の入った建物はレトロでどこか懐かしい雰囲気。周辺のノホホンな風景にとてもマッチしていて郷愁を感じるのんびりとした感じ。
受付で料金を支払うと管理人さんらしき方に「はじめて?」と聞かれる。
このはじめて?に「はい」と答えると、温泉施設の利用方法から始まり建物の歴史や泉質のすばらしさなどを説明してくださり、最後には源泉槽へ案内され、シュワシュワと泡だらけの源泉槽に顔を近づけて匂いを嗅いでごらん・・と言われるままに嗅ぐと鼻がツーンとするという、ちまた(温泉好き)で噂の「洗礼」と言われているものを受けることになる。
この洗礼を受けたか受けてないかなどが温泉好きの間でよく話題に上っている。
1日に何か所も温泉を巡っている、なんて事を言うと「温泉というのは温泉同士の相性があるんだから温泉は沢山まわったらだめだ」と怒られてしまう。そんな温泉へのこだわりの強い管理人さん、湯守とはまさにこういった方の事を言うのだろうと思う。

昔は旅館だった一陽館
大正時代に営業していただろう旅館がそのままになっている。

析出物のおばけのような源泉槽

中はボコボコシュワシュワ
古き良き時代を感じる大正時代に建てられた湯屋

湯屋
湯気抜きのある湯屋は大正時代の建物で中には男女別の年期が入った内湯がある。
内湯にはカランやシャワーなどはなく、身体を洗ったり洗髪したりはもちろんできず、誰もがじーっと湯に浸かり湯の良さを味わっている。
盛り上がった温泉成分で原型のわからない浴槽

析出物でコーティングされた浴槽
成分はとにかく濃厚!海沿いの塩分が入って濃くなった温泉とは違い、内陸部で成分総計約13000mg/㎏という驚異の数値だから驚きだ。(一桁少ないぐらいが一般的な成分総計)初めて訪問した時は、温泉成分が固まった原型のわからない浴槽が見事で思わず興奮してしまった。
内湯で使用している源泉は炭酸を感じるドバドバ状態!身体を湯に浸けると若干の気泡がついてジワジワと効いてくるのがわかる。
飲んでみると炭酸を感じる濃厚な塩分と苦み、ダシのような味もする。
とにかく鮮度は抜群で源泉投入量がおそらく50~100L/分ぐらい。空気に触れて酸化すると色がついてくる源泉も勢いよく注がれていることもあり薄く緑がかっている程度で透明に近かった。
たまらなく気持ちのいい湯ではあるがとにかく濃厚なのでゆっくりしすぎると湯上りどっと疲れがきてヘロヘロになってしまう。
このレトロな空間で地元の方と会話しながら入ったり出たりを繰り返し、時には天井を見上げたりしてゆっくりとするのがホッと癒されるひと時。大好きな瞬間だ。

見事に析出物でコーティングされたケロリン桶
さて内湯で十分温まったらお目当てのぬるめの露天風呂へ!
露天風呂へ行くには、入口より靴を履いて一度外へ出て男性は裸に小タオル1枚持って素っ裸で道を歩き露天風呂へ。露天風呂専用の通路などないのが厳しいところで入口のドアを開けたら来たばかりの人とバッタリなんてこともあるので要注意だ。

混浴露天風呂
露天風呂は2つの浴槽が並んでいてぬるい湯(38度/外気温3度)とさらにぬるい湯(35度/外気温3度)に分かれている。
内湯側が緑がかった薄土色でもう一つは濃い鉄さび色、緑がかった色の方が源泉投入量が多くこちらのみ内湯と同じ源泉ともう1本のブレンドで鮮度はこちらの方が上。温度が高いこともありこちらの浴槽の方が人気がある。
寒い冬には一度入ったらあがるのは至難の業。「く~~っ」とか声を出しながら内湯へ走って逃げ込む人も。
とにかくぬるめで気持ちがいいので1時間でも2時間でもあっという間に過ぎてしまう。
この日来ていた温泉好きの方はなんでも岐阜から来ているそうで、「今日は3~4時間は入るつもりで来た」と言っていた。
露天風呂は混浴だが、女性の場合はタオルを巻いたり湯着を着たりして入っている人もいる。

露天風呂の源泉
塩分が濃いこともあり、湯上りはポッカポカ。
浴感は肌を触るとギシギシする感じ、味は内湯の方が濃いように思う。
しかし入るのは最高だが、スケールが配管にたまるため年に1回くらいの交換が必要だとのことで、極上の温泉を維持するのは大変な苦労があるようだ。
管理は大変だと思うが、一温泉好きとしていつまでもこのまま維持してほしいと切に願う。
思い出
「洗礼」を受けた一人です。
ただ説明が長く途中で飽きてしまった(笑)。
鼻にツーンは、化学のときに習った手で仰いで匂う形でやったので余り刺激も感じず小生の薄湯リアクションで湯守さんもツマンナかったかも。
冬場だったので露天入らず内湯のみ。たまたま湯口廻りに空きがあり、新鮮な湯を堪能しました。源泉井
もそうですが、染め上げられた廃湯溝の美しさに惹かれました。
主人のこだわり溢れる由緒正しい湯治宿
初めて来たお客さんにはご主人直々にお風呂の説明案内をしてもらえるという事前情報を聞き、ワクワクしながら行きました。
受付で400円を払い、ご主人について行くとお風呂は隣の棟のようです。
ご主人に源泉が出ているパイプのところで源泉の泉質から何に効くかまで説明していただきました。噂だと、男の場合、源泉に顔を着けさせられると聞いたのですが流石に今はやってないようです。割とちょっと見たかったんですけどね。
建物内の内湯は男女別に分かれていて、混浴の露天風呂はそのすぐ隣にあります。
ここの特徴ですが、温泉の成分が強すぎて、浴槽の縁は成分の塊が層になってガタガタになっています。湯船に入ってそーっと背中を預けるのですが、割とギザギザな感じに付着しているので、恐る恐るでした。
外の露天へは裸のまま行けちゃいます。まあ、内湯に来た人とすれ違う形になるので、タオルで前を隠すなりしないと行けませんが。それと女性はバスタオル、湯浴み着オッケーです。大好きこういうところ。
女性全くいませんでしたが、バスタオル巻いてるし、湯船は二つに分かれているし(男女で分けなければいけないというわけではない)、何より温泉成分濃いので見えない。そしてぬる〜いポカポカ。
内湯→露天風呂の移動でバスタオルを巻いていましたが、バスタオルを温泉成分で染めてしまうのも嫌だったし、結局バスタオルは脱いで入りました。
肩までつかって何時間でも入っていた〜い。