雰囲気抜群の秘湯のお宿。ぬるめのお湯をじっくり堪能
- 所在地
- 青森県黒石市大字沖浦字青荷沢滝ノ上1の7
- 最安値
- 1泊2食付9,600円~/素泊まり7,500円~
- クチコミ 雪深い6.4㎞の山道を毎日除雪して下さっているという。冬は対向できないため乗用車も入れず、送迎車に乗り込む以外宿に辿り着く方法は無い青荷温泉。
そして驚くことに日帰り入浴でも、この送迎車に乗せて貰って温泉に行く事ができるのだ。
板留温泉バス停9時発の送迎車は、宿泊客を降ろした後、日帰り入浴客を乗せて雪山道をひた走る。
「イヤんなっちゃうよ」と運転手さんの雪にうんざりな言葉が漏れるが、いざ山道にさしかかると「ヨシッ!」と気合を入れ直してアクセルを吹かす。4輪駆動であっても登り始めの坂で登りきるかどうかが、この先進めるかどうかにかかっているそうだ。
確かに嫌になるほどの雪である。標高差は500mも無い程らしいが、下とは雲泥の差の積雪量である。
その道を突き進み到着すると休む間もなく運転手さんは、第2便の送迎客を乗せて山を下って行った。ご苦労様な事であるが、この送迎や除雪が無いと冬には来させて貰う事はできない。これ程迄しても冬に迎え入れている事に驚き、感謝の気持ちが湧く。
日帰り入浴の帰りのバスは14時20分である。それまでゆっくり温泉を堪能できるという訳で、昼食メニューも揃っており、広い無料休憩室にはランプが下がっていた。
ロビーではダルマストーブが焚かれ、青森らしいねぶた風の絵が襖や館内に大きく描かれている。
宿泊客が帰った後には、従業員の方が使用したランプを肩に下げ、交換するのに忙しい様子で、外にはランプ小屋というのがあって、そこにはランプが棚にズラッと並んでいた。
さて、4か所あるという温泉の説明を受け、まず向かったのが玄関を出た先にある健六の湯。
木造の造りで天井の梁がとても高い。窓も広く明るく外の景色が目に入り、自然感溢れる優しい浴室だ。
大きな木の湯船にドバドバと投入される温泉が温かく、単純泉であるがとても気持ちの良いものだった。
外は雪だが、夏季シーズンには緑を映して美しい事だろう。
昼間なのでランプは消されているが、夜になるとこのランプの灯りだけになるとすると、かなり暗いだろうなと思った。
次に向かった先は「露天風呂はぬるいので温まってから入って下さい」と説明を受けていたので、もう一つある小さな内湯に入ってから露天に向かう事にしたが、小さな浴室と湯船でこちらも木風呂だが、温まるほど湯は熱くなく、断然健六の湯の方が良かった。
そして、ランプ小屋を過ぎ吊り橋を渡って瀧見の湯へ。川岸に積もる雪は物凄い。乳頭温泉よりはるかに多く、青森の雪の凄さを見た。
瀧見の湯の浴場に併設されている露天風呂から、本来なら滝を見ながら温泉に浸かれるのだが、冬季は温泉がぬるすぎて閉鎖になっていた。ちょっと手を入れてみたら34℃程に感じ、内湯が高温泉ならば交互浴できない事は無いが、何せ内湯もぬるくて寒すぎる。
滝は?と思って見たら、雪と雪に挟まれた間から、滝だと判るものが見えていた。
こちらの内湯の湯船は石造りだった。そして温泉は同じく温い。
で、混浴だという露天風呂へ。午前中は11時から女性専用時間帯になるが、入り口がオープンなので、脱衣室から湯舟に入るまでが少し気になる。
混浴露天風呂という名ではあるが、天井もあり目隠しの塀もある。
広めの岩風呂には源泉が噴射されて投入されいるが、いかんせん湯舟内は超ぬるいので、その噴射している温泉を湯滝の様にして浸かっていたのだった。
連泊されている方が一組温泉に入りに来られている以外は、日帰り客はおらずほとんど貸切で、どの浴室でも静かに温泉を楽しめた。冬ならではの特権でもあるだろう。
しかし温泉がぬるいため、最後はもう一度一番温かく広く気持ちが良かった、健六の湯に入って終わりにしたのだった。
熱い温泉が嫌な方、ぬるい温泉に静けさの中ゆっくりと浸かり、自然の風景と共に温泉を愛でたいという方にはとてもお薦めです。
感心したのは送迎だけでは無く、誰も居なくても更衣室にはストーブをずっと付けてくれているという親切さや、日帰り入浴料600円で何時間も過ごせ、尚且つ食事を強制するわけではないという、これらの温かい親切さに、今まで抱いていた観光ランプの宿というイメージが翻った。
昔、ランプの宿というものに憧れて一度この宿に宿泊した事があるが、抱いていたイメージとはかけ離れていた事や、温泉が単純泉であり余り印象に残る温泉でも無く、何となく覚えているかのような夜の露天風呂だけで、後はツアーにもよく利用されている宿であると言う事で、今まで遠ざかっていた。
宿泊した季節は冬でなかったので、しつこいくらいご丁寧に青森弁で書かれてある案内板に苦笑しながら、車で辿り着いた青荷温泉だったけれど(この印象が一番強い)あの親切さは看板だけでは無いんだと言う事を、今回の日帰り入浴で改めて感じ、青荷温泉に持っていたイメージが変わったのだった。
アクセス例:弘南鉄道黒石駅より路線バス虹の湖行きで、冬季は板留温泉バス停下車。夏季は虹の湖バス停下車。送迎あり。
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