山道へ入り、細めの道を走ること約15分、広大な敷地に木造で統一された一軒宿が見える。周りは山に囲まれていて山間からの風は心地よい。
宿の敷地はかなり大きく、観光用の大型バスが入れるほど。
日帰り入浴開始時間には宿の前に入浴客が列をなす。
昔ながらの超レトロな郵便ポストがかわいらしい。10年前と何もかわらず、時が止まっていたかのようだ。
法隆殿
法隆殿の中
今回の宿泊は本館がとれず新館の法隆殿となった。
こちらの法隆殿は平成元年に建てられ、まだ木の色も明るい。
造りもきめ細やかで手すりや窓の縦横に通る木のラインが美しい。
法隆殿 8畳+4.5畳 トイレ付 2名1室 1人 21,600円
部屋は広く、窓からは風格のある松の木と雪景色が見えとても気持ちがいい部屋。
ただ、この時期になんで?と思うほどカメムシが大量発生しており地獄のような1日だった。
全部で20~30匹は外へ出しただろうか、、、寝る時も布団の中まで、、、1匹2匹ならまだいいのだがここまで多いと厳しい。。
部屋の造りとしても私は断然本館の部屋が好みだし居心地もいい。次回泊るならやっぱり本館が第一希望だ。
液晶テレビ
ポット お茶のセット
冷蔵庫
ミニキッチン
アメニティ ゆかた、バスタオル、小タオル、歯ブラシ
お茶菓子
明治28年より人々に愛され続けた法師の湯
法師の湯
「法師乃湯」 明治28年(1895年)建築
国鉄キャンペーン「フルムーン」で有名となった法師乃湯。
混浴と女性用に時間制で入れ替わる。女性用の時間は20時~22時のみなので日帰り時間はすべて混浴となる。
温度はぬるめ、源泉温度で43度なのでこの時期にはちょっと寒い温度だ。
泉質は無職透明のカルシウムナトリウム硫酸塩泉であっさりとした浴感。足元湧出なので湯の質はかなり良い。
こちらの法師の湯は夜中にひっそりと入るのがお勧め。どうしてかと言うと、、、入浴客の質は最悪。
どちらかというと温泉こだわり派のお客さんというよりは、団体客が多く、とにかくうるさいしマナーも悪い。
洗髪禁止なのにもかかわらず真ん中の通路で頭を洗い、お風呂に泡が混入。さらに仕切りの丸太で遊ぶし、、、静かにこの空間を楽しみたかったのにがっかりだった。
脱衣所
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脱衣所は今時のアメニティやドライヤーなどは何もなく、かごが置いてあるのみ。
昔は男女別の脱衣所もなく、浴室脇にある棚前で着替えをするようなシステムだったようなのでこれでも大分ありがたい。
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女性タイムの2時間は一気に女性が入浴するのでこの脱衣所がパンパンな状態に。
子供も多いので騒がしい。
女性のために造られた総檜造りの浴室
玉城乃湯
「玉城乃湯」
法師の湯の女性タイムがあまりにも短く不満の声が上がったことより女性のために造られたという。
法師の湯へ負けず劣らず風格があり、カランやシャンプーリンス等用意され女性にやさしい。
ただ、湯については法師の湯へ比べると鮮度がなく香りも少ない。加熱し半循環のようだ。
ちなみにガラスの向こうには野天風呂があり、この野天風呂も加熱循環。
浴槽底には石が敷き詰められている
野天風呂
カラン
シャンプー、リンス、ボディシャンプー
綺麗な脱衣所
マッサージ機が置いてある
販売機はあまり見えないように設置されている
長寿乃湯入り口
「長寿乃湯」 女性用
洗い場
小さくてこじんまりした浴室だが、こちらの湯は最高に良い。
足元湧出で湯の質は抜群。
湯の質を楽しみたい人にはこちらがお勧め。
以前法師温泉で食べた食事は印象が悪く、がんばらなくてもお客が来る温泉を持つ宿ってのはこんなものよね、、なんて思ったりしていたが、、今回イメージが変わった。
食事がおいしくなっていたのだ。仲居さんに以前と食事変えました?と聞くと何も変えてないとの返事、、、私の舌が変わったのか?
食事内容は山の幸が中心。
鯉の洗いも臭くなく以前食べた時よりやわらかかった。
基本的にきちんとあたたかいままで出してくれ、最高においしい!と感動するほどのものはないものの満足な内容だ。
【以前宿泊した時の部屋、食事】 2002年宿泊
本館 十二番 1875年 建築 1泊 2名1室 1人16,000円 8畳+8畳+2畳ぐらいのスペース
以前宿泊した部屋は本館のお風呂からすごく近い部屋。
部屋の中は1875年からの歴史がしみ込んだ深い色をした木の色とボヤっとした電気、窓辺にあるテーブルと椅子も居心地がよくたまらなく好みの部屋である。法師温泉へ宿泊するならやっぱり本館がお勧め。
2002年本館の夕食
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本館での食事はまた別で量も別館より少なく、肉も霜降りの牛肉ではなく鴨肉。この時食べた食事の印象は悪く、唯一おいしかったのは鴨肉だったと思う。しかもテレビで見た時は鴨肉が3枚入っていたのに私の時は1枚だけ、、、、。残念に思ったのを覚えている。
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雪景色と建物
廊下のライトがレトロで好き
朝食
宿の外にあったかまくらに入ってみました
【法師温泉の良いところ】
宿の雰囲気は抜群、部屋は今回宿泊した法隆殿もいいが断然本館がお勧め。
食事も改善されたようだし言うことなし。
お湯については法師の湯と長寿乃湯がたまらなく良い。
特に有名な法師の湯は宿泊してゆっくりと味わった方がいいかと思う。
【法師温泉の良くなかったところ】
とにかく観光客が多い。朝一には宿の前に長蛇の列ができるし宿泊客も団体が多くうるさい。温泉でのマナーは最低クラスだ。
さらにこれは宿のせいではなく自然の中にある宿なのだからしかたがないのだが、、、、カメムシに悩まされ続けた1泊だった。20~30匹は外に出しただろう、、、布団の中までカメムシ(涙)
次回行く時は時期を考えて行こう。
平均: 5 レビュー
Aug 17, 2022
妻と2人で1泊しました。
まず宿の佇まいが風情があって好きです。
建物は古さを感じさせつつ綺麗に手入れされていて居心地が良い。
お部屋は建物の間を流れる川を見下ろすことが出来る。深緑と建物が非常にマッチしています
お風呂は噂通りに素晴らしい。
混浴は女性にはハードル高いですが、人の少ない時間を狙って混浴しました。
館内にある昔のポスターのように、やはり夫婦でお風呂に入らなきゃね^ ^
Aug 18, 2021
情緒のある伝統的温泉宿
群馬県みなかみ町、利根川の上流にあたる法師の沢の谷間にある一軒宿、法師温泉長寿館に宿泊しました。こちらは創業140年の老舗旅館で建屋の一部が国登録有形文化財に指定されています。
湯殿は明治時代に建てられた混浴(女性専用時間あり)の「法師の湯」、「長寿の湯」、内湯と露天風呂からなる「玉城の湯」の3か所の構成です。法師の湯と長寿の湯がカルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉で42℃の源泉が足元から湧出、加水・循環なしでかけ流されています。玉城の湯は28℃の単純温泉を加温・循環で給湯しています。
長寿館の看板ともいえる法師の湯は100年を超す歴史ある湯殿で鹿鳴館風の木造の大浴場です。脱衣所は男女別ですが浴室に入ると完全混浴。四角形の浴槽が4つ「田の字」様に並んでいます。それをぐるりと囲む木壁と明り取りの窓、吹き抜けの高い天井と梁、昔の名残をとどめる左右の脱衣棚など流石の風格で、はじめは息をのみました。
カラン・シャワーはなく、桶でかけ湯をします。泉温は浴槽によって若干違うようで、奥がややぬるめの39℃程。無色透明・無臭でややとろみを感じます。浴槽内には丸石が敷き詰められておりそこから源泉が湧き、時折プクプクと揚ってくる泡を感じながら湯殿の風情や窓の外の緑をぼんやり眺める湯あみは極上でした。こちら、夜の20時から22時の間のみ女性専用時間となります。
玉城の湯は洗い場、内湯、露天風呂の構成。総檜づくりで広々として造作も凝っており、なかなか趣があります。28℃の単純泉の低温源泉を加温・循環で供しています。浴槽温度は内湯が42℃ほど、露天は41℃程度に感じました。ぬる湯好きの私としては少々熱かったです。男女入れ替え制です。
長寿の湯は新しい小ぢんまりとした湯殿で5-6人サイズの湯船、シャワー・洗い場を備えます。法師の湯と同様の泉質で泉温は41℃ほど。総ヒバ造りで明るく清潔です。男女入れ替え制。
私は一通り浸かりましたが雰囲気、温度からしても「法師の湯」一択だと思いました。伝統ある混浴はリスペクトしますが、抵抗のある方もいるかもしれません。素晴らしいお風呂を十分に楽しめないのは本末転倒なので、例えば法師の湯の真ん中に簡易的な衝立でも立てて男女別にするのもありなのではと思いました。
通された部屋は新しい法隆殿で8畳+4.5畳、トイレ付。窓からは癒しの緑と趣ある湯殿の屋根が見えました。食事は山のものを主とした構成を部屋食でいただき、質・量ともに十分満足でした。非日常を堪能できる宿でした。
Sep 21, 2020
日帰り客のマナーが悪い
日帰り入浴でワイフと訪れました。しょっちゅう混浴に入っているワイフですが、ここは「無理」の一言。女性の脱衣所から中をのぞいただけで男たちの視線が集中したそうです。入って理解。みんな脱衣所の方を向いてる。私は背を向けていたので逆に入浴客の視線の動きが見えました。女性の脱衣所から足音が聞こえただけで視線はそちらに集中。中には女性の脱衣所をじーと見ている人たちまでいる始末。お湯は素晴らしいだけに、女性はバスタオル可にするとか、対応があっても良いのではと思いました。
Sep 10, 2020
国鉄フルムーンのポスターで知った大正ロマンの湯
到着すると涼風がそよぎ、空気が違った。赤いポストがトレードマークの玄関口や、苔むした屋根、木造の渡り廊下の手延べ板硝子、ラムネを冷やした樽に赤い暖簾の看板が揺れ、どこをとっても趣がある。大正ロマンの湯と共に、法師温泉はやっぱり素敵だ。
今回は日帰りで訪れ、混浴の法師の湯へ入れる時間を待ったが、かなわなかった。日帰り入浴は11時~13時半受付(14時退場)終了の15分程前位になるとやっと空き出し、入れるかと思った時に学生達がやって来てアウト。やはり透明の湯である事と人が多い事が女性の入浴を困難にさせている。バスタオルも水着も着用禁となっている事もあって、日帰り入浴では女性は誰も入っていなかったと思う。
以前宿泊した際は、夜中を狙って法師の湯へ行ってみたものだったが、それでも人が大勢いた。今は女性専用時間が20時~22時に設けられている。
女性用の長寿の湯は15時~20時が男性用となり、玉城の湯は宿泊者限定で20時~7時が男性用になっていた。平日で空きがあれば1人宿泊でも可能。2021年3月2~4日は女性限定の宿泊日となっていると言うのが興味深い。
女性専用の長寿の湯は小さめの木風呂だが、隅の方一画に水泡が湧き上がっている足元湧出泉である。湯底は楕円形の石が重なり、木風呂、木の床板、木の梁の天井が高く、小さいながらさすがに雰囲気の良い浴室。湯は熱くなくゆっくり浸かれた。
別棟の玉城の湯は足元湧出では無いので、やはりこの長寿の湯と法師の湯が良い。
法師の湯は総木造ながら、窓がアーチ型をしており、丸太で仕切られた幾つもの湯船が連なっており、なかなかこの雰囲気の浴室は無い。湯加減が違うのでそれぞれ好みの湯に浸かれるのがいい。
初めてこの浴室を見た時は、ほの暗かったせいなのかもっと広く感じたものだったが、今回は案外小さく感じた。しかしやはり雰囲気抜群の法師の湯にはもう一度入ってみたいと思った。
法師温泉の敷地は広く散策もできる。どの建物も素晴らしく味わい深い。
遠く行きにくい場所にあるように思っていたが、群馬の後閑駅からは湯宿~川古~法師とライン上に並んでいる。土地勘が無くその事に気づかず宿泊を逃したが、路線バスと村営バスを乗り継ぐと公共機関でも行く事ができ、青春18切符を利用し、当日大阪まで帰る事もできるのでいつか宿泊してみたいと思った。gotoトラベル対象宿。
アクセス例:JR後閑駅から路線バスで猿ヶ京まで。水上町営バスで法師温泉(日帰り入浴時間中に乗り継ぎができるのは、行き午前10時便と戻り午後3時便のみ。宿泊は午後の2便のみとなっているので要注意)
Dec 9, 2019
いい湯だな!
日帰りでの入浴で入りました!
長寿館は知る人ぞ知る温泉ですよね!
テルマエで舞台になってまた有名になった感じかな?
もちろん、お湯の良さは本物ですね!
自然と長く入ってられる温泉って印象!でも
決してぬるいわけでは、ないんだよね!不思議!
真ん中にある木の棒は固定されてると思ったら
置いてあるだけで、動いた時は壊したと思って
とっても驚いたよ!!
ちょっと山奥だけど、行く価値あるね!
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いい湯だな!
日帰りでの入浴で入りました!
長寿館は知る人ぞ知る温泉ですよね!
テルマエで舞台になってまた有名になった感じかな?
もちろん、お湯の良さは本物ですね!
自然と長く入ってられる温泉って印象!でも
決してぬるいわけでは、ないんだよね!不思議!
真ん中にある木の棒は固定されてると思ったら
置いてあるだけで、動いた時は壊したと思って
とっても驚いたよ!!
ちょっと山奥だけど、行く価値あるね!
妻と2人で1泊しました。
まず宿の佇まいが風情があって好きです。
建物は古さを感じさせつつ綺麗に手入れされていて居心地が良い。
お部屋は建物の間を流れる川を見下ろすことが出来る。深緑と建物が非常にマッチしています
お風呂は噂通りに素晴らしい。
混浴は女性にはハードル高いですが、人の少ない時間を狙って混浴しました。
館内にある昔のポスターのように、やはり夫婦でお風呂に入らなきゃね^ ^
国鉄フルムーンのポスターで知った大正ロマンの湯
到着すると涼風がそよぎ、空気が違った。赤いポストがトレードマークの玄関口や、苔むした屋根、木造の渡り廊下の手延べ板硝子、ラムネを冷やした樽に赤い暖簾の看板が揺れ、どこをとっても趣がある。大正ロマンの湯と共に、法師温泉はやっぱり素敵だ。
今回は日帰りで訪れ、混浴の法師の湯へ入れる時間を待ったが、かなわなかった。日帰り入浴は11時~13時半受付(14時退場)終了の15分程前位になるとやっと空き出し、入れるかと思った時に学生達がやって来てアウト。やはり透明の湯である事と人が多い事が女性の入浴を困難にさせている。バスタオルも水着も着用禁となっている事もあって、日帰り入浴では女性は誰も入っていなかったと思う。
以前宿泊した際は、夜中を狙って法師の湯へ行ってみたものだったが、それでも人が大勢いた。今は女性専用時間が20時~22時に設けられている。
女性用の長寿の湯は15時~20時が男性用となり、玉城の湯は宿泊者限定で20時~7時が男性用になっていた。平日で空きがあれば1人宿泊でも可能。2021年3月2~4日は女性限定の宿泊日となっていると言うのが興味深い。
女性専用の長寿の湯は小さめの木風呂だが、隅の方一画に水泡が湧き上がっている足元湧出泉である。湯底は楕円形の石が重なり、木風呂、木の床板、木の梁の天井が高く、小さいながらさすがに雰囲気の良い浴室。湯は熱くなくゆっくり浸かれた。
別棟の玉城の湯は足元湧出では無いので、やはりこの長寿の湯と法師の湯が良い。
法師の湯は総木造ながら、窓がアーチ型をしており、丸太で仕切られた幾つもの湯船が連なっており、なかなかこの雰囲気の浴室は無い。湯加減が違うのでそれぞれ好みの湯に浸かれるのがいい。
初めてこの浴室を見た時は、ほの暗かったせいなのかもっと広く感じたものだったが、今回は案外小さく感じた。しかしやはり雰囲気抜群の法師の湯にはもう一度入ってみたいと思った。
法師温泉の敷地は広く散策もできる。どの建物も素晴らしく味わい深い。
遠く行きにくい場所にあるように思っていたが、群馬の後閑駅からは湯宿~川古~法師とライン上に並んでいる。土地勘が無くその事に気づかず宿泊を逃したが、路線バスと村営バスを乗り継ぐと公共機関でも行く事ができ、青春18切符を利用し、当日大阪まで帰る事もできるのでいつか宿泊してみたいと思った。gotoトラベル対象宿。
アクセス例:JR後閑駅から路線バスで猿ヶ京まで。水上町営バスで法師温泉(日帰り入浴時間中に乗り継ぎができるのは、行き午前10時便と戻り午後3時便のみ。宿泊は午後の2便のみとなっているので要注意)
日帰り客のマナーが悪い
日帰り入浴でワイフと訪れました。しょっちゅう混浴に入っているワイフですが、ここは「無理」の一言。女性の脱衣所から中をのぞいただけで男たちの視線が集中したそうです。入って理解。みんな脱衣所の方を向いてる。私は背を向けていたので逆に入浴客の視線の動きが見えました。女性の脱衣所から足音が聞こえただけで視線はそちらに集中。中には女性の脱衣所をじーと見ている人たちまでいる始末。お湯は素晴らしいだけに、女性はバスタオル可にするとか、対応があっても良いのではと思いました。
情緒のある伝統的温泉宿
群馬県みなかみ町、利根川の上流にあたる法師の沢の谷間にある一軒宿、法師温泉長寿館に宿泊しました。こちらは創業140年の老舗旅館で建屋の一部が国登録有形文化財に指定されています。
湯殿は明治時代に建てられた混浴(女性専用時間あり)の「法師の湯」、「長寿の湯」、内湯と露天風呂からなる「玉城の湯」の3か所の構成です。法師の湯と長寿の湯がカルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉で42℃の源泉が足元から湧出、加水・循環なしでかけ流されています。玉城の湯は28℃の単純温泉を加温・循環で給湯しています。
長寿館の看板ともいえる法師の湯は100年を超す歴史ある湯殿で鹿鳴館風の木造の大浴場です。脱衣所は男女別ですが浴室に入ると完全混浴。四角形の浴槽が4つ「田の字」様に並んでいます。それをぐるりと囲む木壁と明り取りの窓、吹き抜けの高い天井と梁、昔の名残をとどめる左右の脱衣棚など流石の風格で、はじめは息をのみました。
カラン・シャワーはなく、桶でかけ湯をします。泉温は浴槽によって若干違うようで、奥がややぬるめの39℃程。無色透明・無臭でややとろみを感じます。浴槽内には丸石が敷き詰められておりそこから源泉が湧き、時折プクプクと揚ってくる泡を感じながら湯殿の風情や窓の外の緑をぼんやり眺める湯あみは極上でした。こちら、夜の20時から22時の間のみ女性専用時間となります。
玉城の湯は洗い場、内湯、露天風呂の構成。総檜づくりで広々として造作も凝っており、なかなか趣があります。28℃の単純泉の低温源泉を加温・循環で供しています。浴槽温度は内湯が42℃ほど、露天は41℃程度に感じました。ぬる湯好きの私としては少々熱かったです。男女入れ替え制です。
長寿の湯は新しい小ぢんまりとした湯殿で5-6人サイズの湯船、シャワー・洗い場を備えます。法師の湯と同様の泉質で泉温は41℃ほど。総ヒバ造りで明るく清潔です。男女入れ替え制。
私は一通り浸かりましたが雰囲気、温度からしても「法師の湯」一択だと思いました。伝統ある混浴はリスペクトしますが、抵抗のある方もいるかもしれません。素晴らしいお風呂を十分に楽しめないのは本末転倒なので、例えば法師の湯の真ん中に簡易的な衝立でも立てて男女別にするのもありなのではと思いました。
通された部屋は新しい法隆殿で8畳+4.5畳、トイレ付。窓からは癒しの緑と趣ある湯殿の屋根が見えました。食事は山のものを主とした構成を部屋食でいただき、質・量ともに十分満足でした。非日常を堪能できる宿でした。