息を呑むほど美しい神秘のグリーンに出会える屈指の名湯
- 公開日
- 2014/07/08
- 最終更新日
- 2019/11/28
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管理人総合評価
4.2
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★★★2019年7月現在、自炊館は災害と老朽化の為閉館となり、旅館部のみの営業となっています。また以前行っていた送迎についても人手不足のため現在は行っていないそうです★★★
国見峠を見下ろす高台にある国見温泉は標高860m、周りはブナ林などの広葉樹林に囲まれ、秘湯度は高い。
国見温泉は江戸時代より栄え、濃度が非常に高く胃腸によく効く事で有名。この事より「緑の薬湯」と呼ばれている。
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国見温泉 石塚旅館 前の道
国見温泉へは3件の温泉があり、ここ「石塚旅館」、「森山荘」、「国見荘」がある。
石塚旅館へは2回目の宿泊。
何度でも宿泊したいほど気に入っている旅館だ。
舗装された道を山の上へ上へと登っていくと国見温泉街がある。
3件ある中でちょうど真ん中にあるのが石塚旅館だ。
旅館の外観は山荘風の木造。本館は相当にくたびれているが、新館は新しく今風の綺麗な建物。この他、湯治用の部屋もあるらしい。
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旅館入口
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旅館内売店
駐車場はある程度広く20台~30台ほど停めることができる。
入り口へ入ると人の良さそうなおじいちゃんとおばあちゃんが笑顔で出迎えてくれた。
フロント前には売店があり、お酒はここで売っている。
ただ、夜20時までなのでご注意を。
本館 1泊8000円 (2名一部屋) 6畳 トイレなし
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宿泊した部屋
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部屋のベランダ
前回は新館へ宿泊したが、せっかく秘湯へ来たというのに味がないと感じたため今回は本館の部屋へ宿泊に決めた。
部屋は格子状の引き戸とその奥へ扉があり、開くと6畳の和室がある。
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本館の廊下
何の変哲もない古い部屋だが、ベランダも付いていて開けると前に山が広がってなかなかの開放感だ。
今の時期ならではだと思うが窓を全開にして湯上りビールは最高なひと時だった。(夏は虫がいっぱいで冬は寒いし)
トイレは部屋から出て廊下を挟んだ目の前にあり、洋式と和式の2つ、部屋になくてもまったく不便ではない。
暖房は灯油のものでそこも新館との違いだ。(新館は電気の暖房)
私の好みとしては断然こっちの本館がお気に入り。やはりせっかく旅行に来たらその宿の色や味を求めたい・・と思うからだろう。
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茶菓子とポット
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お茶セット
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灯油ストーブ
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100円式テレビ
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浴衣・小タオル
新館 1泊8000円 (2名一室)6畳+洗面所+トイレ
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宿泊した部屋
![]() 洗面所 |
しかしせっかく山奥の秘湯へ来て、ピカピカの廊下に新しそうな壁紙、誰かのお家の一室かと思うようなこの部屋より、不便でも古い情緒のある本館の方を私は選んでしまう。 |
綺麗好きな方はこちらを選んだ方が無難だとは思うが、、私は綺麗好きじゃないらしい。この部屋には大きな窓が付いていたが、宿泊した時は霧で何も見えず、窓を開けようにも窓には虫の大群が張り付いていて開ける事ができなかった。
洗面所がある分、少し本館の部屋より狭いような気もする。
置いてあるもので、本館との違いは暖房ぐらい。こちらの暖房は電気だった。
【夕食】
昔ながらの「なんとか食堂」と名がついていそうな、端ではテレビが鳴り、皆で一つのテレビを見つつザワザワとした空間での食事。
食事内容はというと、これといって感激するような品はないが、全体的においしくいただいた。
特にこの時出たイカはツルッとしなかなか美味。たしか前回宿泊した時はホタテの刺身がおいしいな、と思ったような気がする。その時によって刺身メニューは入れ替わるようだ。
野菜とお肉の炒め物は焼肉のたれにつけて食べる。
魚が冷めていたのはちょっと残念に思った。
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露天風呂の湯小屋
メインの露天風呂は建物から出て、少し歩いた場所に年期の入った屋根付脱衣所と共にある。
左の写真は去年のものだが、通常このように霧がかった状態が多いらしい。
周辺が霧でモヤモヤした幻想的な雰囲気の中で湯浴みもいいが、晴れ渡った清清しい青空の下で湯浴みも格別なものだ。
地元の方へ聞くとほとんどが霧がかった日々で、晴れ渡るのは年に何回か・・と言う事。「日ごろの行いがいいのねぇ」などと言われ、フムフムと頷いた。
良温泉口に苦し 自然の神秘を感じる緑の薬湯
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露天風呂 混浴
国見温泉といったら温泉の色。ライムのような緑色のお湯は濃厚で口へ含むと吐き気がするほど苦い。久しぶりに訪れ、苦味のほどを試そうと思いっきり口へ含んだが飲み込んだ後せきが止まらなかった。コンクリートで四角く造られた湯船の下には泥とも思える湯の花が沈殿し、足でさわるとフニャフニャしていて気持ちがいい。緑の湯だというのに湯の花が白いのはなんとなく不思議だ。売店で売っている湯ノ花は多少緑がかっているように見えた。
入った感じで酸が強いかと思われたが意外にもP.Hは7.1と中性、タイヤのような油のような臭いがし、この臭いがまた成分の濃さを感じさせる。
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湯量はそこそこ
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廃湯で緑色の川ができている
湯量はそこそこで、空気の冷たさからかぬるすぎるほどの湯温。
この時期は、というかこの湯では内湯のようなもう少々熱い湯が私的には好きかも。
湯船から流れる廃湯も緑色で緑色の綺麗な川ができていた。
真新しい木の香りいっぱいの大浴場
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大浴場 女性用
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ドド~ッと湯口から流れる源泉
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綺麗な脱衣所
【新設された大浴場】
去年来た時、新しく内湯を作っていると聞いていたが、まさか以前の大浴場をなくして新しくなっているとは思わなかったので大分がっかりしてしまった。
湯船は相当に大きく、30人ほど入れそうなほど。
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大浴場 男性用
今までシャワーは小浴場へ1つあるだけ、つまり宿に2つという不便さだったが、今回新設された大浴場には5つと石鹸が備え付けられていた。
シャンプー、リンスが置いていないのはあいかわらずだが、そういったものを求めるところではないのにシャワーが付いただけでもありがたく思おう。
女性用の湯船は四角いもので、男性用の湯船は半円形。
両方見せていただいたが、私の好みで言うと女性用の方が好きなタイプだ。
湯の温度はこの大浴場が最も適温。湯量も湯船が大きいだけに多く投入され、熱め~ぬるめまで湯船の端から端へ移動する事で選んで入浴する事ができる。
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小浴場 女性用(男性用もほぼ同じ作り
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小浴場 露天風呂 女性用
【小浴場】
内湯は男女共にほぼ同じ造りだが、メインの露天風呂が混浴の為、こちらに女性用の露天風呂が付いている。
私は何も気にせずに入れる事と湯温が高い事から混浴より女性用の露天風呂がお気に入り。
内湯は湯船が小さいのに源泉がドバドバと注がれているので足を入れただけで飛び上がるほど熱い。
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小浴場の湯面には成分の塊が
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今はなくなってしまった大浴場
小浴場の内湯だけではなく全ての湯の表面には少し誰も入らないだけで成分の塊が浮く。
これをかき分けて入るのもまた楽しい。
写真の湯船は以前あった大浴場。
造りはこの微妙な形といい、木の色といい最高の内湯だっただけに残念に思う。
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朝ごはん
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コーヒーの機械 1杯200円
【朝ごはん】
しゃけや卵の素朴な朝ごはん。特においしかったのは納豆だった。
以前からあったコーヒーの機械。場所を移動してフロント前になっていた。
料金は200円。朝コーヒーを飲まずにいられない私にはあるだけでありがたい。
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日帰り用ロッカー(無料)
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硫化鉄で真っ黒になった私の手
ロビーには日帰り用に無料のロッカーが用意されている。
写真は乳頭温泉 妙の湯と石塚旅館(ここ)へ続けて入浴し、硫化鉄によって真っ黒に変色した私の手。
聞いてはいたものの、自分が体験したのは初めてで感動してしまった。

夜の露天風呂 ボンヤリライトが美しい
【夜の露天風呂】
電気は裸電球一つで緑色の湯と木造の脱衣所がボヤッと浮き上がる。
昼入るより夜はさらに静けさを感じ、山の温泉へ来ている事を実感した。
国見温泉は私の一番のお気に入りの温泉。
毎年訪れようと思っている。
国見温泉は駒ケ岳、千沼ヶ原への登山者も多く、疲れた足を癒している方も。
千沼ヶ原は国立公園最大の湿原で900ほどの池があり、3時間の散策コースもある。
成分が濃いのか・・湯あたりしました
露天風呂は、外気温の関係もあったのか適温で気持ちよく入れました。
緑色のお湯は「熊ノ湯」月岡温泉」についで3湯目でしたが色合いはここの露天風呂が一番きれいに感じました。
露天は混浴でしたが誰も来られず独占でゆっくりさせてもらいました。
匂いも最初だけで後はあまり感じず青空とみどりの湯の中でのんびり・・
内湯は温度もそこそこ有り、湯あたり気味になってしまいました。地元の方に伺うとここは湯が強いから気をつけなさいと注意されましたが・・・・オソイヨ!
高標高のロッジ風の宿で空気とともに楽しむ湯
小高い山の中腹にあるロッジ風の温泉宿。
高標高で開放感のあるカラッとした爽やかな空気の中で、透き通った奇麗な湯が楽しめた。
硫黄泉が多い地域にあって、異色の泉質。オイリーな香りときれいな色の湯が開放感のある空気の中でものすごく心地よかった。