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マニアに人気のアワアワ極上湯を持つ渋~い温泉
- 所在地
- 青森県西津軽郡森田村森田字月見野110-2
- 最安値
- 宿泊不可
- クチコミ 素晴らしいの一言。私的には津軽1位、青森でもベスト3には入ると思う温泉である。
70年程前に始めたと言う日帰り温泉施設はとにかくレトロ。「私が嫁いで来てからだから」と96歳になる女将さんが話してくれる。
「こんな古い建物。もういつ辞めるか・・」子供さんや孫さんもこの温泉を継ぐ気はないと言われるそうだ。
廊下の壁いっぱいに女将さん手作りのキルトの小物が、埃をたっぷりかぶって飾られているが、この温泉にはそれらの物さえも似合っている。硝子扉に書かれた森田温泉の文字。手書きの看板。
建物周りには花が植えられ、洗濯物も干されているので、その雰囲気からもしかして泊まりもできるのかも?昔はできたのかも?と尋ねてみたが、初めから日帰り温泉施設としての営業だけだそうだ。しかも12時スタートで20時迄。休み無し。料金は300円。
女将さんと話していても、地元の方達が温泉ついでに買物を届けたり、差し入れを持って来たりで、女将さんは人気ものだ。津軽弁が飛び交いほのぼのとさせられる。
「何処から来たの?」と聞かれたので大阪と言ったら「そんな遠い所から」と言って、貰ったリンゴを1つもって来てくれたのだった。人情と風情の小さな極上湯が、ローカル線の田舎町に在った。
浴室に入った途端オーッ!と感嘆する。久々に本格的なレトロタイル風呂に出会った。
温泉成分で変色したタイル張りの床に、壁の黒タイル。温泉が黒く、浴室は暗めで寂た感じがする。
しかし、長方形の浴槽には、パイプ先からボコボコと音をたてて温泉が湧出し、白く泡立ち広がっている。湯船の中はコーヒー色の湯が満ち、溢れ続ける温泉は、床の一部をコーヒー色に染めている。
源泉温度48℃と言う温泉は四季を通じて入れる温度であり、ナトリウム泉で溶存物質が5000mg以上で良く温まるけれど、炭酸水素泉でもあるため浴感や湯上りが、とても軽やかである。
黒くてツルツル、そしてドンドコ吹き上がりながら自然湧出する温泉は、気持ち良い以上の何物でもない。
こんな温泉に毎日入っていたら病気も治るのではと思わせる様な温泉である。
浸かって居ると直ぐに温まって来る。でも上がりたくない。そんな温泉なのだ。
一度は脱衣室に出たのであった、だがまた入りたくなる。ふと見ると誰も居ない。
そうだトドろう。溢れ出る温泉の湯船に沿い、しばしトド寝を決め込んだ。
青森、こと津軽地方にはマイナー乍ら良泉がいっぱいあるが、このサイトに挙げられているように、廃業の温泉が大変に多い地域でもある。この森田温泉も後継者がいない限り、いつまで入れるか解らない温泉の1つ、というかタイムリミットが迫ってきている温泉でもあったという事を、今回訪れてみて知った。
皆様には、是非是非この素晴らしい温泉が在る間に一度訪れてみて頂きたいし、この温泉の風情を目に焼き付けておいて頂きたいとも思う次第です。
アクセス例:JR陸奥森田駅より徒歩2分。
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