秘湯感たっぷりでレトロな浴室で楽しむフワフワ湯
- 公開日
- 2015/03/10
- 最終更新日
- 2019/10/13
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管理人総合評価
3.8
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ユーザーの評価(2件)
3.4
栃尾又温泉は豊富なラジウムを含む温泉として有名な秘湯を守る会のお宿。
ラジウムを含むというと癌に効くと思われがちだが、女将さんが言うにはこちらの温泉は癌には効かないんだとか。
ラジウム温泉も千差万別である。
左写真のような湯治棟の外観ばかりが取り上げられ、素朴なお宿をイメージする方も多いだろう。私もその一人で訪れてイメージとの違いに少し驚いた。
本館は小奇麗な女性受けしそうな雰囲気で、接客も意識が高く立派な旅館だった。
旅館は大きく、一般の旅館の他に湯治用の建物がある。
私の好みから言うと湯治用の方が好きなのだが、今回は知らずに旅館の方へ予約。
入り口からは大きな秘湯を守る会のチョウチンが下がっているのが見える。
中へと通されるとまずコーヒーを囲炉裏でいただける。囲炉裏には火がくべられ、全体的に木で囲まれたロビーは暖かみがある。
ロビーの脇にはおかわり自由(ありがたい!)、外来者は1杯200円のコーヒーが用意され、その日によって様々なこだわりのコーヒーが置かれている。
その横にはある栃尾又温泉のラジウム温泉水も自由に飲む事ができる。なかなかサービスにこだわりを持った旅館だと、来て早々に感じた。
1泊2食付 土曜日泊8畳+1.5畳 トイレ・洗面所付 11280円(本当は13380円)
私たちが宿泊した日は土曜日、だというのに運が良いのかお客さんが少なく、一番安い部屋をお願いしていたのだが「今日はお客さんが少ないので良いお部屋に変えておきました」とトイレ付きの良い部屋へ案内していただいた。
夕食は個室でいただく。私たちは予約の際、+2000円のステーキと山菜の天ぷらを追加メニューでお願いしておいた。
次々と運ばれる食事はとてもおいしく、丁寧に作られたもので満足の料理だった。
最も気に入ったのはお鍋。味付けが上品で変に濃くなく、ダシの味が良く出ていてボリュームも満点。
一つ言うと追加メニューの2品はまぁまぁ・・。
お肉もそこそこの味で山菜の天ぷらもちょっと油っぽい。
追加なしで十分大満足できると思われる。
貸切露天風呂と貸切内湯
旅館内の温泉は夜10:00までは全て予約制の貸切で、広い浴室を思う存分満喫できる。
ただ、なんとなく入りたくなった時に入れないのはやや不満。
露天風呂と内湯、どちらが良かったかというと断然内湯の湯が良い。
露天風呂は源泉は入れられているものの、循環塩素入り。景観は良く冷たい風は気持ちいいのだが・・・。
寒い時期限定で循環加熱されているのだとか、残念。。
内湯は加熱掛け流し。塩素は感じられなく良い湯だった。
朝ごはんは窓が大きく明るい食事何処で、身体に良さそうな料理の数々が並べられた半バイキング形式。ある程度の料理はテーブルに並べられており、その他サラダや納豆などと飲み物を取りに行く。朝からかなり豪華なメニューだった。
自在館と繋がっている共同湯、「下の湯」と「上の湯」
時間で男女入替えになり、今回両方入る事はできなかったが、評判の良い下の湯の方へ入ることができた。
後で温仙人に上の湯の感想を聞いてみたところ、健康ランドみたいにタイルで新しくてイマイチ・・お湯は良かったけど。という感想。という事でお勧めは断然下の湯である。
レトロな浴室 包み込まれる柔らかいフワフワ湯
湯船は加熱された水と源泉そのまま掛け流されたものと二つある。
入ると源泉37度の為、多少冷たさを感じるが時間が経つにつれて身体がぽかぽかとしてきてとても気持ちが良い。
泡付きもあり、身体がフワフワと浮くようなやさしい湯。
何時間でも入っていたい温泉で大変気に入った。
脱衣所から出たところには、外を眺めながら座れる休憩所がある。この時期、下から上まで雪で覆われて何も見えないが、春などはきっと綺麗な緑が見れるのだろう。
飲泉所もあったが、今は使われていないようだった。
今回はスノーボードがてら比較的アクセスの良い自在館へ宿泊をしたが、とっても気に入った宿の一つとなった。
来年の冬にもぜひ訪れたい宿だ。
≪自在館の良いところ≫
食事、接客、宿の雰囲気がとても良い。落ち着く雰囲気があり、とても居心地の良い館内には好感がもてた。何より良かったのは共同湯「下の湯」だが、ゆっくり入れなかったのは残念。次回は超長湯をしたいと思う。
≪自在館の良くなかったところ≫
良くなかったところと言うほどのものではないかもしれないが、食事の追加メニューはイマイチ。天ぷらが油っぽかったのは残念だった。その他は寒い時期だけにしろ露天風呂が循環・塩素入りというところが残念。
3軒共同利用の温泉
3軒の宿で共同利用している温泉というのも珍しい。栃尾又温泉というのは昔からそういう温泉だそうで、自在館・宝厳堂・神風館の3軒の宿で、下湯と上の湯と奥の湯を共同利用している。
自在館にはこの3つの温泉以外に、貸切利用できる内湯と露天風呂があり、以前日帰り入浴で訪れた際に利用しており、今回は以前入れなかった下の湯に入りたくて訪れた。
男女日替わりで3つの浴場をくるくると回しているそうで、訪れた日は丁度下の湯に入れる日だったので、直行した。
源泉はどの湯船も同じだが、源泉に一番近い下の湯は地下にあり、階段をどんどん降りて行かねばならない。そのため高齢の方や足の悪い方のために、1階に奥の湯を造ったそうだ。
湯舟は岩風呂で、リフォームしてから10年程であり浴槽内のタイルも新しい物だったが、浴室内の雰囲気は落ち着いており、やや草色っぽく見える湯の色と共に渋さが感じられ、窓からは雪景色も見え暗くはない浴室だった。
源泉の湯船と加温された湯舟が並んでいるが、何処の浴場でも大きい浴槽が源泉湯舟である。
湯舟の底には穴の開いたパイプが連なり、穴からは温かい温泉が出ているため、足先はその部分に乗せながら、じっくりと37℃の源泉に浸かると、身体にはポツッと泡が付いていた。
真冬でも寒いという程のことは無かったが、加温槽との交互浴は必須で、というか加温槽にだけ浸かっていても良いくらいだったけれど。
しかし、このラジウム温泉というのはどうも・・香りも浴感も何も無いので、どうしてもつまらなく思ってしまう。
ラジウム泉は良く温まるのだが、冬であり冷泉であるので暑くなるほどの事は全くなく、湯上りはほのかに温かいという感じかなあ。
実感したのは上がった後、肌がスベスベになっていたという事だけだった。
次に行った奥の湯は、湯の色が全体にブルー系に見えとても美しい。
こちらの湯船では本を読んだり、瞑想されている方も多かった。皆、静かで誰一人お喋りする人はいない。
こちらの浴室にはシャワーやソープ類が設けられている。
奥の湯と下の湯には、寝湯の湯船が源泉と加温槽の間に造られているので、それぞれお気に入りの湯船にじっくりと静かに浸かられていた。
翌朝日替わりで入った下の湯は、タイル風呂で造られてから30年程経つそうである。
紺色系のタイルで造られた浴槽で、こちらも奥の湯と同様3つの湯船が連なる。
岩風呂の下の湯・奥の湯とはちょっと雰囲気が変わるが、こちらの浴室も広いため、それぞれがお気に入りの湯温の湯船で、ゆっくり浸かっていられるのが良い。
37℃源泉は、夏に訪れた時と冬に訪れた時では感じ方が違い、真冬では寒いかと思ったがそういったことは無く、人も少なめなのでゆっくり浸かれたので良かったかと思う。
アクセス例・JR小出駅より路線バス栃尾又温泉行で終点下車、直ぐ。
栃尾又 自在館の愉しみ
栃尾又温泉 自在館(宿泊)
◆昨年に引き続き、大正館に宿泊した。
ここは、湯治客用の古い建屋で、
鍵なし、トイレなしの、ふすま・障子戸の部屋だが、
掃除が行き届いており、Wi-Fiもばっちり入る。
8畳和室二間をたっぷりと使える。
ただし、客室内の音は廊下や隣室に筒抜けで、
走り回る子供のいる家族連れや、
大音量のテレビをつけっぱなしにする高齢者が
隣にいたりすると、かなり厳しいことになる。
◆あらかじめ今回は、宿のHPで予約した時に、
麩の料理は酢のアレルギーで食べられない
と伝えておいた。前回、難儀したのだ。
あの、麩の黒酢味のソテーは、
残した人がたくさんいたっけ。
自在館の名物料理なんだそうだけどね。
酢がきつすぎて、胃が痛くなってしまった。
◆風呂は初日がうえ・した、2日目が奥の湯が男湯だった。
35℃の不惑の湯は誠にすばらしい。
お客が皆様、沈思黙考で入浴しているのも素晴らしい。
ぬるいお湯でよくありがちな、
長時間に渡って退屈しのぎのおしゃべりを大声で続ける
という入浴客が、ここにはいない。
また、浴槽内をジャンプしながら移動して、
不快な波を立てる子供もいない。それが来るのは、
来週からという、夏休みの直前週の平日訪問であった。
◆食事は食堂で摂るのだが、
ここは飲料の持ち込みが自由なのだ。
やはりここは連泊して、
朝からお気に入りの日本酒を満喫したいところだ。
名物の大力納豆の越後産大粒大豆・栃尾又温泉水仕込みに、
温泉卵の黄身だけ加えて、
お粥のコーナーに置いてある藻塩と梅干の種抜きを和えて
持ち込みの酒のアテにする。朝から4合瓶が空いちゃうね。
そのあとは、お気が済むまで不惑浴。
よだれが出てくる。
次回は連泊だ。
了
追記
したの湯が風情抜群なのだが、
天井の換気扇の音がとても大きい。
気になる人は、
浴槽入り口の更衣室壁側にある換気扇スイッチを
OFFにすると、
浴槽に注がれ出で行くお湯の音しか聞こえない
という静粛に包まれる。
これも自在館のひそかな愉しみなのだ。
夏期は蝉の鳴き声がかしましいけどね。
注意事項は、入浴終了時には、
換気扇スイッチをONに戻すのを忘れないこと。
自己責任で原状復帰をしましょう。