箱庭的露天風呂がたまらない、ヌルヌルの美肌湯の温泉
- 公開日
- 2018/12/28
- 最終更新日
- 2019/09/08
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管理人総合評価
4
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ユーザーの評価(1件)
3.7
素朴な温泉街、上戸倉温泉にある歴史のあるお宿亀清旅館。
外国人の若旦那さんががんばっている素敵な佇まいのお宿。
現在の建物は先代の女将さんが昭和30年に受け継いだ際に建て替えたものらしいが、今でも新しく立派に見える。
建物の中も風情があり、天井は高く、オシャレな電気がたくさん吊り下がっている。こちらの旅館は宿としては昭和30年からの創業となるが、その前は料理屋で大正時代よりの歴史があるという。
大正時代の建物を移築したものが、中庭の奥へ今も残っている。
到着した時はどうやらロビーで女将さんの友人達が集まっていたようでお茶会のような雰囲気で声をかけるのをためらってしまった。
温泉へ続く通路は中庭にある池の周辺に色とりどりの木々、紅葉やかえでなどが植えられた庭園を眺める事ができ、歩いていて気持ちがいい。ただ、その庭園を過ぎたあたりから通路が電気がついていなく真っ暗で、温泉の入口がどこにあるか探してしまった。
13時~15時までの日帰り入浴時間だという事だけど、あまり時間がなかったので少し早めに入れないか聞いてみたところ、早めでもいいけど温泉がたまってないかも。。ということ。一応12時半にお邪魔したところ、やはりまだたまってはいなかったけど入れそうだったのでそのまま入らせていただくことにした。
色とりどりの紅葉がみごと! 薄く緑がかったヌルヌルの美肌湯
誰もいないし男女どちらでも好きな方を貸し切りで使っていいよ~と言ってくださり、どちらものぞいてみて、男性用の方には若旦那さんが造った庭園露天風呂があったので迷わず男性用の方へ。
この露天風呂、本当にすばらしく、庭園というより本当の自然の中で入浴しているかのような気になってくる。
湯は少し緑がかった色をしており、硫黄の香りがぷーんと香る。飲むとうすい卵味。浴感はやわらかく、肌をさわるとヌルンヌルン。これは美肌の湯だ~なんて言いながらなんども腕をさわってしまう。
灰色の細かい湯の花が舞っていた。
露天風呂から内湯へ移動。
内湯の源泉投入量はかなり多く、30L/分ぐらい投入されていてとても新鮮。新鮮すぎるせいか、露天風呂にあった湯の花は内湯にはなかった。
洗い場は広くアメニティも揃っている。
脱衣所も清潔感があって綺麗。
今回は男性用の広々とした浴室を貸切で利用させてもらったけど、次回のために女性用も拝見。
女性用浴室 内湯/露天風呂
女性用の浴室は男性用と比べるとずいぶんとこじんまりしている。亀清旅館のお客さんはどちらかというと男性客が多いのかな?
浴槽は小さめだけど、源泉の投入量は多いので男性用よりも鮮度は良さそう。
女性用の露天風呂も、男性用に比べずいぶんと開放感がなくまるで内湯みたい。
もう少し開放感があってもいいのではないかな~と思う露天風呂。
貸切露天風呂 (宿泊者専用)
貸切露天風呂も見せていただいた。
木の色がまだ新しく明るい。
緑がかった湯がとても綺麗で入ってみたくなってしまう。
湯上がりに飲めるように冷水が用意されていた。
ロビーで女将さんと立ち話をしていると奥から、長身でスラッとした外国人の若旦那さんが出てきて、それまで知らなかったので「え?外国の方?」と驚いてしまった。
こういった温泉旅館で、外国の方が若旦那さんをされているというのは初めて。
若旦那さんの案で露天風呂や貸切風呂を作られたそうなので、へたな日本人(私のような!?(笑))より和風のセンスがある方だな~と思った。
あんまりお話できなくて残念でした。
硫黄の香りとヌルヌルがたまらない
身長2メートルの外人の若旦那が、寒いのに玄関外で到着を待って下さっていたようだった。
送迎や案内など接客全般も担当されているようで、流ちょうな日本語で色々お話して下さる。廊下に貼ってあった、千曲市の観光ポスターのモデルとしても登場されていた。
「小さな宿へようこそ」と挨拶されたが、私にとっては部屋は広く、後で行った浴場も予想以上に大きかった。
古民家風の館内は割とオシャレで、所々目に付く英字の看板がアクセントになっている。
宿の方皆さんの接客も感じ良い。
戸倉上山田温泉は、ph8.6のアルカリ性単純硫黄泉という大変嬉しい泉質で、ヌルヌルでありながら硫黄の香りを持つと言う貴重な温泉である。このお宿の温泉の色は深緑っぽかった。
100年前に発掘されており、温泉郷として何本もの共同源泉を持ち、亀清のお宿はそのうちの9本の源泉をブレンドした温泉を使用されているそうだ。
浴場は2つで、午後9時に入れ替わる。他に貸し切り風呂が1つあり、湯船は全部で6つある。
到着後に入った女性用浴室には、細長い何と言う事は無い内湯と、外には四角い小さな木造りの湯船と、陶器の湯船があった。
2つの露天風呂共に初め見た時、源泉の投入量も少ないため、まだ湯が溜まり切っていないのかと思ったが、浸かってみたら湯底排水である事が解った。ザザザザーと溢れだし無く、排水の音が聞こえる。
とても気に入ったのが陶器風呂で、通常この様な樽風呂は丸く小さい事が多く、脚を縮こませて浸からなければならない物が多いが、この陶器風呂は楕円形で、頭を縁に乗せ脚をゆっくり伸ばせられる。それがとても気持ち良いのだった。これはなかなか上がれない。
若旦那が信楽まで行って、自分が直接試してみて選んだ湯船だそうだ。う~んグーである。
ヌルヌルの湯は、微妙にベールの様な泡付きがあり、硫黄の香りと共にたまらなく心地良い。
入れ替わりで入った男性用浴場の内湯は、女性用と比べかなり大きかった。それだけに源泉の投入量も一番多く、この浴槽は湯面排水。装飾のタイルでは無く、石壁が斬新だった。
そして、若旦那の手造りの露天風呂は、このサイトの写真から想像していた以上に大き目の岩風呂だった。38℃位のぬる湯で、もたれていると眠りそうになる様な気持ち良さ。
中でも、朝に入った貸し切り露天風呂が、一番硫黄の香りが強く感じられ気に入ったのだが、源泉はどれも同じだそうなので、その時のタイミングや感じ方によるものなのかも知れない。45分毎で時間予約が必要だが宿泊すると無料で入れた。
どの湯船にも亀の置物が源泉投入口に飾られており、亀清と言うお宿名だけでなく、温泉街には他にも亀の名のものが多いため問うてみたら、戸倉上山田温泉は「亀が見つけた温泉」と言う事になっているらしい。
亀清さんには、今まで2回日帰り入浴を断られており(湯が溜まって無い等で)今回素泊まりで宿泊してみたが、お料理も評判らしいお宿である。
若旦那はお話好きで、長野県の他の温泉の事も教えて下さった。勉強を兼ねて他の温泉にも入りに行かれているそうだ。
戸倉上山田温泉は泉質が非常に素晴らしく、300円で入浴できる日帰り施設も7湯あり、次回は是非湯巡りを楽しみたいものだと思った。
アクセス例:しなの鉄道戸倉駅、到着後連絡にて送迎あり「喜んでお迎えに伺います」との事。