歴史と格式、おもてなしと上質な温泉を併せ持つお宿
- 公開日
- 2014/06/12
- 最終更新日
- 2019/10/17
- 投稿者
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管理人総合評価
4.2
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ユーザーの評価(2件)
4.2
すこぶる評判がよく、メディアにも登場することの多い東山温泉 向瀧。
格式があり、湯使いがよく、そして何よりもてなしがすばらしいという事で著名な人が良く訪れる。
全客室は国の文化財に登録され、大正時代に建てられた本館に増築を繰り返した複雑で美しい建物だ。
また向瀧は中庭も有名で、部屋から見る中庭、とくに冬の雪見ろうそくは雪の中に点々と光る灯が好評だとのうわさ。
到着すると車までたくさんのスタッフの方々が出迎えてくれ驚いた。
皆さん笑顔で気持ちのいいお出迎え。
車を宿の前へ止めると宿の方が駐車場まで運んでくれる。
宿の方はすべての方がきちんとした教育を受けており宿や温泉の歴史、また入口に置いてある歴史のありそうな時計についてまでどの方に聞いても親切丁寧に答えてくれる。
GW 祝日宿泊 1名22,200円 トイレ、洗面付 8畳 中庭に向いていない部屋
今回グレードの一番低い部屋での宿泊となった。
この部屋は中庭に向いていない部屋ではあるが小さな庭園が大きな窓から見え、気持ちの良い景色に雰囲気。
十分な広さがあり、冷暖房もしっかりしていて無線LANもあり設備も充実。
部屋の造りは一部屋一部屋が違う造りになっているらしく増築を繰り返した事もあり複雑な造りになっている。
一番グレードの低い部屋のつもりで来たので部屋へ案内されたとたんうぁ~広い!と声をあげてしまった。
これぞ日本旅館という手入れの行き届いた綺麗で重厚な雰囲気と郷愁を感じるような廊下のきしむ音に鳥の声、なんだか廊下を歩いているだけで楽しい。
熱くてサラッとした肌ツルになる温泉
温泉は一番歴史の古いきつね湯と大浴場のさるの湯、そしてこちらの貸切湯3つがあり数も豊富。
きつね湯は熱めだという事なので一番最初に向かったのは貸切湯。
それぞれ源泉温度が違い蔦の湯(43~44度)、瓢の湯(42~43度)、鈴の湯(41度)といった感じになっている。
あまり熱い湯が得意ではないのでとりあえず鈴の湯へ。
2人でいっぱいになるぐらいの小さい湯船に入るとお湯がザバーっと流れ出し爽快。
湯はまろやかでピリピリ感はなくさっぱりする。特徴がある湯というわけではないが好みの湯だ。
湯量は1時間ぐらいで湯船の湯が入れ替わるぐらい新鮮。
繊細で丁寧な一品一品 豪華ではないけどおいしい食事
前菜は少ないが一つ一つがとてもおいしく細かくて綺麗に盛り付けられている。
ローストビーフはうまみがあるし鯉の洗いは瑞々しい。
鯉こくは他の宿でもよくでる郷土料理でありパサパサであまりおいしいと感じた事はなかったが向瀧の鯉こくは別。
ジューシーでお酒のつまみによくあう。
またご飯がものすごくおいしく、お米の甘みが口いっぱいになる。
品数が多かったりといった豪華さや華やかさにはかけるがとてもおいしい一品一品だった。
大理石の肌触りが良い、居心地がいい浴室
洗い場は豊富でアメニティーも揃っている。
浴室は大きな窓があることから喚起もよく熱めの湯でも長湯ができる。
露天風呂はないが窓全開で入れば爽快だ。
湯あがり肌がつるつるになる。
広い中庭は散歩ができるようになっている。
朝せっかくだから散歩をしてみようという事になり、チェックアウト前にぐるりと一周。
中庭からみるお宿は格別なもので、素敵な庭と斜面に建つ立派な木造建築をあわせて見ると建物が引き立ちさらに立派にみえる。
斜面上の方の部屋が中庭から見えたりするが、今回私たちが宿泊した部屋よりもさらに立派で綺麗で、縁側のようなものまで付いていた。
次へぜひ上のグレードの部屋へ泊まってみたいと思う。
朝食は和風であたたかくこれまたおいしい。
特に蒸したお肉、なんのお肉かわからなかったがトロケルおいしさだった。
↑磐梯鱒という魚だという事です。(はるすけさん情報ありがとうございます!)
いい宿に出会った。
人に胸を張って紹介できる旅館だなと思った。
≪向瀧の良いところ≫
サービス、教育、湯使い、掃除など隅々まで手をぬかずにがんばっているお宿だと思う。
もてなしが評判通りすばらしく、色んなところで心遣いを感じれる。
女将さんの笑顔が印象的で、自ら先頭に立って挨拶をしている姿が気持ちいい。
お湯は熱いけどまろやかでスカッしているし温泉も気に入った。
一つ注意点だが、昔ながらの建物なので階段が多いこともあり、ご年配の方は事前にお宿へ階段の少ない部屋を希望した方がよさそうだ。
≪向瀧の良くなかったところ≫ なし
◆イベント情報◆ 下記公式HPより
イベントにあわせて宿泊はいかがでしょうか。※毎年開催日は変わりますのでご自身でお調べくださいませ※
◆会津若松観光ナビ◆ https://www.aizukanko.com/
お湯かけまつり 8月10日前後 18:40〜19:10ごろ向瀧通過するようです。(2019年は8月10日でした)
毎年お盆休みあたりに東山温泉盆踊りが開催されます。(2019年は8月13日~16日でした)
会津最大のお祭り会津まつり 会津藩公行列 (2019年は9月22日です)
きつね湯、最高!
いや、雰囲気あるね!
きつね湯、宿泊中、4回はいったけど、貸切だったよ!
熱いから猿の湯にいっちゃうのかな? でもあの熱さは気持ちいいよね!
今後も守ってもらいたいお湯ですな!
歴史と風格の宿
温泉評論家郡司勇さんの著者、
「究極の温泉 伝統建築篇」の表紙にもなってるこちらの宿、いつか泊まりたいとずっと思っていて、ついに今回個室風呂付きのはなれの間に宿泊することができました。
温泉はきつね湯、さるの湯、貸切風呂3つ、はなれの間の個室風呂があり、温泉は若干の塩味を感じる無臭の透明な温泉でした。どの温泉も湯口の周りにたっぷりと析出物がついており、成分の濃さとその歴史を感じさせられます。きつね湯は自家源泉で自然湧出している45度の温泉だそうで、熱いのですが、その恵みをしっかりと堪能させていただきました。はなれの間の個室風呂も同じ源泉のようでかなり熱いのですが、こちらは個室ということもあり水で適温にして入浴しました。さるの湯には巨大な大理石の裸婦のレリーフがあり、日本の伝統建築の宿にして洒落た趣向です。こちらは40度程度で長く浸かっていられる温泉でした。
ただ、なんといってもこちらの温泉の魅力は、昔ながらの丁寧なおもてなしと、意匠の凝らされた歴史ある伝統建築、またそれを大切に守り継いでいこうという使命感が詰まった空間そのものだと思います。ストイックに温泉単体の魅力を追い求める旅行も好きなのですが、こちらのお宿は温泉の魅力もさることながら、その空間にいるだけで幸せな満足感があります。綺麗に磨き上げられたピカピカの床を見れば、決して裏切られないんだという安心感が得られます。今は作ることが出来ないという江戸ガラス越しに差し込む朝日に包まれながら、精緻に敷き詰められたタイルと折り上げ天井の純白な浴室で、自家源泉掛け流しの貴重な湯に浸かる、、、うーん感無量120点、という感じです。
今回はなれの間に宿泊しましたが、なかに入ると真ん中の部屋をぐるっと廊下が360度取り囲んでいる構造で、廊下の壁はガラス戸になっており、部屋の障子をあげれば一面に綺麗な庭が見渡せます。野口英世も宿泊されたことがあるそうで、野口英世の直筆の書が飾ってありましたし、飾ってある調度品はどれも文化財級の貴重なものばかりだそうです。小泉首相も首相時代に泊まられたそうで、フロントに写真が飾ってありました。
なかなか何度も宿泊できるような宿ではありませんが、やはりはなれの間が一番人気だそうで、何泊も連泊される常連さんもいらっしゃるそうです。
いつかまた、人生の節目に再訪したい温泉宿です。