秘湯ファンに有名な満山荘が移転し一から作り上げた温泉旅館
- 公開日
- 2019/04/14
- 最終更新日
- 2019/09/30
- 投稿者
- しおり
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管理人総合評価
3.6
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ユーザーの評価(2件)
3.3
夫神岳の西麓の山あいののどかな風景が広がる中、沓掛温泉街がある。温泉街といっても3件ポツリポツリとあるだけの小さな小さな温泉地。
旅館前から見ると小さな旅館に見えるが、実際に敷地はとても広く、とても立派。今はまだ手が入り切っていないが綺麗に手が入れられたところを見てみたいものだ。
旅館の中へ入ると大きな窓に一面の木々の緑。その奥には田園風景が広がり気持ちのいい空間がある。
以前の満山荘同様にお洒落で素敵な雰囲気。
到着してお茶と茶菓子をいただき、部屋へ案内してもらう。
部屋はリニューアルされた部屋とリニューアルされていない部屋があり選ぶ事ができる。
リニューアルされていない部屋 1泊2食付17,350円(休前日料金)トイレ、バス付
こちらはリフォームしていない元の旅館おもとやだった
部屋そのままらしいが、奥にはソファーもありなかなか居心地がいい。
ソファーに座って大きな窓から見える緑を眺めゆったりできるひと時はとても癒された。
また、夜にはこの中庭にある木々はライトアップされ、ソファーに座って眺めながら飲むビールは格別なものだった。
夜もまた、部屋から見る木々を眺めながらビールを片手にゆったりできた。
布団もフワフワでとてもよく眠れて心地よかった。
しかし、、、部屋にはお茶セットがなく冷蔵庫もない。
これはおそらく人件費削減か何かの為のものかと思うが、とても不便。
金額から考えると1万円の宿でもお茶セットは置いてあるのは一般的な気がするし、冷蔵庫がある宿も多い。
飲み物を取りに行くのにわざわざ1階上のラウンジまで行かなければならないのはかなり不便だ。
特に夜ビールを飲みたい時、1缶飲んでまた1缶取りに行くのはとてもしんどいので全部いっぺんに取ってきてしまうがぬるくなってしまった。
電力などの問題であれば魔法瓶で対応している宿も多い。
共有スペースにお湯入れ替え用のポットなどが置いてあればそれはそれで少しはいいのではないかな、と思った。
部屋は居心地よく満足できたがサービスに少々がっかりしてしまった。
ちなみに今回2泊3日だったわけだが、布団が敷きっぱなしで部屋に入らないスタイル、というのはわかるが、タオルぐらいは変えてもいいのでは?と思ってしまった。
結局1日目の備品などのまま2日目を過ごしゴミも捨ててくれず、タオルは前日のままで濡れているし安い宿泊料金なわけではないのに、まるで湯治宿にでも宿泊しているような気分である。
せめてタオルは宿泊数分置いておいてくれてもいいのではないだろうか。
リニューアルした部屋 1泊2食付17,350円(休前日料金)トイレ、洗面共同
こちらがリニューアルされた部屋。大きな窓に一面の緑がとても綺麗。
奥山田温泉の時にエントランスに置いてあった吊り下げられた椅子が各部屋に設置されている。
そしてこれが一番残念であったが、部屋でくつろぐ事ができない。
吊り下げられた椅子は見掛け倒しで座り心地は良くなく、もう一つ置いてある椅子は鏡台用の丸い椅子。
一番長く過ごす事の多い部屋でくつろぐ事ができないというのはかなり厳しい。
テレビを見るのもベッドに座ってみるしかなく、さらに冷蔵庫がなくお茶セットもない。
音について、リニューアルした部屋の方のみ木造なのだろうか、隣の部屋おテレビの音が聞こえたり、トイレを流す音、廊下を歩く音がしっかり聞こえてしまう。こちらの部屋を選ぶ場合にはその点も踏まえて選んだ方がいい。
お洒落にリニューアルされてはいるものの、ゆったりのんびりできる空間という事もプラスして作ってほしかったと残念に思う。
しかし、奥山田温泉の頃は窓際にゆったりと座れる椅子が用意され、さらにもう一か所に机と椅子が設置されていた。
この時使っていた椅子はどこへいってしまったのだろう。
冷蔵庫も各部屋にあったはずだがその冷蔵庫はどうしたのだろう。
人によって満足される方もいるかとは思うが、私の感想としてはリニューアルされた部屋についてはトイレも付いていないわけだし料金を見直す事を考えた方がいいように感じた。
あいかわらずのクオリティに大満足のディナー
食事は以前の満山荘と変わらずすばらしい内容。
奥山田温泉 満山荘のレポートにも書いたが山の幸をふんだんに使用し、全て手のこんだ丁寧な料理の数々は二代目である娘さんがこだわって作っているんだとか。
天ぷらも揚げたてを少しづつ運んできてくださり、熱々のサクサクでとてもおいしい。
やはり牛ひれのお吸い物は絶品だった。
以前の内容と少し違うところがある程度で基本的には以前と同じ内容。
これは以前にあったかどうか覚えていないが、一番印象に残ったのは最後に出てくるアイスクリーム。
1日目は桃、2日目はブルーベリーだったけど、ほどよい酸味があり
「桃!! ブルーベリー!!」と迫りくる濃厚な味。
なかなかアイスクリーム屋さんでもないんじゃないかと思うほど
美味しいアイスクリームに感動した。
ちなみに下記が2日目の食事
2日目 食事
さて、食事のあとは久しぶりという事もあり心待ちにしていた温泉へ。
温泉入口までのアプローチも白塗りの壁や天井、なんとなく地下へと続くお洒落な洞窟を歩いているかのような感じに作られている。
温泉入口前には冷水が用意されていた。
風情満点の浴室 じっと静かに入る心休まる浴室
万葉の湯について、露天風呂はなかなか風情のある雰囲気。
うまく木を使い、オシャレな露天風呂になっている。
一面の壁が取っ払ってあり、そこからは一面緑が広がり露天風呂の深い木の色と外にある鮮やかな緑が素敵なコントラストだ。
湯は沓掛の湯と同様に源泉かけ流しだが、塩ビ管が湯舟の中に入っており湯が空気に触れないように投入されている。
そのせいか、湯の浴感で言えばこちらの万葉の湯が一番フワフワツルツルして気持ちがよかった。
お湯 内湯は40度前後に加熱されている。
今回内湯へは一瞬入っただけだが、夏以外はぬるい露天風呂ではなかなか温まらないので内湯で温まってから上がるといった感じだろう。
私は22時15分ごろ行きパッみて小さなイーゼルに大きな字で「女性」と書かれていた「万葉の湯」へ入浴。
あ~いい湯だったと出てきたところ、一人の男性が、「あれ?あれ?うーーーん」
とお風呂の暖簾と札、イーゼルの表示を見合わせ悩んでいた。
「どうしました?」と聞くと札と暖簾は男性なのにイーゼルの表示は女性と書いてあるという。
まったく気が付かなかったけど本当だ、宿の方を呼び、聞いてみたけど
私は間違えて男性の方に入っていたらしく、、、、いや~~~本当に誰も来なくてよかった~~~
って感じ。いやいやいや~~~真面目に大事なところですから。
真面目に真面目にそんな間違いは勘弁してほしいものである。
夜はじっくりゆっくりとぬるめの湯に入浴したのでぐっすりと眠れた。
朝ご飯は種類豊富なバイキング
朝は種類豊富なバイキング。バイキング好きの私にとっては嬉しいものだ。
好きなものだけとって、好きなものだけ食べる。
そして、、やっぱり取りすぎて食べ過ぎてしまう。
朝ご飯の後はコーヒーを飲みにコーヒーラウンジへ。
ラウンジでゆったり、、、としようかと思ったが熱い、、、。
とにかく熱い。この部屋にはエアコンがなく扇風機のみ。
あまりの熱さにゆっくりはできず、コーヒーは部屋へ持ち帰る事に。
だから誰もいないのか、、、と納得。楽しみにしていたのに残念だった。
朝、もう一か所の露天風呂へどうしても入りたくてコーヒータイムをそこそこにして野天風呂へ。
満山荘敷地内の美しい花や木々を眺め、しっとり入る
露天風呂は源泉かけ流し加熱なしの36度前後。
暑い夏に最適な温度で1時間は余裕で入れる。
湯の香りは硫黄、湯に身体を沈めたとともにプーンと硫黄の香りが漂う。
特に2017年8月に出来上がったばかりの野天風呂沓掛の湯の左側の小さな浴槽が
一番香りが強く、浴感もツルツルとしてよい湯だった。
この時はとにかく暑い真夏だったこともあり、こちらの少し温度高め(おそらく38度前後)
の小さな浴槽には浸かっている人はおらず、みんな少し大き目の右側の浴槽、温度は36度前後の浴槽へ浸かっていた。
湯をよく目をこらしてみると小さな白い湯の花が舞っている。
源泉の投入量もそこそこ多めであふれ出しも満足な量だった。
野天風呂沓掛の湯からの景色は素晴らしく、遠くにはのどかな田んぼが見渡せ、
近くには満山荘の敷地内の素晴らしい木々やピンクのかわいらしい花々に彩られ
ボーっと美しい景色を見ながら半寝状態で過ごせる癒しの空間だった。
ただ、ぬるい温泉の特徴といえば、、、アブ! この時は大き目のアブが1匹ウロウロしている程度だったがこれさえなければ、、、とぬるい温泉へ入る度に思う。
帰りに敷地内にある池によってみる事にした。
池にはティラピアという魚がたくさんいるらしく、魚のえさは旅館の方でいただけるとのこと。
池には車でぐるっとグルっとまわって行った。
池には黒いティラピアがたくさん。 餌を投げると気持ち悪いほどよってきて真っ黒。 周辺にはあまり観光するところもなく、おいしい食事処なんかもなさそうなのでちょっとした観光気分でなかなか楽しめた。 |
2018.11月宿泊。青木村が何故か良い雰囲気で、移住して来る人もいるとの事。
その青木村、田舎のスペシャル風景が、満山荘のロビーから切り取った絵のようにして眺められる。私は何よりもこの景色が気に入った。ガラス窓を通してやわらかく優しく、やや下方に広がる田んぼや自然の風景。「特等席ですね」と私は言った。
御主人がデザイナーだった事もあり、館内の装飾は御主人担当。前満山荘のイメージに近い館内なのだろうと思う。それでも置いて来た物が沢山あるという。
もしかしたら管理人様が書かれている冷蔵庫とかも置いて来られたのかなあ?
部屋は写真でよく載っているリニューアルされた方の部屋を選んだ。「これこれ。この吊り下げられている藤の椅子」早速座ってみたが、1度きりだった。
温泉は、ぬる湯が事の他気持ちが良いとの評価があった露天風呂。柔らかな透明の湯が掛け流されている。2つの露天風呂は男女で時間交代制となっており、私は沓掛の湯、丸い瓦に沓と書かれ、半瓢箪のように2つに仕切られている湯船の湯が気に入った。朝に入ったからかも知れないが、もっとずっと入っていたい感じがした。
料理は女将さん担当。創作料理で、何だかお野菜がドレスアップして、白いお皿のお城の中でシンデレラになっているように見えた。
ふ~ん。野菜もこうして食べればオシャレだね。美味しいけどこれって原価いくら?って感じの料理だった。
沓掛温泉自体には興味もあったので、共同湯に入りたかったが無くなってしまい、他に2軒あった宿も廃業したらしく、満山荘1軒だけになってしまっている。
車なら田沢温泉とも近く、日帰り入浴があれば是非立ち寄りたいが、宿泊のみであり価格も高いので体験で良いかなと私的には思った。
アクセス例:上田駅より路線バスで青木ターミナルまで。ここから宿送迎あり。
秘湯の会の招待で利用
料理や施設の設えは奥山田を彷彿とさせるもの。
献立は以前のままで施設は旧おもとやと旧満山荘の混在の様な状態です。
温泉は初めて温湯の良さを認識させられた非常に良いものでした。