格式ある建物とお風呂の数に圧倒される重要文化財のお宿
- 公開日
- 2018/12/28
- 最終更新日
- 2019/10/23
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昭和11年建築。千と千尋の神隠しの舞台にもなったと噂される金具屋旅館。
金具屋旅館は温泉も有名ではあるが、何よりの見どころは建物にある。
1部屋ずつ造りを変え、部屋の入口は家の入口のように作られている。
宮大工が造った建物で、壁はベンガラ塗り、柱は1本柱15m(+α)を13本使っている。
3Fと4Fの踊場には、富士山の窓、訪れた人を楽しませる工夫がされているそうだ。
仲居さんには部屋まで案内してもらったが、私たちが仲居さんより若いから?もしくはこういったサービスがここの基本なのかタメ口で説明するからびっくり、、。
格式ある旅館なのに、、、と少々がっかりした。
今回宿泊した部屋は長生閣。金具屋で最も歴史があり、貴賓室として作られたと聞いてこの部屋に決定!
歴史のある斉月塔4階建ての最上階にあり、建物正面から見て一番左側に位置する部屋がその部屋。
国登録有形文化財に泊まる
斉月楼 部屋名「長生閣」 本10畳+次の間4.5畳+広縁3畳+床の間1.5畳+玄関3畳 トイレ洗面付 2食付 平日宿泊1人24,150円
長生閣はさすが最上階の部屋だけあって景色が抜けていて街が一望できる。
特に格式を感じるのが入口の襖で、見たこともないような形と色に目を奪われる。
室内は重要文化財というだけあって他にはない空気感と格式がある。
文化財巡りに参加してみた
到着した時間が予定していたよりだいぶ遅い到着となってしまい、17時半からの文化遺産ツアーがはじまってしまっていた。金具屋ではこういったツアーを行っており、建物や源泉を見るだけではなく歴史の説明を聞く事ができとても面白い。部屋に荷物を置いて大急ぎでツアーに参加。
文化遺産ツアー 若旦那さんが説明しながら斉月楼の上から下まで案内してくれる
建物の歴史ツアーは9代目自ら案内して周ってくれとてもおもしろい。
夕食は広い個室で・・・
宿泊している4Fに食事用の部屋があり個室でいただく。
食事内容は、とにかく品数が多く16品もあり年配の方向けな内容。どれも味がやさしくマイルド。あっさりしていて煮物中心で食感も柔らかいものが多い。
特別にこれが美味しかったというものはなく、イワナがふっくら焼いてあり塩加減がよく美味しかった事と揚げ出し豆腐があんかけになっていてわりと美味しかった。
メインというメインはなく、イワナがメインかな?という感じ。煮物は甘すぎてあまり口にあわなかったのとわさび漬けもまぁまぁだった。
部屋やプランによって 国登録有形文化財 飛天の間(大広間)で食事になる
宿泊プランによって食事処は違うようでこの国登録有形文化財の飛天の間(大広間)で食事をするプランもあるみたい。
これはこれですばらしく格式のある部屋で食べれるのもいいかもしれない。
食事の後は浪漫風呂へ。
時間帯によって男女が入れ替わり、夜は女性用の時間になる。
浪漫風呂は斉月楼から潜龍荘へ行った別館にある。
ステンドグラスが美しい大正ロマン風モダンレトロな浴室
浴室は大正ロマン風のまあるい浴槽。浴槽には若干白緑がかった濁り湯が満たされている。
浪漫風呂の源泉は浴室のそばから湧出しているらしいが湧出量が少ないので源泉投入量も少な目。結構浴槽は大きいので湯の元気があまりないように見える。
浴感はマイルドで肌触りなどは変わった感じはないが、よくあたたまりカーッとなる。この浪漫風呂の源泉、金具屋別荘は250年前から湧いているものだということだ。
ここの浴室は大浴場だというのに洗い場が1か所しかないので、4人ぐらいが洗い場で並んでいるような状態になっていた。貸し切り風呂には全て洗い場が付いているものの、大浴場=洗い場のイメージで洗髪をしに大浴場に来る人が多いのだろう。
居心地の良い椅子でデロ~っと寛いだ夜
ヘルシーでサッパリした朝食
朝ごはん、朝食は9品目。
メインは湯豆腐で山菜2種類、昆布巻き、トロロ麦ご飯、卵の黄身、のりなど、
夕食に比べて量が少なくアンバランスな感じがした。
またよく朝出てくるような、コーヒーやオレンジジュース、牛乳やトマトジュースなどの飲み物は一切なくお茶のみなのでこれもまた年配の方向けだなと思った。
特に美味しかったのはトロロ麦ご飯。
朝かわいらしいお猿さんが出没
部屋の中にいると外から騒々しい犬の鳴き声がする。しかも長い間犬は興奮状態。
なんだろ?と思い窓の外を見るとお猿さんがあちらこちらに!
部屋の机の上に、猿が入ってくるので窓を開けっ放しにしないでください。と書いた紙が置いてあったけど本当にお猿さんに会えると思えなかったのでテンションが上がった。
しかも部屋の横まで来てくれたので嬉しかった~。
朝は男女が入れ替わり鎌倉風呂が女性用。
鎌倉風呂前のなまこ壁がまた雰囲気満点。
源頼朝の伝統にちなんだ鎌倉時代の建築洋式によるものなんだって。
独特のムードある雰囲気の中でじんわりゆっくり温まる
朝風呂は鎌倉風呂へ。朝一はやはり人がごった返していた。人がたくさん入っていたせいもあり浴室は湯気モウモウ。
湯船はひょうたん型で、天井は高く、窓の形や天井の複雑な木の組み方などがすばらしい。
湯は少し白っぽく濁っており、とはいっても底まで見える程度の濁りで白い湯の花が舞っている。
源泉をブレンドしているらしく、(源泉:荒井河原比良の湯と温泉寺寺の湯=共同源泉)この2本をブレンドすると湯の花がでるらしい。
湯量は多く、鮮度は良い。甘くてうすい鉄の香りがし、じんわりとあたたまる。45度近くてもあまりピリッとしないような泉質。
源泉ツアー参加
朝食を約30分ほどで切り上げ、源泉ツアーへ参加してみた。
3種類の源泉を説明を聞きながら見て回る。
源泉ツアーをしてくれているのは8代目。8代目自ら先頭に立ってこういったイベントをされているからこそ金具屋はいまだに大人気のお宿なんだろうなと思う。
金具屋別荘の源泉(ローマ風呂)は13畳ほどのスペースに湯がたまったものをローマ風呂で利用しているらしいケド、それを考えると新鮮さはどうかな~といった感じ。少し時間が経っているからこの時点でお湯が濁っているみたい。
金具屋別荘源泉は250年前から湧いている歴史ある源泉だそうだ。
第3ボーリングの横には普段使っていない浴室がある。
第1.2ボーリングは川の反対側、駐車場横にあり、川を渡ると硫黄がまじってくるらしい。
この源泉横には金具屋スタッフの方の女子寮があり。一番新鮮なお湯に入れるのでは?とちょっとうらやましく思った。
硫黄臭がプーンと香っていい匂い。
入れなかった露天風呂
神明の館という建物の屋上に位置する露天風呂。男女別で各1か所あり、広さも広々。展望はそんなによくないものの、開放感はある。入れなくて残念だったけどお風呂が沢山ありすぎて、、、。
入れなかった貸切風呂5つ
≪金具屋の良いところ≫
建物や部屋、浴室などすべてにおいて建物がすばらしい。
温泉に入って部屋でゆっくりするだけではなく、建物を端からは端まで探検したり、館内で沢山あるお風呂を湯めぐりしたり、温泉宿に泊まりに来たというよりは文化財に泊まりに来たと言った方が正しいかな。
夜ライトアップされた金具屋はなかなか味わえないような世界観を感じる事ができる。
ツアーなどに無料で参加できるのも楽しみの一つ。
とにかく楽しい宿でした。
≪金具屋の良くなかったところ≫
温泉の良さで言えば、ローマ風呂はイマイチかなといった感じだったけど、その他は鮮度もよく掛け流しで良かった。
料理が高齢者向けかと思うようなサッパリしすぎた感じもあまり満足感はなかった。
到着の際、かばんも持ってくれないし、仲居さんはタメ口だしちょっと残念なところもチラホラ。
あとは足が悪い人には登り降りが多い建物なので厳しい宿だと思います。
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