ドバドバの鉱泉と暖かい浴槽で上質湯を味わい尽せる温泉
- 公開日
- 2018/11/09
- 最終更新日
- 2021/07/11
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管理人総合評価
3.6
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ユーザーの評価(1件)
3.6
山奥の秘湯 奥蓼科温泉は街から5キロ以上離れた場所にあり緑に囲まれた温泉宿。
約100坪の敷地を誇る奥蓼科温泉 渋辰野館。玄関の建物は昭和47年、最も古い建物は昭和20年代のものだということだ。
奥蓼科温泉は冷鉱泉という事もあり、熱い夏が本番のお宿。冬に行けば空いてはいるが、冷鉱泉を源泉浴槽は冷たすぎて本当の意味での温泉を楽しめないだろう。
行くなら夏場がお勧めのお宿。
宿への到着、すでにここら辺は雪があり、チェーンを履きたくない私は心配でドキドキ。
この日は天気がよかったせいか道にまでは雪がなくて大丈夫だった。
遅到着すると出迎えなどはなく、中へ入って来てもらった。
宿帳に記入し、一通り宿内の説明を受けると、ではお部屋は3階へあがって右の方ですので、 とさっさと次の人の接客をはじめた受付の人。 |
11畳 トイレ、洗面付 1泊2食付 土曜日泊 15,400円
部屋はそこそこ広く、新しいというほどではないけど小奇麗な感じ。
暖房はよくきいていて、さらにコタツもあるので暖かい。
既に布団が敷いてあるシステムのようで、最初から最後まで宿の人は一切入ってこない。
ある意味自由で気を使う事なく過ごせるけど、やっぱり到着の時ぐらい説明を部屋でしてくれてもいいのでは、、と思ってしまう。
恐らく冬場でお客さんが少ないので従業員の方の数も絞っているからなんだろうけど。
部屋の鍵は2本あり、この点は気遣いがありいいなと思った。アメニティについてはほぼ申し分ないけど、1点、温泉行く時にいつも活用しているタオルやなんかと一緒によく置いてある袋がほしい。これ、いつも小銭を入れたり、鍵を入れたり浴衣だとポケットがないから意外と使うんです。
渋辰野館には、信玄の薬湯と森の温泉、あとは水を温めただけの洗髪などができる大浴場がある。
せっかくなので一番の売りである信玄の薬湯から入ることにした。
これでもか!とドバドバ掛け流される薬湯
ドアを開けると鄙びた感じでそそる浴室がある。
浴室も昔のままですか?と聞いたら、昔湯治として使っていた浴室を再現して作ったのだとご主人が言っていた。
渋辰野館の一番のメインはこの信玄の薬湯にある鉱泉。温度を測ってみるとなんと18度。
やばい、心臓がとまるんじゃ、、、なんて心配をしながらも加熱浴槽でよく温まってから、ここまで来て入らずに帰れるか!とドボン。
、、、とおしりあたりまで入ったところでごめんなさい。18度の冷たさは半端じゃなかった。
冬の源泉浴槽はなんと18度 気合の入浴ならず、、、
その後、加熱浴槽へ入ってしばらく温まってから出ることにした。
鉱泉に入った足とおしりだけなんだかフワフワとしているような感覚に陥り、不思議な浴感を楽しみながらゆったり浸かった。
酸がそれほどきついとは思えないようなまろやかな感じで、加熱浴槽の温度はさほど熱くはないので長湯できるけど、冬場は源泉浴槽がとても冷たいのでかなり長湯しないと入れない。
冬場の加熱浴槽はもっと温度をあげてもいいのではないかと思う。
目で見て、味わって、華やかな楽しい夕食
食事処へ入ると席へ案内してくれる。席へ着いて机の上を見るとあまり見たことがないような素敵な食材の装飾に思わずすごいっ!と声をだしてしまう。
器が変わったものが多くて、ものすごくたくさんの品目で少量のものがズラッと並び、目で見ても、選ぶという意味でも楽しさを感じる食事。
ボリュームも多く、鍋も5,6種類の野菜と信州のブタを使ったものでスープはダシと塩味の少し変わったもの。すっきりしていておいしかった。
ワカサギの天ぷらは出来立てを持ってきてくれ、サクサクで塩の加減もよく臭みがない。かぼちゃのスープもかぼちゃの甘味とトマトの酸味がとてもマッチしている。
今回宿泊予約はネットからしたが、その際にどうやら利き酒とスイーツが付いてくるプランを
選んでいたらしく、日本酒が3種類6杯と最後にかわいらしいスイーツが付いた。
広い食事処はよくある食事処よりなんとなく落ち着く作りで居心地がいい。
利き酒プランの人も多いようで、結構ゆっくりお酒と食事を楽しんでいる雰囲気。
テーブルの上に簡易的な仕切りを置いているところなんかがきいているんだと思うけど、こういったタイプの仕切りは初めて見た。ナイスアイデアだと思う。 |
ロビーも廊下も食堂もそうだけど、基本古いホテルをうまくライトや一部改装などで装飾し、あまりお金をかけずに良い空間づくりがされているなーと感心してしまった。
若い方の案であろう斬新な感じがした。
気合の朝風呂 冷たい森林浴
朝、6時半からお風呂が入れるようになるので私の方は、6時半にまず洗髪をしに水を沸かしたお風呂がある洗い場が唯一ある大浴場へ。
こちらの森の温泉へはさすがに寒すぎて入る事ができなかった。
品数40種類 大人~子供まで好みの朝食を選べる楽しいバイキング
朝ごはんはバイキング形式。40種類もの品数があり、皆用意されたヒノキのお皿に盛り切れないほど盛っていた。
最初から並んでいると食べれないものが、バイキングになったとたん胃袋が膨らみなぜか倍ぐらい量が食べれる。
11種類の漬物などと他料理しているもの。味は和食は控えめな味つけで炒めものはしっかりと味がありメリハリがきいていてどれも美味しかった。
デザートは杏仁豆腐は甘すぎずサッパリでフルーツはりんご、みかんがある。みかんはちょっと酸っぱかったかな。
朝、チャックアウトの時、ご主人と少しお話しをさせてもらった。
入口には鳥のはく製がたくさんあり、すごいですね。なんて言っていると一番上に飾ってあるイヌワシは日本でとても好まれるワシで、他の鳥が巣を作った必ず上に巣を作るから一番という意味で好かれるんだよと教えてくれた。
アメリカの軍のマークもこのイヌワシのマークだということだ。たしかに見たことがある。
戦前まではバス事業を行っていたらしく、館内のいたるところに昔のバスの写真が貼られている。
道を自分達で費用を投じて拡張などもしたらしいが、戦時中にバスも国にとられてしまい現在は行っていない。
こちらの宿はどうも人が少ないようで、とにかくみなさん忙しそう。
冬場は鉱泉のためかお客さんが少ないので絞っているのだろう。
とても広い旅館の中、従業員の方がとにかく少なく感じた。
≪渋・辰野館の良いところ≫
浴室の雰囲気が風情があり、加熱浴槽と源泉浴槽が両方楽しめるところがすばらしい。
さらに源泉はドバドバ!夏場だったら頭から浴びたいところかも。
その他食事にはかなり満足した。
特にものすごく美味しい!と感動したというよりは目で見る美しさと楽しさがある食事だと思った。
お酒が好きな人にはきっと向いている食事かも。(もちろん飲まない人も楽しいと思います)
外は寒いのに、部屋の暖房がよく聞いていて快適に過ごせた事もよかった。
≪渋・辰野館の良くなかったところ≫
まずは、やっぱり案内をフロントで終わらせて勝手に部屋に行ってくださいというスタンスはいただけないな、と思った。9000円の民宿だったらまだわかるけど、15000円以上払う旅館ではちょっと不満な部分かも。
人不足かもしれないけど、人がいつもロビーにいないのも×。
あとは加熱なのでしかたがないけどお風呂が22時に終わってしまうのはちょっと早い。せめてあと2時間長ければいいな、というのと脱衣所が寒いので暖房がほしい。
これは山奥でしかたがないけど、携帯の電波はつながりません。
源泉は体が固まります。
電気配線が1年で駄目になる位酸性度が高いと宿の人に聞きましたがお湯に浸かった感じではそんなに感じませんでした。
源泉漕が何度で有ったか忘れましたが、加熱浴槽から源泉浴槽に入ったとき(当然ゆっくりゆっくり)体がキュッと締まるのを感じました。硬直したと云っても良いくらいでした。
ここから加熱浴槽に入ると一気に体が緩む感覚、一寸嵌まりました。
結局3回くらい交互浴しましたが限界でしたね。
何しに行ったんでしょう?