茅葺のお宿で入る上質で新鮮なアツアツドバドバ湯
- 公開日
- 2014/09/19
- 最終更新日
- 2019/09/10
- 投稿者
- しおり
-
管理人総合評価
4.2
-
ユーザーの評価(1件)
3.1
開湯700年と言われる白布温泉は、江戸時代より「東屋」「中屋」「西屋」と3軒茅葺屋根の並ぶ情緒ある貴重な風景を見る事ができる温泉街だった。
ところが2000年「東屋」「中屋」は火災にて全焼、今も尚茅葺屋根を残すのは西屋のみとなってしまった。
「東屋」「中屋」はというと、再度茅葺屋根に建て直しをする予定だったが、今の消防法では許可がもらえず、しかたなく木造等へ建て直し営業を続けている。
この日は元旦、初詣で四苦八苦した後、西屋へ到着したのは夜19:30頃。食事の時間も過ぎてしまい、あせって到着。雪をかぶった西屋にライトが灯され、以前来た時とはまた違う美しさをみせる。 宿の前へ車を停めるとお宿の方が急ぎ足でお出迎えしてくださり、荷物を運んでくれた。
食事の時間を過ぎてしまっている事もあり、部屋へ荷物を置いた後、そのまま食事何処へ。
遅れたというのに暖かいご飯にお吸い物。煮物から何から何まで合わせて出してくれ、出来立ての一番おいしい状態でいただけた。
特においしかったものは・・・全て。
米沢牛のステーキはやわらかく、ジューシー。味噌でつけたステーキだがちょこっと醤油をたらすとさらにおいしい。
チラシ寿司も絶品で、うなぎは大きく柔らかいしイクラはプチプチといいはじけ具合。蒸し鍋にはカニやチマキ、ブロッコリーの肉巻きなど これでもかと言わんばかりの食材の数々。温仙人のお気に入りはこの中でも煮物らしく、「山の芋鍋を思い出す~」と目をつぶって食べていた。上品で素材の旨みが良く出た煮物だった。
とにかく西屋は調理が絶品ぞろい。全ての味付けが上品で美味。これだけでも宿泊した価値があると言える。
館内は竹と木でピリッと引き締まるような緊張感が漂う和の空間。
女性に喜ばれる宿というより、男性が憧れる宿に近いのではないだろうか。
女性が浴衣をきて歩くより、渋いおじさんが浴衣を着て歩いている方が似合う旅館だ。
1月1日 元旦 8畳+6畳+4畳ぐらいの広縁 トイレなし 16000円
西屋には12000円、16000円、18000円の部屋がある。
この中でトイレが付いているのは18000円の離れのみ。
離れは人気のようでさすがに元旦はいっぱいで予約できなかった為、16000円の部屋にした。どうやらお正月料金は休前日料金という設定がないらしく、年中この料金のようだ。
部屋の入り口は格子状の扉があり、入ると広い玄関がある。 ライトは暗めの白熱灯が灯されムード満点だ。
部屋に入ると既に布団がひいてあり、いつでも寝れる状態に。
布団もフカフカで気持ちが良い。
暖房も2部屋へ各1つ用意され、外は極寒でも中はポカポカ。
館内のいたる場所へ寛げるスペースが設けられている。
部屋や食事何処は全て禁煙の為、喫煙者はここで吸わなければならない。
この冬に廊下で吸うのはだいぶ辛いが、2箇所暖房付の場所があるので(フロントか自販機の部屋)そちらまで行った方が良い。
貸切風呂は札がかかっており、空いていればいつでも入れる。
貸切風呂にしては広く、リンスインシャンプー・ボディーソープもある。
ただ、源泉が1本しか来ていないらしく激熱の湯がちょろちょろと注がれている程度。 鮮度は低い。
一瞬にして湯船からこぼれる 鮮度抜群な湯
とにかく湯量の多い白布温泉、3本の湯口からは勢いよく上から落とされている。こんなにお湯が注ぎこまれているのに湯船は小さめの為、お湯は常に新鮮。入ったかと思うとすぐに出て行く。
以前訪れた時はあまりの熱さに加水して入浴をせざるおえなかったが、今回は雪のせいもあるのだろう、温度が適温で苦なくすんなりと入れた。
滝のように落ちる打たせ湯のうち一番手前は、井戸水がまざっており、打たせ湯もできる。
湯はあまり特徴はなく、無色透明、黒っぽい湯の花が舞い飲むと甘みがあり飲みやすい。
≪西屋の良いところ≫
宿のこだわりは感じていたがこんなにも食事に凝っているとは驚いた。
部屋も居心地が良く、布団もフカフカ。
隅々まできれいに掃除されているのも気持ちが良い。お湯だけではなく冷たい飲み水も用意されているのにも宿の心遣いを感じた。最高の湯宿だと思う。
≪西屋の良くなかったところ≫
時期によっては湯の温度が熱すぎて加水せざるおえない、というぐらいかな
鮮度は良いが日帰りでは滝湯だけしかない
源泉槽が滝湯の横に設置され、嫌が王でも新鮮ですよと目に留まる。確かに東屋の湯に比べキリっとした鮮度を感じる温泉だが、白布温泉へ訪れる前に大平温泉滝見屋の温泉に入って来ていたため、似た泉質の温泉ではあってもどうしても劣るように感じてしまう。
温泉の析出物で黒くなったのだろうと思われる威厳ある源泉槽だが、60℃という浴槽に入れる訳もなく、手をちょっと入れてみただけで、被り湯すらできないなと諦めた。
この源泉槽の横に続いて、打たせ湯(滝湯)がありこちらも東屋同様、高い位置から3本の温泉が力強くが落下し、バシャバシャと湯しぶきを上げていた。
その湯が内湯となり、湯面は激しく波打ちながら湯縁へと溢れ出していく。
加水されたやや熱めの温泉は気持ちが良かったが、こちらの湯も音と動きが喧しく、ゆっくり浸かっている場合ではないと感じてしまう。
しかも日帰り入浴は30分以内でと書かれていたので、丁度良かった。
西屋は露天風呂は無く、貸切風呂が1つあるようだがそれは宿泊客専用である。
建物は茅葺屋根のどっしりとした造りの立派な宿であった、館内も綺麗で品が良く落ち着き感があり、宿として宿泊するなら好まれる宿なのだろうと思った。
アクセス例:JR米沢駅より路線バス天元台行きで、白布温泉バス停下車し直ぐ前。