秘湯で創作和食三昧とダイナミックな露天風呂を堪能
- 公開日
- 2014/04/24
- 最終更新日
- 2019/09/10
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管理人総合評価
4.6
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ユーザーの評価(1件)
3.5
国立公園内にある奥鬼怒4湯(八丁湯、日光澤温泉、加仁湯、手白澤温泉)の一番奥地にある湯宿 手白澤温泉。
国立公園内にある為、一般車両は立ち入り禁止。
八丁湯、加仁湯は女夫渕温泉から各宿で送迎があるが手白澤温泉にはない為徒歩か川俣タクシーのみの選択しとなる。
一応川俣タクシーへ問い合わせてみると片道15000円との事、、、そんなタクシーに乗るなんてセレブでしょう、と迷わず徒歩を選択。
久しぶりに歩いて行く湯宿にワクワクしてしまう。
以前八丁湯へ宿泊した時には味わえない達成感と自然を満喫し奥鬼怒を以前より身近に感じれるようになったかと思う。
手白澤温泉の標高は約1500、地上とは温度が約9度違う為、夏は避暑地と言っていいだろう。
車にて女夫渕温泉へ到着。
女夫渕温泉の無料駐車場へ車を駐車しさぁ出発!
片道約2時間半、車道と林道があるが車道だと3時間~4時間、林道だと2時間~3時間、ということで林道より向かう事に。
道はハイキングに毛が生えた程度。ほぼ平坦な道が多く、平坦な道と登山道が交互にある。(平坦な道の方が多いので登山初心者でもOK)
途中、マラソン登山をしている人や自転車で向かう人に遭遇。(自転車は普通に考えて無理)
マラソン登山をしている人はマラソンで往復しているようで片道を歩いている間に追い越されすれ違ったので温泉は関係なく純粋にマラソンをしているようで驚きだ、、。
自転車で向かっている人はかなり苦戦をしているようでいったいいつお宿に到着するのだろう、、、と思ってしまったが、平坦な道で時間をかせげば歩くのより早いのかな?という気もしないでもない。
しかし相当なチャレンジャーには変わりない。
緑がとても綺麗で景色を楽しみながら軽快にすすむ。
ここらへんは熊がでるそうで頻繁に熊に注意の看板が立っている。
すれ違う人は皆熊鈴装着。私達は最近山へ入っていないので熊の事などすっかり忘れ、あわてて加仁湯で熊鈴を購入しリンリン鳴らしながら手白澤へ向かう。
八丁湯を超え、手白澤温泉手前に登山道と林道2種類の道があるが、登山道の方が断然近いという事なので登山道を選ぶ。若干きつい感じはあるが死ぬほどつらいという感じでもなくお宿へ到着。
こんな山奥にあるとは思えないようなモダンなお宿が現れる。
お宿の中は綺麗で緊張感のある雰囲気。
広々とした入り口と天井の高い廊下、余計なものが何もなく整然とした感じだ。
少し立派なペンションといった感じだろうか。
1泊2食付 土曜日宿泊 2名1室 1名 21,000円 トイレ、洗面所付
思っていたよりとても綺麗で設備が整っている事に驚く。
トイレも水洗の洋式で綺麗だし、立派な洗面所付き。
冷房はないが暖房がある。
部屋にはテレビもなく何もないので本を読みつつ9時には就寝。夜中に目が覚め温泉へ行くといった過ごし方になった。
お宿の床下には温泉が通っており、冬も快適に過ごせるという。
フロントにはドライヤーがたくさん置いてあり、タバコはマイルドセブンがいくつか置いてあり、お金を入れる箱が置いてあった。
ビールやジュース、お茶や水も冷蔵庫に入っていて箱にお金を入れるシステム。
お客さんを信用しているからこそできるシステムだ。
山奥で食べる和洋創作料理
食事処がお洒落で素敵な空間。
お隣とはスダレで仕切ってありとても落ち付く。
食事処真ん中には暖炉があるので冬には暖炉を囲んでワインを楽しめるのだろう。
一度冬にも来てみたいものだ。
大自然の中でピリッとした硫黄泉をじっくり楽しむ
夕方に到着し、まずは温泉温泉、、、と直行する。
内湯へ入ると温度はさほど高くないのだがピリッとした硫黄泉で良い香りに大満足。
そして楽しみにしていた露天風呂は内湯より少々ぬるめで好みの湯かげん。。。ではあるがアブがすごい!大量のアブに追い回され半パニックになりつつ内湯へ逃げ込む。。
この時期夕方(アブが活発になる時間帯)は要注意だ。
温泉の温度は適温の42度ぐらいだろうか。湯は飲んでみるとゴクゴク飲めるような硫黄の香りがするあっさりした味。コテコテの硫黄ではないが大好きな湯の種類である。
湯量はとにかく多く、「カランから温泉が出ます。」なんてもんじゃない。
「カランから温泉が大量にでっぱなしです。」状態。
露天風呂は夕方アブにてあえなく退散したが、夜と朝方には少ないということで再チャレンジ。
夜は満天の星空に感動し、朝方は冷たい風の中、大自然を楽しんだ。
近くには動物も多く、夕方他のお客さんはサルの子供が露天風呂を眺めていたと言っていた。
露天風呂の周りには綺麗な花も多く咲いており、アブには悩まされたがそれを除けばいい時期に来たなと思った。
朝ご飯も一品一品がおいしい。
量もほどよく、さっぱりとした朝ご飯。
前の日に出た夕食をアレンジして朝ご飯に出すような事は一切なく、こだわった食事。
コーヒーやお茶はセルフサービスで飲み放題。
さてお宿をあとにし、日光澤温泉、加仁湯温泉に寄った後、八丁湯で手白澤温泉で作ってもらったおにぎりの昼食。
山の宿ではおにぎりを作ってもらう事はよくあるが、さすが手白澤温泉、おにぎりに付いている昆布や煮干しの質が違う。
本当に満足したお宿でぜひ次回は冬に訪れてみたいと思う。
【手白澤温泉の良いところ】
こんなに山奥でこんなにおいしい食事と綺麗な宿、極上の温泉が楽しめるの!?といった感激のお宿。たくさん歩いてこのお宿が待っているのならがんばっちゃうぞ、と思える。
この感動を皆さんにも味わってもらいたい。
【手白澤温泉の良くなかったところ】
特にない
2019.10月宿泊。15年程前「ゆシュラン」という絶品温泉ばかりが載っていた温泉雑誌で、この淡くシャーベットの様な温泉の写真を見てからずっと憧れていた。しかし徒歩で行ってみる勇気も無いままに過ぎ、今回要約思い切って行く事にした。
そこはとてもモダンで快適なご褒美温泉宿であった。部屋は6室しか無く、料金も紅葉シーズン1人1泊2食21300円という、私には異例の2万円越えの高級宿なのであった。
館内は天井の空間がとても高く、1階建てであると思わせないゆとり、間接照明、綺麗で柔らかい木造の内装。高い天井には夏に廻るのであろうレトロタイプの大きな羽根が付いていた。館内は温泉を利用した床暖房が取り入れられており、優しく暖かく快適だ。
意外な事に何故かロビーに椅子が無い。雑誌があっても休憩スペースが無く、寛ぐのは部屋でという事なのだろうか。
この宿は3代目である今の御主人が建て替えたそうであり、この秘境の山宿にこの様なモダンな宿を建てるとは、さすが東京の方がオーナーであるだけにすこぶるオシャレである。
楽しみな温泉は、まず広く快適な内湯から始まり、窓の向こうに露天風呂が見える。
優しい硫黄の香りが心地良い。淡濁りの湯はシャーベットブルーの様に美しい。
ドバドバと投入される源泉は、洗い場の木桶にも常に溢れており、その湯で髪や身体を洗うのも快適だ。
何度も湯舟に浸かり、手足を伸ばす。ドバドバと新鮮な源泉が投入され、白い湯華が舞い上がる。露天風呂から見上げる紅葉や山や空が美しい。美しさと気持ち良さに離れがたい温泉である。
自噴泉であり、湯温の違う源泉が湧出しており、それらをブレンドし適温に調節されているとの事であった。
そしてこの宿のもう1つの楽しみは料理なのであろう。ワインを飲みながら語らい寛ぎ美味しい料理に満足するという、御褒美を楽しみに訪れる客が多いと思う。
「期待を外さない宿だと思いますよ」と言われてやって来た宿であった。毎年この宿に来る事を楽しみにしていると言うご夫婦とも出会った。
そうなのである。この宿は楽しみにして来れる、正しくご褒美温泉宿であると思う。
広い部屋から見る明け方の黄葉は、窓を埋め尽くし飲み込まれる程であった。
奥鬼怒の紅葉は鮮やかである。来る途中、林道の紅葉に「綺麗、綺麗」と何度ため息をついた事だろう。新緑も紅葉も奥鬼怒は目を見張る特別な美しさがある。
加仁湯から手白澤に向かう道のブナ林の一画に、突如ハゲヤマとなっている箇所が出現し、緊急時のヘリコプターの発着場所かと思ったが、地熱発電の試掘した跡であったようだ。
ブナ林が無残にも伐採されていた。このブナ林が元に戻るのには何十年、何百年という年数が必要なのだろうに・・そしてこのブナ林は、奥鬼怒温泉郷の観光地の1つでもあったのにと残念に思う。
奥鬼怒温泉郷4軒の宿はそれぞれ個性的であるが、いずれの宿も大自然に包まれている事に違いはない。
アクセス例:鬼怒川温泉駅より日光市営バスで終点女夫渕まで その後徒歩2時間半。 もしくは、鬼怒川温泉駅よりタクシーで手白澤温泉まで。