2019,7月宿泊。黒部峡谷トロッコ列車を終点の欅平で降り、右手名剣温泉方向へ進む。
さすが日本三大峡谷と言われるだけあって谷の深さが違う。岩壁をえぐり造られた歩道を歩く。
名剣温泉までは観光客も多く居るが、そこを過ぎた途端人の気配が途切れ、獣の糞も落ちていたりで、熊が出ないか不安になる。
川の流れに沿いながら歩き、時々谷底を覗きこみ、青く美しい清流を眺める。
右手の切り立った岩壁は物凄く高く、ここが峡谷である事を知らされる。岩清水が流れ、岩壁は光っている。緑は美しく、所々山の花が愛らしく咲いている。
山を削って道を造っているため、トンネルが多い。道路の一部は舗装され歩きやすい様に造られていた。欅平からは緩やかな登りの道を、風景を楽しみ乍らゆっくり1時間程のハイキング。
最後長いトンネルをくぐった所で、祖母谷温泉の宿と露天風呂が見える。
川に沿って建てられた宿は木造で細長く、川向こうからでも「祖母谷温泉」と見えるように大きく書かれている。
長い鉄橋を渡った左手が宿で、右手が源泉の河原だ。
部屋は6室しかなく、寝具は置かれている物から、自身で取り出し敷く。4畳に3組の寝具があった。個室として利用させて貰い、1人でも何人でも1泊2食1人10000円である。
テレビは勿論、テーブルもポットも無い。他のアメニティも一切ないが、ドライヤーだけはあった。トイレは水洗。虫が出てこないか心配したが、一匹もおらず網戸の破れは修繕されている。やはり長く営んで来た宿というのは、押さえる所は抑えている。
昔からある大露天風呂は男性用であり、開放感がある。まず見えるのは女性用露天風呂の湯小屋だが、男性用より湯船も小さく、周りが囲われているため景色は臨めず残念だ。
でも晴れていたら満天の星が見られるだろう。
湯は透明で、灰白色の湯の華が沢山沈んでいた。硫黄の香りもし、熱めだが気持ちの良い湯だ。
さすが河原の源泉が近いからか、常時加水はされているものの湯は新鮮だ。
内湯は1つしかなく、男女の札をかけて使用する事になっている。
あっさりしたコンクリート造りの露天風呂に比べ、内湯は全く雰囲気が違う。
まず驚いたのは、そのかけ流し量。温泉が湯船からザバザバと溢れ続けている。
豪快に投入される源泉と同じではないが、同じ位ジャバジャバと加水され、それらが合わさり多量に溢れだしとなっている。差ほど大きくもない湯船に、惜しみも無く。
露天風呂に比べやや温めに設定されている内湯は、ザーザーと溢れそれでいて、投入口辺りは硫黄の香りもする。勢いがある湯は気持ち良い。
そして浴室の雰囲気が、露天とはうって変わって、鄙びた雰囲気がある。
細長い台形型の湯船の周りは、硫黄成分で所々が翠となり、白い析出物が固着し、長い年月が伺われる。薄暗い浴室に、1つかかる古びた傘の電球と相まって、凄く良い雰囲気を醸し出していた。落ち着いてゆっくり入れる湯船と、新鮮な湯にいつまでも浸かっていたくなる温泉だった。
食事は座敷で、長テーブルに向かい合って食べる。女将さんの味付けが良く、山宿であるが手作りのコロッケ等、手をかけたものが出され美味しく満足。朝は、お取り寄せしている漬物類まで提供され、女将さんの、美味しい物で皆に喜んで貰おうという気心が伝わってくるようだった。
食材は、機材用のトロッコ列車で欅平まで運び、荷出し用の軽自動車だけは通れるように作られた砂利道を通って運ばれる。しかし、その車も館内の道具も、源泉成分の硫黄ですぐ壊れてしまうそうだ。山宿を維持して行くのは大変だ。
今年も11月3日で営業を終わり、宿は半年の冬季休暇に入る。来年またトロッコ列車が欅平まで走る6月まで休業となる。
紅葉も大変美しいであろうが、その頃は予約で満杯に近いらしい。空きを見つけて、是非来たいところである。
女将さんの太っ腹な人柄と温泉と食事、そして黒部峡谷の大自然に包まれた、2つとない温泉小屋は何とも惹かれるものがあった。
チェックインは昼過ぎから可。温泉は朝の7時まで入浴できる。日帰り入浴は15時迄。
宿は素泊まりもでき、宿の敷地内にはキャンプ場もある。登山客がほとんだが、黒部峡谷の観光ハイキングとしても適した、秘境温泉宿だとおもう。
アクセス例:黒部峡谷鉄道宇奈月駅より、トロッコ列車で終点欅平下車。徒歩ゆっくり50分程だが、帰りは下り坂となるので30分程度。
心惹かれる大峡谷の山小屋温泉
2019,7月宿泊。黒部峡谷トロッコ列車を終点の欅平で降り、右手名剣温泉方向へ進む。
さすが日本三大峡谷と言われるだけあって谷の深さが違う。岩壁をえぐり造られた歩道を歩く。
名剣温泉までは観光客も多く居るが、そこを過ぎた途端人の気配が途切れ、獣の糞も落ちていたりで、熊が出ないか不安になる。
川の流れに沿いながら歩き、時々谷底を覗きこみ、青く美しい清流を眺める。
右手の切り立った岩壁は物凄く高く、ここが峡谷である事を知らされる。岩清水が流れ、岩壁は光っている。緑は美しく、所々山の花が愛らしく咲いている。
山を削って道を造っているため、トンネルが多い。道路の一部は舗装され歩きやすい様に造られていた。欅平からは緩やかな登りの道を、風景を楽しみ乍らゆっくり1時間程のハイキング。
最後長いトンネルをくぐった所で、祖母谷温泉の宿と露天風呂が見える。
川に沿って建てられた宿は木造で細長く、川向こうからでも「祖母谷温泉」と見えるように大きく書かれている。
長い鉄橋を渡った左手が宿で、右手が源泉の河原だ。
部屋は6室しかなく、寝具は置かれている物から、自身で取り出し敷く。4畳に3組の寝具があった。個室として利用させて貰い、1人でも何人でも1泊2食1人10000円である。
テレビは勿論、テーブルもポットも無い。他のアメニティも一切ないが、ドライヤーだけはあった。トイレは水洗。虫が出てこないか心配したが、一匹もおらず網戸の破れは修繕されている。やはり長く営んで来た宿というのは、押さえる所は抑えている。
昔からある大露天風呂は男性用であり、開放感がある。まず見えるのは女性用露天風呂の湯小屋だが、男性用より湯船も小さく、周りが囲われているため景色は臨めず残念だ。
でも晴れていたら満天の星が見られるだろう。
湯は透明で、灰白色の湯の華が沢山沈んでいた。硫黄の香りもし、熱めだが気持ちの良い湯だ。
さすが河原の源泉が近いからか、常時加水はされているものの湯は新鮮だ。
内湯は1つしかなく、男女の札をかけて使用する事になっている。
あっさりしたコンクリート造りの露天風呂に比べ、内湯は全く雰囲気が違う。
まず驚いたのは、そのかけ流し量。温泉が湯船からザバザバと溢れ続けている。
豪快に投入される源泉と同じではないが、同じ位ジャバジャバと加水され、それらが合わさり多量に溢れだしとなっている。差ほど大きくもない湯船に、惜しみも無く。
露天風呂に比べやや温めに設定されている内湯は、ザーザーと溢れそれでいて、投入口辺りは硫黄の香りもする。勢いがある湯は気持ち良い。
そして浴室の雰囲気が、露天とはうって変わって、鄙びた雰囲気がある。
細長い台形型の湯船の周りは、硫黄成分で所々が翠となり、白い析出物が固着し、長い年月が伺われる。薄暗い浴室に、1つかかる古びた傘の電球と相まって、凄く良い雰囲気を醸し出していた。落ち着いてゆっくり入れる湯船と、新鮮な湯にいつまでも浸かっていたくなる温泉だった。
食事は座敷で、長テーブルに向かい合って食べる。女将さんの味付けが良く、山宿であるが手作りのコロッケ等、手をかけたものが出され美味しく満足。朝は、お取り寄せしている漬物類まで提供され、女将さんの、美味しい物で皆に喜んで貰おうという気心が伝わってくるようだった。
食材は、機材用のトロッコ列車で欅平まで運び、荷出し用の軽自動車だけは通れるように作られた砂利道を通って運ばれる。しかし、その車も館内の道具も、源泉成分の硫黄ですぐ壊れてしまうそうだ。山宿を維持して行くのは大変だ。
今年も11月3日で営業を終わり、宿は半年の冬季休暇に入る。来年またトロッコ列車が欅平まで走る6月まで休業となる。
紅葉も大変美しいであろうが、その頃は予約で満杯に近いらしい。空きを見つけて、是非来たいところである。
女将さんの太っ腹な人柄と温泉と食事、そして黒部峡谷の大自然に包まれた、2つとない温泉小屋は何とも惹かれるものがあった。
チェックインは昼過ぎから可。温泉は朝の7時まで入浴できる。日帰り入浴は15時迄。
宿は素泊まりもでき、宿の敷地内にはキャンプ場もある。登山客がほとんだが、黒部峡谷の観光ハイキングとしても適した、秘境温泉宿だとおもう。
アクセス例:黒部峡谷鉄道宇奈月駅より、トロッコ列車で終点欅平下車。徒歩ゆっくり50分程だが、帰りは下り坂となるので30分程度。