伊豆の踊子の舞台の郷愁感たっぷり!歴史と静寂のお宿
- 公開日
- 2019/01/17
- 最終更新日
- 2019/09/07
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管理人総合評価
3.6
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ユーザーの評価(1件)
3.5
福田屋の歴史は長く約130年ある。
一部開業湯治の建物も残っており、福田屋で人気の榧(かや)風呂の
タイルや石は当時のものだという事だ。
今使用している浴槽は10年ほど前に120年間使用したかやの浴槽と交換した。
ヒノキの浴槽は泉質にもよるが3~30年で交換とよく言うが榧(かや)の浴槽というのはヒノキよりもかなり強い素材なのだろう。120年とは驚いた。
福田家は文豪川端康成の「伊豆の踊子」ゆかりの宿であり、川端康成が宿泊した部屋は今でも残っている。
風情のある小さな温泉街を歩き、川沿いへと出ると「踊り子の足湯」と書かれた足湯が設置されている。
川を眺めながら入れ、椅子やテーブルも用意されて贅沢な足湯。
日帰り入浴はかやの浴室か露天風呂の2種類を選ぶことができ、
貸切で利用できる上に700円ととても安い。
露天風呂は写真だけ撮らせてもらう事にし、歴史のあるかやの浴室の方を選ぶ。
創業時そのままの歴史ある静寂な浴室 塩分を含んだ温まる湯
浴室は石垣で造られた壁とタイルは見たことのないようなレトロなデザインをしている。
女性には届かないだろう上の方にある窓を無理やりあけると涼しい風が入ってきて、湯気でモウモウだったものがなくなって気持ちよく入浴ができる。さらに窓の外からは川の音が聞こえ静寂な雰囲気を感じる。
湯はサラサラとしていて浴感がよく、塩分が含まれているのでよく温まる。少しフワッとするような優しい感じもする。
ただ、入浴してしばらくすると身体にズシッと来るような重たい疲れが来た。ついつい気持ちがよくて長湯をしてしまったが、意外にズッシリとくるので長湯には気を付けた方がいいかもしれない。
源泉は湯船の中に塩ビ管が差し込まれ空気に触れない状態で投入されている。
その為、このフタを取って飲泉することになる。源泉温度は43.6度を高くなく、湯船には7~8Lとそこそこの量が投入されていて湯は綺麗。
大きな内湯と露天風呂、贅沢な貸切露天風呂
洗い場や洗面などはこちらの浴室のみしっかりしたものが付いている。
一般的に綺麗で開放的な露天風呂は人気らしい。
たしかに、一人700円で貸切できるお風呂とは思えないほど贅沢な作りだ。
1階のロビーは7,8年前にリニューアルしたそうで、このスペースのみお洒落で今風。
福田家の紹介された雑誌や川端康成の資料なども飾られている。
2019.3月宿泊。レトロな温泉に惹かれているなか、あの可愛いタイル貼りの浴室には一度行ってみたかった。
浴室を開けると、以外にも湯舟は階段の下だった。上から見下ろす感じで浴室を眺めることになる。萱風呂の湯船は木造りで小さく升の様。
コンクリートの壁には四角い柄タイルが張られていた。特に順序は決められた訳ではないようで、作者がおもむろに貼っていったのだろうか?大きな柄タイルはなかなか斬新で可愛い。四角い湯舟に四角いタイルがマッチしているのだろうか。女性らしい浴室だった。
明治からの温泉宿で、浴室は当時から変わっていないとの事。
湯船からは透明な湯が溢れ出ており、良く温まり気持ちの良い湯だった。飲泉もできる。
天井が高く、籠り感のあるこの内湯が気に入り何度も入った。
もう1つの岩風呂とは、男女交代制となっており、さらに19時~6時までは自由貸し切り制となっるため、時間をよく確認して入る必要がある。
内湯の岩風呂から露天風呂へ繋がり、湯底が伊豆石で緑蒼が美しく、浸かる前からその綺麗な色に期待が高まる。しかし、露天風呂は非常にぬるく湯口に身を沈めていることになった。
夕食には伊豆らしく金目鯛の煮つけが出て、美味しかった。
館内には伊豆の踊子に関する作品が置かれており、初代からの映画ポスターがあり、楽しめた。
部屋にも川端康成の文庫本があり、伊豆の踊子が読めるようになっている。
川端さんが使われていた部屋は、当時のまま現存しており(玄関左上)見せて貰う事も出来るが、泊まり客がいらっしゃったので叶わなかった。
バス停から徒歩で福田屋さんへ向かっていくと、宿が近づいてきた辺りからのアプローチは石畳となり、緑が多くとても雰囲気が良く造られている事にワクワクする。木造の橋。木造の宿。緑の多い庭には伊豆の踊子の銅像・・
あちこち写真を撮っていて、ふと気づくと御主人が玄関口に立っておられ待たせてしまっていたようである(バス客が重なり対応を急がれていた)
宿のイメージとちょっと違うかな?といった感じの御主人はとても気さくな方で「○○さん、はいこちらへ」と名前を言われて、部屋へ案内された。宿の外観とは変わり、館内は新しい。
館内の説明から、食事を運んでくれるのも、布団を敷いてくれるのも全部御主人。
全く気取りが無くちょっと○○○風の御主人は、宿に抱いていたイメージとはかけ離れていたが、何かいい。そうだ、敢えて言えば「萱風呂」の感じだ。
チェックアウト時は着物を着た女将さんが登場されていた。
アクセス例:河津駅から修善寺行バスで、湯ケ野温泉下車。徒歩5分程。