伽藍岳から湧く温泉の上澄みは超濃厚な強酸性極上湯
- 公開日
- 2018/11/11
- 最終更新日
- 2019/09/09
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管理人総合評価
4.3
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伽藍(がらん)岳の麓へ点在する塚原温泉は、火口という自然の力強さで生み出された温泉だ。
私達を泉質というものに目覚めさせてくれたのはここ、塚原温泉。温泉のすばらしさを湯に浸かる事で教えられた。
今回九州の旅でどうしても塚原温泉へ寄りたくて、鹿児島のみの予定だったところを急遽変更。
大分県で3日間滞在する事にした。事前に塚原温泉の桜井さんと連絡を取らせていただいて雪の状況など把握した上で訪れた。
冬に訪れる場合は雪での休業や時間の変更などがある為、確認後に訪れる事をお勧めする。
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塚原温泉への道
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塚原温泉受付の建物
前日まで雪だったせいもあり私達が訪れた朝10:00には既に駐車場が満杯となっていた。
年々人気が高くなっているようだ。
人気が出てきた為、現在の浴槽でも不足しがちだという事だった。
5種類の成分が詰った濃厚な超酸性湯 浴後の肌は驚くほどスベスベに!
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露天風呂 男女各1
この日は前日までの雪のせいで休業だった事もあり、露天風呂は温度が低いのでお休みとなっていた。温度が低いし前日はお湯を入替えてないけどそれでもいいのならと貸切で貸していただいた。少しぬるめだったが途中から隣のパイプに詰め物をし源泉を増やしてくれたので気持ちよく入ることができた。誰も入っていなかったせいで湯船には大量の湯ノ花が沈殿し、入ったとたんあっという間に濁り湯になった。
湯の味はすっぱ苦く、匂いはなんとも言えないかすかなモール臭のような香りがした。この匂いはモール臭と書いたが表現が難しい。何度も何度も匂いをかいだが結局わからなかった。浴後、肌は何処の温泉へ入ったよりもスベスベとなった。
露天風呂の淵は成分であざやかな緑色に変色している。
去年撮った露天風呂の写真を見ると湯の花の量の違いかもしれないが今年より少し濃い緑色をしていた。
P.H1.4と強酸性の為、入って少したつともう指の先はシワシワのおばぁちゃんのような手になる。表面の古い角質が溶けて落ちているようだ。
アトピーなどで通っている湯治客も年々増えているようだった。
冬は湯量が少なくなり温度を保つのが大変だという。冬の深夜には-4度まで下がる為、お湯の表面へは発砲スチロールの板を浮かべ次の日のために備えるそうだ。
成分表の総成分量9.059gは6月あたりにの検査結果。冬は湯量が減る為それよりも濃い湯となる。濃い湯に入りたい方は冬がお勧めだ。
【家族風呂 治療室】
去年訪れた際、通常一般の方は入ることができない治療用の家族風呂へ少しだけ入らせていただいた。
澄んだお湯は鮮度が高く、濃く感じた。静かな空間と一番茶の上澄みだけをとったような透明度の高い緑色の湯はたまらないものがあった。
【家族風呂 一般用】
一般の方はこちらの家族風呂へ入ることができる。
私達はまだここだけ入った事はないので次回訪れた時には入ってみたいと思っている。
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湯の花がすぐ満タンになってしまうパイプ
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沢山の場所に黄色い成分がこびりつき熱い噴気が出ている。
内湯へ送られる源泉パイプはすぐに湯の花で満タンになってしまう。
湯守の櫻井さんはしょっちゅう掃除をしていないとすぐ詰るとパイプ掃除のさわりを見せてくれた。
パイプへ細長いブラシを少しだけ入れるとブワッと湯の花が舞い上がる。
その後、内湯へ入らせていただいたが、パイプをいじった影響で内湯の湯は少し濁っていた。湯の花まじりの濃いお湯に浸かり歓喜きわまりないいい湯を堪能した。
卵アレルギーでも大丈夫 火口の噴気で20時間蒸した温泉卵
【特製火口蒸し卵】 6個 500円
アレルギー反応が出ないよう考慮するため、がらん岳火口の噴気で20時間かけ蒸してつくる。
卵は茶色に変色し、こおばしい味となる。
人気が高いため、朝10時ごろには既に売り切れている事も・・。
卵は受付前にて販売している。
卵と言えば先日塚原温泉がテレビで紹介されているところを拝見したが、源泉で卵を湯で、あげてみると殻がほとんど消滅していた。これには驚いた。
年が経つと共に大きくなる湯釜
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去年の小さい方の釜
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今年の台風で陥没し、大きな釜へと変化していた。 メインの大きな釜も少し大きく成長していた。
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時期限定で入れる温度になる秘蔵の野湯 もちろん入浴禁止&立ち入り禁止 底には良質の泥がたまっている
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ひっそりと湧く秘蔵の野湯 こちらも一般の方は入浴禁止
火口の泥 価格:500円 170g※2014年11月現在は販売されておりません
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火口近くにて
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商品化された石などをサライである程度取り除いた泥
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火口近くにて
—いただいた泥—
早速いただいた下記の一番楽しみにしていた生の泥を2日間泥パックしてみた。パック後はものすごくしっとりスベスベになった!私は元々ニキビなどはあまりできない方なのでスベスベになる以上の効果はわからないが確かな肌の調子よさを実感した。
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ボコッと取ってそのまま乾燥させた泥
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ある程度の石をのぞいた泥
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取ってそのまま生の泥
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伽藍岳頂上よりの景色
湯守の桜井さんは人気が出たからといってお客さんのニーズ全てにあわせる為にボーリングをしたり、機械化を勧めて自然に不可をかけるような事をせず、現状の自然の恵みを最大限に有効活用し、塚原温泉とうまく共存しているという印象を受けた。
積雪のある時でも最低3日に1度は様子を見に行ってお風呂のメンテナンスをしたり、営業終了後に次の日の天気や気温を考慮しながら翌日の源泉量を調整するといった熟練の技によってお客さんが気持ちよく入浴できているという事を知り、大変驚いた。
帰り際に生の泥、商品化された泥、開発途中の泥や卵などをいただき再び大変お世話になってしまった。
とろりとした極上源泉
2019.11月訪問。九州在住中に行き逃し、やっと念願かなって行けた温泉だった。
向かう途中、山からはモクモクと噴気が上り、壮大な風景の中にある。 この伽藍岳から湧出する源泉は、別府八湯の元になる源泉だそうだ。
成程、溶存物質9000㎎を超える成分の中には、しっかりアルミニウムが入っている。これが含まれている温泉は、非常に痛みに良く効き、蔵王や玉川や微温湯二階堂等の様に、霊泉と呼ばれ効能豊かな希少な源泉であり、塚原温泉は更に鉄分がかなり多く含まれている。
透明な湯は、濃厚成分で比重が高いためか、温泉がトロリとしている。投入口は当然析出物で囲われ、湯底は硫黄成分で緑色を呈していた。
湯小屋が分かれ、内湯と露天風呂は離れた場所に在る。 露天風呂といっても小さく、5人程で一杯になる様な岩風呂だった。源泉かけ流しの湯は、気候により変動が大きく、11月ではぬるめだった。故に、この極上の湯にもっとじっくり入っておくべきだったと後悔。
内湯は木造で、当然露天風呂より湯が熱めの為か、女性はこちらの方が人気であった。
山の麓、地獄近くにある温泉で、もっとスケールの大きい湯船を想像していたが、驚く程にこじんまりとした湯船であったけれど。
露天風呂だけだと600円。内湯と両方入ると800円。別に貸し切り風呂もある。9時~17時迄冬季も営業。
アクセス例:公共機関無し。湯布院駅より要タクシー利用。
目に染みる酸性湯
温泉に近づくと山間から吹き上がる湯けむり。テンションがあがります。温泉受付の若いお兄さんに露天と内湯のお湯は同じと教えて頂いたので、露天をお願いする。写真の通り不思議な緑色の露天を貸し切り状態で満喫。目に入るととても痛いので、顔につかないよう気を遣う。内湯はトイレに入る際に写真だけ撮らせて頂きました。せっかくなので、火口も見学させて頂きました。
大浴場と露天の違いが大きかった
大浴場は、熱いと言うのが先立ってゆっくりと入りませんでした。地元の方が多かった様です。
露天の方へ行きましたが此処は少し緑がかったお湯で適温(41度前後?)で下半身浴でゆっくり出来ました。酸性度が高いとの事でしたがそんなに刺激性も無く快適でした。
此処の温泉玉子(一般の温泉玉子で無く固ゆで)はホックリしておいしかったです。1パック買って一人で全部食べました。
今度は人の少ない時間帯を見計らって大浴場でじっくりしたいですね