オンドル小屋があって、時が止まっているような温泉
- 公開日
- 2018/11/04
- 最終更新日
- 2019/10/12
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管理人総合評価
3.3
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ユーザーの評価(1件)
4
極上温泉の宝庫、八幡平
温泉好きなら必ず訪れている地である。
有名な蒸ノ湯温泉の近くにひっそりとある大深温泉。
珍しいのは宿泊施設はオンドル小屋のみ。
宿泊料金は2500円と激安な事から湯治の方はもちろんライダーの方なども大深温泉を拠点として動き回るといった事が多いとご主人が話していた。
敷地内には大深温泉所有の地獄もあり地獄からの新鮮な湯がとにかく豊富。
なんとなく訪れたことから管理棟にいる女将さんに温泉の見学をお願いすることに。
写真の綺麗な建物は管理棟、宿泊はできないのでご注意を。
オンドル小屋の中を見学させていただいた。
見た感じ倉庫内のように何もなく殺風景。寝具なども自分で持って来なければならない。
床は地熱であたたかく、夏場は正直きつそうだが秋などは気持がいいだろう。
冬は最高ですね、とご主人に言うと冬は残念ながら休業しているとのこと。それは残念。
飾り気がなく昔のまま 時間がとまった湯小屋
源泉投入量はそこそこではあるが、あまり人が入っていないせいもありお湯はとても綺麗である。
白っぽい薄い灰色のような色をし味はかすかに硫黄の味がする。
源泉温度が77.1度と高い事からかなりの量が加水されていそうで少々残念。
オンドル小屋前には湧水が流れっぱなしのシンクがある。
そこで水を飲んでいると湯治をされている方が来て「そこの水より炊事場の水の方が断然おいしいよ」と連れていってくれた。
炊事場の水の方が冷たく土っぽくなく浄化され実際においしい。
その水が奥で溜めてあり、野菜や肉を冷やす冷蔵庫がわりになっている。
なんとなくこの場所は時間がゆっくりと流れているような、、そんな感じ。しばらく地獄を見ながら休憩させてもらいまた来るよと大深温泉をあとにした。
大深温泉
ここ数年、毎年欠かさずに決行している
乳頭・八幡平湯めぐりツアーの2泊目の宿として、
とても重宝しているのが、ここ大深温泉だ。
山菜やきのこの時期以外は、当日の電話予約でも宿泊が可能だ。
予約なしで泊りに来る人は、お断りしているという。
過去のトラブル事例は、
すべて無予約の客がおこしているからという。
ここの1泊2,500円という込々の素泊まり料金は、
大沢温泉自炊棟と並んで東北№1の安値だろうと思う。
長期滞在者だと、応相談で更に安くなるという。
現在、オンドル大部屋の宿泊棟が2つ並んである。
手前が新館で、床のオンドル熱がやや高温だ。
室内は常時30℃ほどに安定している。
奥の建物が旧館で、室内温度は25℃ぐらいか。
新館と旧館で、客層ははっきりと分かれている。新館では、
お話し好きな泊り客が夜遅くまで宴会しながら座談会をしている。
3回泊まって、3回ともそうだった。大騒ぎをするわけではない。
旧館には、静かに早寝早起きを励行するオンドル湯治客が滞在する。
夜8時を過ぎると、皆さん次々に就寝する。
そして朝は4時前から動き出す。
この時間に入る朝風呂が、応えられないぐらい気持ち良い。
オンドル小屋の泊まり方を簡単にレクチャーしようか。
まずは、管理棟で受付・料金支払を済ませて、
新・旧館の宿泊ボードに自分の宿泊エリアを書き込む。
管理人のおじさんが、親切丁寧にアドバイスしてくれる。
この辺が高温とか、ここにコンセントがあるとか、などなど。
宿泊場所のオンドル小屋に荷物を運びこむ。荷物が大量の時は、
管理棟の壁に立てかけられている一輪車を使って運ぶ。
自分の宿泊エリアを確保したら、寝具をセットする。
堅い寝床で平気な人は、タオルケット1~2枚で済む。
地熱オンドルを楽しむのには、これが一番望ましい。
しかし、低反発マットレスがないと眠れないという現代人の方は、
スポンジマットとかヨガマットとか長座布団とかいった
敷物を持ち込むことになる。これらの寝具は、
使用すると結露・水滴が発生して、
オンドル床のムシロやゴザが痛むという理由で、
八幡平の他のオンドル温泉では持ち込みが禁止されている。
ここ大深はOKなのだ。さて、寝場所をセットしたならば、
オンドル滞在服に着替える。
そのまま横になって、地熱のやさしさに触れるのもよし、
弱めの硫黄臭ただよう内湯へ行くのもよし、
あちらこちらから蒸気の吹き出す風景を散策に出るもよし、
持ち込んだ食材と飲料でまぁ豪華な腹ごなしをするもよし、
大深での滞在をお好きなだけ楽しむがよろしい。
炊事場には、八幡平の湧水が大量にかけ流しになっている、
大きな保冷用水路のようなシンクだけがある。
火気の設備は全くない。
長期滞在者は、炊飯器、10kgのプロパンガスとコンロ、
オーブントースターなどを持ち込んでいる。
オンドル小屋の外壁に、
30センチ×50センチぐらいの木製の蒸気調理箱のようなものがある。
低温のため、調理には適さない。
温めるにしても、硫化水素臭が食材に染み付くのが難点だ。
轟音を発する蒸気の音を聞いているうちに、
完成まで2~3日かかりそうなのだが、
味付の温泉黒タマゴつくりに挑戦してみたくなった。
了