ひっそり佇む懐かしいお宿のぬるめふんわり上質元湯
- 公開日
- 2018/12/22
- 最終更新日
- 2019/09/08
- 投稿者
- しおり
-
管理人総合評価
3.6
-
ユーザーの評価(3件)
4.5
横向温泉は土湯峠より会津側の広い道路から少し奥地へ入ったところへひっそりと建っている。
湯治の為の宿で、宿泊は自炊のみ。訪れる人も他の温泉宿とはちょっと雰囲気が違う。
なんだかここの周辺だけ時間の流れが止まっているかのようなゆったりとした空気に癒された。
冬は営業しているようで、スキーのお客さんが多いと宿の方が言っていた。
ここは横向温泉 マウント磐梯を経営している方と兄弟の方が経営しているとの事。横向温泉では元湯という話だ。
温泉がすばらしいのも頷ける。
宿は鄙びというより今にも倒れそうな古いアパートのようだった。宿の外から見上げると白いタオルがいくつも干してありこれぞ湯治!といったムード満天だ。宿の前には池があり、紅葉とマッチして綺麗な景色にうっとりした。
宿へ入ると人がいない。「すいませ~ん」と叫んでも出てこない。しかたなく上がらせていただき、宿中を歩き回りながら叫ぶ。それでも出てこない・・・。
どうしようかと思っていた時、人影を発見!「あら誰もいなかったのね~。ごめんね」とおばぁちゃんが出てきた。よかった(^^)
おばぁちゃんに女性用はこっちと案内していただき、脱衣所へ入り湯船を見ると「・・・・・」男の人が入ってる・・・・。これには驚き、「ここは混浴ですか?」と聞いた。となりは混浴となっいるがぬるすぎる為、寒くて入っていたらしい。というのも混浴と女性用の内湯はつながっていて低い仕切り(しかも格子状態)が置いてあるだけ。なので暗黙の了解で誰もいない時は男性も女性用へ入っていい事になっているらしい。私が脱衣所へ入ってくるとおじさん達は「やっぱり若い子が入って来たら女性用の方へ入るわけいかんな~」といい、女性用の内湯が見えるところから遠ざかって入浴してくれた。さすが湯治宿!マナーも人がらもすばらしい。
身体に効く~!ぬるめの長湯効果
湯は無色透明で一見特徴のない温泉に見えるが入って驚いた!タイヤ臭のいい香りがプ~ンとし、少し苦い味。湯の花は茶色とめずらしいものだった。湯船の周りにある窓は大きく開けると半露天風呂状態。紅葉が美しく、いつまでも入っていたい温泉だった。
ここのメインは混浴にあるぬる湯、私は入りにくく入らなかったが飲泉してみると女性用より濃く、苦味と香りが強い。次回は宿泊してそっちの湯を堪能してみたいと思った。
湯の花たっぷりの超鄙び温泉
観音寺川の桜を見に川桁駅へ。そこから1駅の猪苗代駅への送迎があるホテルマウント磐梯へ宿泊し、親族経営でもある中の湯の入浴券を貰い、ホテル横の坂道を降りると徒歩5分位で着いた。
変わらぬ建物や玄関口に置かれたダルマストーブなど、湯治宿でもある昔からの温泉宿で、館内は雑多な感じがし綺麗とは言い難い、非常にざっくばらんな感じ。
日帰り入浴は現在9時~17時で300円。季節により変わったりするので要確認を。
浴室内の割れたガラス窓にはテープが貼られ、あちこちの手書きの注意書きや案内が目立つ。これもB級宿の証の様な物である。
しかし、温泉は実に良い。泉質表示は単純泉となっている事が不思議だ。軽い油臭がし、鉄分と炭酸が含まれ、泡も付く新鮮湯であり、おまけに非常に湯の花が多い。この湯の花が驚く程に多いのは、横向き温泉の特徴なのかも知れない。
女湯では、黒と橙色の細かい湯華が陽を浴びキラキラと舞い踊っていた。浸かると更に沢山の湯華に驚かされる。昼下がり、窓からの光を受け乍ら1人のんびり静かに、この温泉に浸かる至福の時間。あぁ”~気持ちいい~
窓の外は山の緑の木々。朽ちた木の湯舟には、薄濁りで深緑っぽい色の温泉が溢れ出し、床をオレンジ色に染めている。
女性用の湯船は正方形で、2本の源泉を重ねて同時投入しているためドバドバであり、湯面が波打ち湯の花が舞う。新鮮な源泉が生きている。
あ~このまま温泉から上がったら、白いシーツが掛けられた布団でゴロンと横になりたい。そう思わせる温泉であった。
混浴の男性浴室は長方形で湯船が2つに仕切られ、それぞれ源泉の投入口が有り、熱めとぬるめとなっていたが、ほとんど差は無かった。
源泉投入口には網が置かれ、炭の様な真っ黒いケシ粒の固形湯華が、受けられ溜まっていた。
女性浴室との間には細い出入り口が有り、カーテンが掛けられているだけで、誰も居なければどちらの浴槽でも利用できるようだ。
個人的には大変女性浴室の温泉が気に入ってしまったので、男性用の湯には誰も居なかったのでサッとだけ浸かってみただけであった。
素泊まりのみであるが、3980円~となっており、泊まってみたいと思うがこの宿自体での送迎は無いので、マウント磐梯との相談になる。
アクセス例:JR猪苗代駅もしくは、猪苗代駅から中ノ沢温泉方面行きバスで沼尻下車し、その後ホテルマウント磐梯の送迎を利用。マウント磐梯より徒歩5分ほど。
横向温泉のこと 中の湯のこと
横向温泉 中の湯旅館
旧国道115号線で、土湯峠を猪苗代方面にくだり、横向温泉に向かう。
横向温泉には、現在宿泊温浴施設が3つあり、
上の湯 マウント磐梯・中の湯旅館・下の湯滝川屋と称している。
3軒とも同族経営で、中の湯が本家なのだそうだ。
中の湯では、以前は中の湯別館横向磐梯荘という旅館が、
マウント磐梯の少し離れた並びで営業していた。
透明で少し白く濁った炭酸鉄泉が大量にかけ流されていた記憶がある。
今の中の湯の、女湯と混浴室の大きい浴槽に投入されている源泉と思われる。
今は建屋が撤去されて跡形もない。
中の湯におりていく側道の入口には、
神社の鳥居の足のような石柱が2本あり、
その間を通って出入りする来客者を出迎えてくれる。
「日本温泉湯治発祥の地」「胃腸の名湯」
という縦型の看板表示が見られる。
数年前までは、「頭の良くなる名泉」という看板もあったのだが、
今はもうない。
中の湯旅館建屋入口の重い引き戸を開けて、
玄関先の竹編みのざるに300円を入れて、
勝手知ったる炭酸鉄泉の浴室に向かう。
昼なお暗い脱衣所は鉄泉のかおりが強く漂う。
浴室内に入ると、そのかおりが3倍に濃くなる。
ここの湯温は、季節で5℃近く変動する。
7月~10月までは小浴槽の霊泉が42℃、中浴槽が44℃で、
寒期の12月~4・5月は、それぞれマイナス5℃といった感じだ。
冬季に湯温が38℃を下回ると、
「お湯が冷たくて入れません」という張り紙が、
木戸銭入れのざるのところに張り出される。
そこでくじけて帰るのは初心者なのだ。
厳冬の時期に、中の湯に入浴しに来る人達は、温泉猛者がほとんどだ。
勧告表示をものともせずに、300円をざるに入れて浴室へと急ぐ。
今までで、一番湯温が低かった時には、霊泉で34℃というのがあった。
この温度だと、一度入ったらそう簡単には出られない。
なにせ、1~2月の激寒日の気温は、日中でマイナス10℃近い。
あの小浴槽に10数人が、中浴槽には20人近くが、
肩を寄せ合い、太ももをくっつけあいながら
何時間も入っていたものであった。
今回の訪問時は、霊泉が42℃、中浴槽が44℃であった。
1時間半ほど浴場に滞在したが、来客者はおっさんが3人であった。
サッシの大窓を乗り越えたところにある岩の向うには
露天風呂があるのだが、ここ数年はスルーしている。
今年になってから、霊泉のお湯に茶色の湯の花が見られなくなった。
温泉給湯口にステンレスの網が設置されて、
温泉水を濾してしたのだが、いつのまにか撤去されていた。
霊泉浴槽の、あのどろどろ感もほとんど感じない。
浴感もすっきりさっぱりに近づいている。
引き湯のどこかで温泉水の濾過をしているのだろうな。
でも、浴室内の床はあいかわらずつるつると滑るので、
歩行には注意が必要だ。
今回、まじまじと脱衣所の温泉成分表示版を眺めた。
ペンキが剥げて所どころ判読できないところがある古い古い成分分析表には、
今ではもう使われていない温泉成分名がいくつも記載されていて、
なかなかに興味深かった。
了
レトロな雰囲気と新鮮なお湯が楽しめる温泉
温泉巡りで下の湯 滝川屋旅館を訪れたあと、すぐ近くだったのでこちらの温泉にも寄りました。レトロな雰囲気で小さな大衆浴場だったような感じの作りでした。源泉投入量は結構多く、湯が新鮮だなと感じました。鉄のいい匂いがして、湯の花がチラチラ舞っていました。また、下の湯は結構ぬるめだったので、冷えた体を温めるのに最適でした。下の湯ほどの神聖な雰囲気はありませんが、これはこれでとても味があり、ドバドバ注がれる新鮮な湯を堪能できて300円とは素晴らしいです。こんな温泉が家の近くにあって、銭湯的な感じで気取らず毎日通えたら最高だと思います。