すっぱい!えぐ苦い!複雑濃厚、北海道屈指の極上酸性湯
- 所在地
- 北海道函館市柏野町117-150
- 最安値
- 1泊2食付8,550円~ 素泊まり5,500円~ ※1人泊OK 子供OK
- クチコミ 2019.9月宿泊。アルミニウム含有と言うだけで、私の中では霊泉と思えるくらい稀で、痛みに特効する様な気がする温泉だ。蔵王温泉、二階堂微温湯などがそうであり、ここ北海道でその様な温泉に出会えるとは意外だった。
同様に酸性泉で、目に入ると物凄く痛く、目やにがくっついているように目が開けにくくなるので、顔を洗うのは注意が必要だったが、それ以外は素晴らしい泉質で、微温湯の冷泉が温かくなり出て来ているような感じだった。
とても柔らかい湯は、肌にシトッとする。凄く気持ちが良く、40℃程の湯温のためゆっくり入れるが、それでも上がったらまた入りたくなるような温泉であった。
数年前にコンクリートから木に換えた湯船は、泉質により薄っすら黄色くなり、柔らかさを添えている。幅広の淵、床も木造りであり、ゆったりする。
湯の色は、薄い黄色に僅かにグリーンが入っている様な淡い色で、美しい透明の湯である。
香りが一言では表せないような不思議な香りで、硫酸塩泉由来の木系に微かに油臭がしていた。味はかなり酢っぱ苦い。
湯口には、白や緑の析出物が固着し、壁は建てて90年程の間に、全体が温泉成分で黄茶色ベタベタとなり、一部は茶色と変化している。
酸性・含鉄・アルミニウム・硫酸塩泉、溶存物質4923㎎、メタケイ酸263㎎と言う素晴らしい泉質は、非常に良く温まり汗が出る。
恵山から、120ℓ/分の自然湧出泉を2km引湯している間に適温になり、湯船に注がれている。湯船の端からはザアザアと溢れ出す音が途切れる事は無い。源泉100%24時間かけ流しの温泉だ。ただ冬季(11月末~ゴールデンウィーク前まで)は湯温が下がり過ぎるため休館しているそうだ。
料理は海のものがずらっと並び、10品中7品が海鮮物だった。夕は部屋食で朝食は食堂。
これで1人1泊2食8000円台というコスパも良い。
そして気持ち良かったのが浴衣と寝具。全てに糊がバリっと効いており非常に気持ち良く、勿論ぐっすり眠れた。包布や枕カバーまで糊がしっかり効いている宿は少なく、最近の自分は、この糊がかけられた寝具というものに、凄く清潔感とさっぱり感と郷愁を感じ、見ただけで気持ち良く眠れる気がする。
広い部屋の窓からは遠く海が見えていた。
建物は簡素でビジネスホテル風。恵山への登山客や、今は地熱発電の試掘中だそうで工事関係の人が利用されている。昔は湯治の人も多かったとの事で、納得の温泉である為、マイナーである事が非常にもったいなく思う。70代のご夫婦で経営されており「もう自分たちの代で閉めてしまおうと思っている」と言われ寂しい限りである。こんな良い温泉、良いお宿が本当にもったいないと思う。
「お天気がいいから山まで行ってみませんか?」と女将さんが声をかけて下さり、翌朝発つ前に御主人が車で恵山へ登って下さり、津軽や下北半島が見える素晴らしい景色を見せて頂いた。恵山温泉の地獄には遊歩道が設けられていた。恵山と言う名のとおり恵みの山なのである。
恵山から湧く神秘の湯は何とも恋しく、また入りたくなる温泉だった。
アクセス例:JR函館駅から路線バス恵山行きで恵山登山口下車(2時間1580円)送迎あり。
車なら函館から45分程
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